Vision Proでのアプリの使い心地はいかに?
約50万円もするApple(アップル)のヘッドセットPC「Vision Pro」。
Appleは来年前半に発売予定のこの高額なお買い物をしてくれる人に、できるだけのことはしたいと思っているようで、Vision Pro App Storeに既存のiPadOS、iOSアプリを導入すると発表しました。
既存のアプリが使える!
この秋にリリースされるVisionOSのベータ版と一緒に、Vision Pro専用の新しいApp Storeもオープン予定ですが、iPad、iPhoneのほとんどのアプリがVision Pro App Storeで配信されるとのこと。
すべてのアプリは、フラットな画面向けにデザインされた元の形で表示されるそうです。これはAppleがすべてのアプリフレームワークを直接VisionOSに移動させているのが理由です。
ヘッドセットで利用できない機能や周辺機器なしでは機能しないアプリは、互換性がないことを通知するメッセージが表示されるようになっています。
アプリの開発者は、Vision Proの機能を追加するためにアプリを変更する必要はないようですが、ターンバイターン方式のナビゲーションアプリやカメラベースの機能を持つアプリは、残念ながらVision Proでは動作不可です。
App Storeの開発者であるSteve Troughton-Smith氏は、Mastodonで「開発者が自分のアプリをVision Proに表示させたくない場合、App Store Connectサービスでチェックボックスをオフにする必要がある」と投稿しています。
Appleは6月に「空間的な体験」ができるVisionOSアプリの開発向けに、開発者向けサポートを発表しています。
開発キットではシステム内に仮想キーボードと絵文字キーボードが利用可能となっているため、テキストベースのアプリを使用できるようになることがわかっています。
最適化されていないアプリも多いかも
WWDCでの初期テストの結果、Appleは既にメッセージ、Apple Books、メール、SafariなどのiOSおよびmacOSで提供される基本的なアプリは、Vision Proに入れることを決めていました。
これらのアプリは、Vision Proのコントローラーのないジェスチャーベースのコントロール向けに調整されますが、他のアプリはピンチやフリックの動作で操作で決まるとのこと。
しかし、開発者が早めにVison Pro用の動きに取り組まないと、何十万ものアプリのほとんどは「空間コンピューター」でうまく動作できないかも…。
Vision ProのプロダクトマーケティングのシニアディレクターSteve Sinclair氏は、開発者向けの開発キットのダウンロード数は、予想を大幅に上回っていたとDigitalTrendsに語っています。
というのも、BloombergのApple専門家Mark Gurman氏は、今年の初めに設立されたVision Proの開発者ラボが「収容率が低い」と報じていたのですが、蓋を開けてみると、Vision Pro専用のアプリの開発をしている人が多数いたってことですね。
来年前半にVision Proがリリースされて、サードパーティーアプリを試せるようになると、Vision Proを購入したユーザーが買ってよかったか、失敗だったかがわかってくるかもしれません。
どちらにせよ大きな買い物なので、しっかりと見極めたいところです。アーリーアダプターの皆さんは、ストラップのフィッティングデバイスのテストのために予約が必要となってくることをお忘れなく。