ジェネレーティブAI技術はもはや、ほぼすべての業界で不可避のものとなった。嘘だと思うなら、ChatGPTに聞いてみればいい。ほんの数秒で何もかもを教えてくれるだろう。とりわけパブリッシャーのあいだでは、ジェネレーティブAI技術をどう利用すべきか、そもそも利用すべきなのかどうかをめぐって、活発な議論が交わされている。
今回のDIGIDAYリサーチでは、72人のパブリッシャー関係者を対象に調査を行い、ジェネレーティブAIに関してパブリッシャーの見解が二分していること、業界におけるAI利用が今後も拡大する見込みであることが明らかになった。
同調査により、パブリッシャーの約半数はすでにジェネレーティブAI技術を利用していることが判明。正確にはパブリッシャー関係者の49%が、自社ですでにジェネレーティブAIを利用していると回答した。残りの51%は、今はまだ、自社でこの技術を利用していないと答えた。
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現段階でジェネレーティブAIを利用してないと答えたパブリッシャーのうち、過半数(54%)は1年以内に技術を導入する予定であるという。一方、現在ジェネレーティブAIを使っていないパブリッシャーの46%は、12カ月以内に利用を開始する予定はないと述べた。
パブリッシャーのあいだでのジェネレーティブAIへの関心の高さは、この技術がすでに業界で大きな役割を担っていることの現れであり、またそれが今後さらに拡大することを示唆している。
バズフィード(BuzzFeed)、ブリッジタワーメディア(BridgeTowerMedia)、フォーブス(Forbes)、インジェニオ(Ingenio)、トラステッドメディアブランズ(Trusted Media Brands)などが、すでに自社のAIイニシアチブを監督する専門チームを組織していることは注目に値する。
こうしたチームは、AIの試験運用の方法の判断や、AIや機械学習に関する企業方針の策定から、AIがサードパーティベンダーの利用削減にどれだけ貢献するかの試算、AIを利用した新製品の開発といった、この技術に関連するすべてを統括する。
パブリッシャーのAI利用用途トップ5は?
インジェニオはジェネレーティブAIを利用して1万1000本を超える記事を公開し、この技術を組み込んだチャットボットも開発した。
また、バズフィード、ドットダッシュ・メレディス(Dotdash Meredith)、ガネット(Gannett)、アリーナグループ(The Arena Group)は、競争の激しいメディア業界においてコストを削減して新たな収入源を獲得するにあたって、ジェネレーティブAIが重点課題となると表明している。
今回の調査ですでにジェネレーティブAIを利用していると回答したパブリッシャーにその用途を尋ねたところ、「コピーライティングへの利用」が最大の割合を占めた。ジェネレーティブAIを利用しているパブリッシャーの約3分の2(63%)がこの用途への利用を認め、次いで49%がリサーチ、46%がマーケティングの目的で利用していると回答した。
パブリッシャー関係者の40%は、ジェネレーティブAIをコンテンツ制作に利用していると答え、約4分の1(26%)がデータ管理に利用していると回答した。以上が、パブリッシャーにおけるジェネレーティブAIの主要用途のトップ5である。
ただし、パブリッシャーの14%は、ジェネレーティブAIをDIGIDAYが想定したリストにはない用途で利用していた。パブリッシャーがジェネレーティブAIの利用を組み込んでいる「その他」の業務としては、検索エンジン最適化(インジェニオ、チームホイッスル[Team Whistle]、バズフィード、ガネットなどがこうした戦略をとっている)、記事のアートワーク制作、コーディング、ビジネスコミュニケーションなどが挙げられる。
[原文:Digiday+ Research: Half of publishers are already using generative AI — and more will follow]
Julia Tabisz(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:島田涼平)