古代マヤ文明の「819日周期の暦の謎」がついに解明か、45年もの期間における天体の運行と同期していることが判明

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古代マヤ文明の遺跡から発掘される碑文の中には、819日周期のものがあり、一体なぜ819という数字なのかという謎はこれまで多くの学者を悩ませてきました。一説には、古代マヤ人にとって聖なる数字だった「7」「9」「13」をかけたからだとも言われてきましたが、新しい研究により819日は地球から見える惑星の周期と関連したものだということが示されました。

The Maya 819-Day Count and Planetary Astronomy | Ancient Mesoamerica | Cambridge Core
https://doi.org/10.1017/S0956536122000323


Bridging Time and Space: Researchers Decipher Ancient Mystery of Maya Calendar
https://scitechdaily.com/bridging-time-and-space-researchers-decipher-ancient-mystery-of-maya-calendar/


Anthropologist pair solve the mystery of Mayan 819-day count
https://phys.org/news/2023-04-anthropologist-pair-mystery-mayan-day.html


以前から、819日が「地球から見たある惑星が空の同じ場所に来る周期」である会合周期と関連しているのではないかという指摘がなされていました。例えば、水星の会合周期は約117日であり、これを7倍すると819になります。しかし、他の惑星では同じ計算を当てはめることはできなかったので、結局819日という日数は謎のままでした。

この謎に取り組んでいたアメリカ・テュレーン大学の人類学者であるジョン・リンデン氏とビクトリア・ブリッカー氏は、819日を20サイクル、つまり約45年にすることで、地球から見える全ての主要な惑星の周期をカバーできることが分かったと発表しました。

例えば、土星の会合周期は約378日でこれを13回繰り返すと4914日となりますが、これは819日の6倍、つまり6サイクルです。同様に水星は819日を1サイクル(会合周期117日×7回)、金星は5サイクル(585日×7回)、木星は19サイクル(399日×39回)、火星は20サイクル(780日×21回)するごとに整数回の会合周期を迎えます。リンデン氏らによると、このサイクルはマヤ文明にとって重要な日付や祝祭日とも関係があるとのこと。


この発見のもう1つの重要なところは、819×20サイクルに当たる16380日は260の倍数であり、この260はマヤ文明で一般的に使われていた暦であるツォルキンでの1年に相当するという点です。

研究者らは論文に「819日という暦を作ったマヤ文明の天文学者は、1つの惑星を見るのではなく、目に見えるすべての惑星の会合周期の予測に使えるよう、より大きなカレンダーシステムとしてこれを構想したのです」と記しました。

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