まるでSF映画。増えすぎた宇宙のゴミを掃除する衛星が誕生してた…

GIZMODO

地球低軌道には、役目を終えた人工衛星やロケットなどの不用品、いわゆるスペースデブリがたくさん周遊しています。NASAによると、スペースデブリの移動速度は最大時速2万8160km。軌道上で衝突する可能性もあり、宇宙開発が活発な昨今ではかなり深刻な問題だと捉えられているんですよね。

対策としては、スペースデブリの発生を防ぐために使用済みのロケットや人工衛星を速やかに軌道から離脱させる技術の開発と、軌道上のデブリを回収して大気圏に再突入させ高熱で燃やしてしまう方法があります。

そんな作業がこのたび、動画で公開されました。

人工衛星とドッキングして大気圏へ

公開したのは、東京に本社を持つアストロスケールというスペースデブリの除去を目的として2013年に創設された会社。

アストロスケールの衛星「ELSA-M」が、不要になった人工衛星(スペースデブリ)に近づき、周囲を浮遊しながら点検して、回転速度に合わせてドッキングする様子が描かれています。

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Video: Astroscale /YouTube

ドッキングしてからは、アストロスケールのスラスター(機体の姿勢を制御したり微修正したりするもの)で軌道を下げて、大気圏に再突入させます。そこで人工衛星(スペースデブリ)は燃え尽きて完全に活動を停止。「ELSA-M」はこの作業を繰り返し行なえるんです。

デブリ除去の需要は高まっている

現在、米国宇宙監視ネットワークが追跡しているスペースデブリは2万7000個以上あり、小さなデブリも数多く存在すると言われています。

スペースデブリがこんなに増えてしまった理由のひとつに、宇宙業界における「使い捨ての文化」があげられるとアストロスケールの岡田光信CEOは話しています(人工衛星の破壊実験でもたくさんのデブリが発生しました)。

デブリの増加に伴ってニアミス(危険を生じるレベルの接近)の回数も増加傾向にあり、2021年には月間6,000回程度にまで膨れ上がっています。

アストロスケールは、2025年頃に最初の衛星を地球低軌道に送り、衛星通信会社OneWeb(ワンウェブ)の磁気ドッキングプレートを装備した衛星で試験を行なう予定。

宇宙空間でお掃除衛星が働いているなんて、本当にSF映画の世界みたい。映画『ウォーリー』の続編でこういう話が出てきそうだな。

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