TikTok でいち早く流行したMACの新製品「 MACスタックマスカラ 」:成功したプロモーションの裏側

DIGIDAY

MACの新製品MACスタックマスカラ(MACStack Mascara)のハッシュタグ #MacStackMascara が、TikTokで7310万回視聴されている。この製品が3月1日に発売されたばかりであることを思うと、これはとくに感慨深い。

MACはこの新しいマスカラを2022年最大のイノベーションと呼び、2年以上かけて製品開発に取り組んだという。マスカラのブラシにはクラシックなタイプと、短いまつ毛や届きにくい下のまつ毛に最適な「マイクロブラシ」という2種の異なるサイズがある。このマスカラが公言する大きな特徴は、何度でも重ね付けができるというビルダビリティだ。同ブランドでは111人の女性を対象とした1週間に渡るテストで、「95%の消費者が、限りなく塗布できるボリュームを見た」ことがわかった。多くのマスカラは何度も重ねていくとダマができてしまうが、MACスタックのフォーミュラは何層重ね塗りをしてもダマができないというのが主要なアイデアである。

インフルエンサーから絶賛の声が続々

TikTokerのケリー・ローズ・サルノ氏(フォロワー数62万4000人)は、3月1日にMACスタックマスカラのレビューを投稿した。彼女の自己紹介には「⭐️私がこのマスカラを試してみるね⭐️だから、あなたはやらなくても大丈夫⭐️」とあるが、まさしくその通りの投稿だ。動画では、この製品を手に入れたのはお手柄だったと彼女は語る。

サルノ氏はレビューでこの製品を大絶賛した。「つけまつ毛を付けたみたいになる。というか、一度塗りなのに。普段ならこれで十分。文字通りバッチリつけまつ毛のように見える」と彼女は動画で話している。そしてさらに重ね塗りをして、こう言った。「これは4回重ねたところだけど、ここまでやる必要はまったくない。でもちゃんとまつ毛にブラシが通っているのを見て、すごい。これで剥がれなければ、私にとってNo.1のマスカラになるかも」。

その3日後、ミケイラ・ノゲイラ氏がサルノ氏の動画に反応した。以前Glossyでも紹介したように、ノゲイラ氏は1100万人のフォロワーに独自の影響力を及ぼす人物であり、彼女が認めた製品はしばしば売り切れになる。

このマスカラに関する投稿でノゲイラ氏は「数多くのマスカラを見てきたが、だれにでもこんなにフィットするものは見たことがない」と話しており、その動画は1070万ビューとなっている。1回塗って、すぐさま彼女は言った。「すごくいい、興奮する!」。そして「このマスカラ、ものすごく好き。うわ信じられない、とてもいいね」と感想を述べた。TikTokerのメレディス・ダックスベリー氏(フォロワー数1470万人)も参入し、サルノ氏の最初の投稿に自身の感想を付け加える形で投稿している。ノゲイラ氏もダックスベリー氏も実際にはハッシュタグ#MacStackMascaraは使用していないのだが、ふたりの投稿には明らかにこの製品が登場し、それについて言及されており、実際に使用もされている。

このマスカラについて有機的に投稿したメガインフルエンサーたちのリストは続く。パトリック・スター氏は、2種類の異なるブラシサイズを比較する投稿で、TikTokの300万人のフォロワーに向けて製品を紹介した。そして、レイチェル・リグラー氏は約100万人の彼女のフォロワーに対して「はっきり言ってこのマスカラが市場で一番かもしれないと心の底から思う」と話した。ローズ・シアード氏(@roseandben、フォロワー数80万人)も、この製品に太鼓判を押す。こうしたインフルエンサーがまだまだ後に続く。

TikTokでのレビューに焦点を合わせた製品のシーディング

「人々の最初のリアクションを示すTikTokでの製品レビューが、プラットフォーム上でブレイクする傾向があることはわかっているので、(製品をシーディングすることで)そこに焦点を合わせた」と説明したのは、MACコスメティクス・ノースアメリカのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるアンドレ・ブランチ氏だ。

同ブランドはMACスタックマスカラの両サイズを「幅広いクリエイターやアーティストに提供し、(そのマスカラに関するブランドコラテラルでは)無限に重ね塗りができるという謳い文句をアピールしている。当社としては、アーティストたちの初期のフィードバックから、この製品はテストをしても問題ないという自信を得ていたからだ」と彼は述べた。しかしサルノ氏のように、かなりの数にのぼるこの製品の支持者の中には、28ドル(約3410円)のフォーミュラを自分で購入したと言っている人々もいる。

また、同ブランドはハリウッドのゴヤスタジオ(Goya Studios)でイベントを開催し、エディターやインフルエンサー、メイクアップアーティストなど業界関係者への情報拡散に活用した。

「TikTokで製品を買わせることになるのは、とてもリアルだ」とブランチ氏は言う。「当社の新しいMACスタックマスカラがビューティコミュニティやそれを超えた場所から受けた反応について、これ以上なく感謝しているし、心から喜びを感じている」。

ソーシャルメディアで確実にバズるための戦略

MACコスメティクスはそのローンチに自信を持っていたが、ソーシャルメディアは予測不可能だ。

「MACスタックを作るためには何が必要かということや、我々が何か特別なものを手にしているということは、この2年間でわかっていた。目を引くようなデザインで、結果をもたらしてくれる、卓越した主張のあるすぐれたフォーミュラだ。我々のアーティストたちは、撮影現場や舞台裏、日常生活でこの製品をテストするたびに、この点を再確認した」と、ブランチ氏は述べている。

「どのブランドも新製品がバイラルになることを望んでいるように、我々の頭の中にも、心の中にも、間違いなくそうした思いはあった。だが、そうなることを当てにはできないので、安定した戦略を確実に立てることが極めて重要だった。消費者からの初期の製品レビューは、MACの全マスカラの中でもっとも高い 4.5や5の評価を受けており(maccosmetics.com)、それが励みになった」とブランチ氏は説明した。「バズるために早めにサンプリングを行った。販売時点で人々の注目を集めるために、オンラインと店舗の両方ですべての小売パートナーから強力なサポートを受けている。規模を確実に拡大するために、フルファネルのメディアプランに投資もしている」。

MACスタック(商品とハッシュタグの両方)がTikTokで話題になると、「その製品自体の販売結果とブランドに大きなインパクトを与えた」とブランチ氏は述べ、ulta.comでは1週間足らずで製品が売り切れことを指摘した。このマスカラは、アルタ(Ulta)では最初の週に売上No.1となり、その後再入荷しても完売している。

製品をシーディングするブランドの戦略について、TikTokのCPGおよびグローバルビジネスソリューションのバーティカルディレクター、エイミー・オルカーズ氏は「MACは今回のローンチで、クリエイターがプラットフォーム上でブランドや製品のストーリーを語れるようにするために意図的に努力している」と述べている。「これが最終的に、私たちが目にした今回のローンチに伴うTikTokコミュニティの興奮とバイラルにつながったのだ」。

[原文:MAC’s new MACStack mascara has already gone viral on TikTok]

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)

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