ベネフィットのブロンザーが22年経っても愛され続ける理由【Glossy xローンチメトリックスリサーチ】

本格的な夏に向けて、ブロンザーが注目されている。

ブロンザーは5月に大ヒットした。ローンチメトリックス（Launchmetrics）のMIV（メディア・インパクト・バリューの略）では、上位5ブランドが合計で700万ドル（約10億円）を生み出している。MIVとは、インフルエンサー、印刷媒体、セレブリティ、公式サードパーティパートナー、ブランド所有のメディアチャネルの影響を追跡するものだ。ベネフィットコスメティクス（Benefit Cosmetics）のフーラマットパウダーブロンザー（Hoola Matte Powder Bronzer）は5月に240万ドル（約3.4億円）のMIVで、トップの座を獲得。シャーロットティルベリー（Charlotte Tilbury）のビューティフルスキンサンキスドグロウブロンザー（Beautiful Skin Sun-Kissed Glow Bronzer）が160万ドル（約2.3億円）でそれに続き、シャネル（Chanel）のレベージュブロンジングクリーム（Les Beiges Bronzing Cream）が130万ドル（約1.9億円）、ミルクメイクアップ（Milk Makeup）のマットクリームブロンザースティック（Matte Cream Bronzer Stick）が120万ドル（約1.7億円）、5位はフェンティビューティのチークスアウトフリースタイルクリームブロンザー（Cheeks Out Freestyle Cream Bronzer）で59.3万ドル（約8484万円）のMIVを獲得した。

本格的な夏に向けて、ブロンザーが注目されている。

22年間愛され続けるベネフィットのフーラブロンザー
TikTokが牽引した2〜4位
ファンからの人気に支えられたフェンティ
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22年間愛され続けるベネフィットのフーラブロンザー

ベネフィットは2001年にフーラブロンザーを発売以来、これはヒーロー製品であり続けている。ベネフィットを除いて、トップ5のブロンザーはすべてクリームタイプである。フーラがそのトレンドに逆行して第1位の座に輝いたということは、その製品への強力な人気が示されている。また、ベネフィットコスメティックスは5月1日から5日まで送料無料に加えて全商品30％オフになる友人・家族向けセールを実施したが、これがいくつかのメディアで取り上げられたことも言及に値する。

ローンチメトリックスのCMO、アリソン・ブランジェ氏は次のように述べている。「メイクアップがすべての美容カテゴリーを主導しているなかで、ブランドは、競合他社とのダイナミックな環境のなかで際立つように自社のヒーロー製品のユニークな特長を戦略的に強調している。そのようなブランドは、細心の注意を払った研究や開発、製品パフォーマンスに関する洞察を通じて、製品の基盤を強化してオーセンティックな価値を確実に提供している。これによって、ヒーロー製品がビジネスの成功の触媒となり、また同時に熾烈な市場における全体的な成長を促進することになっている」。

TikTokが牽引した2〜4位

有名なメイクアップアーティストのシャーロット・ティルベリー氏は、2022年にクリーミーなブロンザーを発売した。ツヤ感あるこの製品がインターネットで人気を集めるまでに時間はかからなかった。シャーロットティルベリーが3月にベラ・ハディッド氏とアンバサダー契約を結んだことも注目に値する。以来、ハディッド氏は自分のインスタグラムのフォロワー5900万人に向けてシャーロットティルベリーについて何度か投稿している。

シャーロットティルベリーはハリウッドの超グラマラスなルックで有名だが、シャネルはヘルシーで絶妙なツヤを出すといわれるブロンザーで3位にランクイン。シャネルは、旅行シーズンに先立ち4月に1オンス（28g）のブロンジングクリームのトラベルサイズ（15g）を発売した。また、この製品はTikTok上でも常に高い人気を誇っており、ベサニー・フランケル氏らから絶賛されている。一方、シャネルのブロンザーをほかのブランドや「模倣品」と比較して、どちらが優れているかをチェックしている人々もいる。

ミルクメイクアップのマットクリームブロンザースティックの人気もTikTokに依るものと言える。同社のTikTokチャンネルには約72.4万人のフォロワーがおり、コントゥアとブロンザーの違いを説明した固定動画のうちの1本は150万回再生されている。

「デジタルインフルエンスの台頭は、インフルエンサーがこのカテゴリーのマーケティングにおいて、注目を集めてトレンドを形成するという極めて重要な役割を果たしていることを意味する。2023年の第1四半期だけで約8億ドル（約1149億円）のMIVが発生した」とブランジェ氏は語る。「自社の力をオーセンティックに活用して、ターゲットオーディエンスを魅了して関与する可能性を利用する機会を捉えられたブランドは、目覚ましいブランドパフォーマンスを推進した」。

ファンからの人気に支えられたフェンティ

フェンティビューティのチークスアウトフリースタイルクリームブロンザーがユニークな点は、この製品が同社サイト上の「ベストセラー」製品リストには入っていないことである。別のチークスアウト製品（チーク製品）とパウダー状のサンストーカーインスタントウォームスブロンザー（Sun Stalk’r Instant Warmth Bronzer）はフェンティのベストセラーに入っている。同社はソーシャルメディアのコンテンツでクリームブロンザーにはあまり注力しておらず、1240万人のフォロワーがいるインスタグラムでこの製品が取り上げられたのはわずか1投稿だけだった。クリームブロンザーが5位の座を獲得した理由は不明だが、ファンからのオーガニックな人気が大きな要因だったといえる。