イーベイ の最高商品責任者が語る、レガシーなマーケットプレイスの成長:「体験を劇的に変えてしまうのは望ましくない」

DIGIDAY

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イーベイ(eBay)は創設から数十年の歴史があるが、依然として新興企業のように最善を求めて継続的に変化しようとしている。

「我々は未だ発展中で、変えなければならないものがたくさんある」と、同社の最高商品責任者を務めるエディー・ガルシア氏は述べる。同氏は米モダンリテールのポッドキャストに参加し、同氏の優先事項や、マーケットプレイスの情勢がどのように発展してきたかについて語った。

ガルシア氏はイーベイの出戻り社員で、2003年に同社で最初に勤務しはじめてから、2014年に退職し、サムズ・クラブ(Sam’s Club)やFacebookなどで勤務してきた。プロダクト部門を率いるため1年前にイーベイに復帰した同氏は、プラットフォームを成長させるとともにコミュニティの感覚を維持するために注力してきたと述べる。

「当社には、コミュニティ体験の感覚、そして、中小企業や個人が互いに結びつく体験の重要なエッセンスが残っている」と、同氏は述べる。

複数のカテゴリー間にわたってこのような環境を作り上げるのも困難なことだ。イーベイは多くの人が知っているマーケットプレイスだが、特定の種類の商品について、特定のエリアをカスタマイズしようと試みている。これは、誰にでも分かるような認知度の高いプラットフォームでありながら、特定の販売者に特定の機能を提供できるように両立させるのは、難しく微妙な作業だと、ガルシア氏は述べている。

同氏は次のように述べている。「バランスの問題だ。買い物客を混乱させないように、体験を劇的に変えてしまうことは望ましくない」。

ロードマップの多くの箇所が更新されたが、中心になっているのはユーザーエクスペリエンスだと、同氏は語る。

同氏は次のように述べている。「やらなければならないことはまだまだ多いが、売り手と買い手の両方の体験から、不便な部分を取り除き、検索をより優れたものにして、プラットフォームへの信頼を高めるという点において、これまでの成果を誇りに思う」。

対談のいくつかの要点を以下に示す。これらは明瞭化のため多少の編集を加えている。

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過去10年間におけるイーベイの変化

「この数年間においてもっとも大きな変化は、プラットフォームの規模だ。当社のアクティブな買い手の数は全世界において1億3400万人で、当社は全世界で190の市場に存在している。このような規模でありながら、当社には依然としてコミュニティ体験の重要な要素、中小企業や個人が互いに結びついて取引を行い、より優れたサステナブルなコマースエクスペリエンスを推進する、または各自の熱意をさらに深めるという風潮が残っている。ある意味で、当社は変わっていない。また別の意味では、当社は進化して拡大し、体験も明らかに異なっている」。

ユーザーエクスペリエンスへのイーベイの取り組み

「買い手の好みや重視しているものに合わせて、表示するものをカスタマイズするために、AIでは多くの作業が行われている。UX(ユーザーエクスペリエンス)は今でも、両方において標準的だ。これはバランスの問題だ。買い物客を混乱させないよう、体験を劇的に変えてしまうことは望ましくない。そのため、当社はこの点に注意して、改善を重ねている。どこをカスタマイズしてパーソナライズするか、買い物客のメンタルモデルを混乱させないために、どこに一貫性を持たせて体験を予測可能にするか、ということを見極めることが重要だ」。

ライブストリーミングが活躍する場所

「ライブストリーミングはすべてのカテゴリーに適しているわけではない。商品について深い理解が求められる分野に適していると考えている。または、売り手が関連性やストーリーを語りたい場合だ。当社の売り手は本当に素晴らしい。起業家であり、商品についてのあらゆる情熱における専門家だ。そのため、ライブストリーミングでそうした人々から直接話を聞くことで体験が豊かになり、すべての人々に利益となる。特に、コレクターズアイテム、トレーディングカード、ファッションについては期待できる。我々は、買い手と売り手とのあいだにより良い関係を作り上げられるようなあらゆる部分で、この試みを続けていく」。

[原文:Ebay’s chief product officer on growing the legacy marketplace]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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