「犬食の禁止」について検討することを愛犬家の韓国大統領が提案、長年の犬食文化が消える可能性も

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犬は世界中でペットとして親しまれていますが、一部の国々では犬の肉を料理して食べる犬食文化が存在しています。韓国では長年にわたり犬肉が食用として消費されてきましたが、愛犬家として知られる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がついに「犬食の禁止」の検討を提案したと報じられています。

South Korean president suggests ban on eating dog meat | South Korea | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2021/sep/27/south-korean-president-suggests-ban-on-eating-dog-meat


South Korean president wants to outlaw eating dog meat
https://nypost.com/2021/09/27/south-korean-president-wants-to-outlaw-eating-dog-meat/

韓国における犬食の歴史は古く、滋養強壮や精力増強によいとして現代でも年間100万頭もの犬が食べられているとのこと。食用として飼育されているのは主にヌロンイ(コリアン・イエロースピッツ)と呼ばれる犬種ですが、その他の多様な犬種も食肉目的で飼育されているほか、時にはペットとして飼育されている他人の犬を殺して食べてしまう事件も発生しています。

犬食は韓国の食文化として定着していますが、近年ではペットとして犬を飼う家庭が増加しているほか、国際的な非難の声もあって犬を食べる人の数は減少しているとされています。世論調査機関の韓国ギャラップが2018年6月に行った調査によると、回答者のうち47.5%は一度も犬肉を食べたことがなかった上に、「今後犬肉を食べることはないだろう」という回答が約70%に上りました。

若者世代は既に犬食をタブー視する傾向が強く、国内外の動物保護団体からの圧力も強まっています。そんな中、韓国の文大統領が2021年9月27日の会合で、「犬肉の消費を禁止することについて、慎重に検討する時が来ているのではないか?」と金富謙(キム・ブギョム)首相に尋ねたと報じられました。

文大統領は愛犬家として知られており、動物の権利を訴える目的で「保護犬を引き取る」ことを選挙公約として掲げたほど。実際に大統領となった後の2017年6月、文大統領は元の飼い主から虐待を受けていた「トリ」という雑種犬を引き取っており、大統領官邸の青瓦台ではトリを含めた数頭の犬を飼っています。文大統領は捨てられた動物たちを保護する仕組みの改善に取り組んでおり、金首相への発言もこの取り組みに関する説明の中で行われたとのこと。

by Janne Wittoeck

既存の動物保護法は犬を残酷な方法で殺すことを禁じているものの、食肉処理のために人道的な方法で屠殺(とさつ)することや、消費者が犬肉を食べること自体は禁じていません。その一方で、政府はしばしば国際社会や動物愛護団体の圧力を受けて犬肉の規制を行っており、ソウルで犬肉を提供するレストランの数は年々減少し、犬の飼育場や屠殺施設の閉鎖も相次いでいます。

2022年3月に予定されている大統領選挙の候補者の多くも、犬肉の消費を禁じる法整備を訴えているとのことです。

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2021年09月28日 17時00分00秒 in 生き物, Posted by log1h_ik

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