2023年4月28日より販売開始となった「かつや」待望の新商品。その名前を最初に耳にした時に思ったのは、かなり率直に申し上げて「え、なんて?」だった。さっそくご紹介しよう。『デミチーズハンバーグカツカレー』である。繰り返す。『デミチーズハンバーグカツカレー』だ。え、なんて?
デミで、チーズで、ハンバーグで、カツで、カレーってお前、知ってるウマそうな単語を端から順に並べたんか。一体何なんだこれは。名前のカオス度だけなら、長い「かつや」の歴史の中でもおそらく上位に入るだろう。食べる前からすでに腹がいっぱいである。
・「かつや」新商品
6万食限定と銘打たれた『デミチーズハンバーグカツカレー』。価格は税込836円、テイクアウトは税込820円となっている。ハンバーグカツというワードからしてなかなかにカオスだが、本作に寄せられた「かつや」からのコメントもまた相当カオスであるため引用したい。
「『かつや』はハンバーグもカツで!」
私(あひるねこ)を含め、きっと多くの人がこう思ったはずだ。いや、ハンバーグはハンバーグでいいだろと──。毎度のことながら、どうして「かつや」は何でもかんでも揚げたがるのか。あれか、そういう社風なのか。揚げないと査定に響く的な……そんなんでよく上場できたな!
そういえば新作の詳細が発表された際、「情報の海すぎる」とツイートしたら……
「かつや」がこう返してきた。
「なんでわかったの? 波をイメージしてるってこと」
──ちょっと何を言っているのか分からなかったが、そうこうしている間に『デミチーズハンバーグカツカレー』が到着。気になるハンバーグカツのルックスはというと……
うむ、よく分からんがウマそうである。
・名前に偽りなし
油で揚げたであろう極厚ハンバーグには、チーズとデミグラスソースがたっぷりかかっている。その下に広がるのは、カツをおいしく食べるために開発されたというカレーだ。まさに『デミチーズハンバーグカツカレー』そのものというか、思った通りのハイパー情報過多でお茶を吹きかけたぞ。
しかし、ここで浮上するのが「ハンバーグカツって、ただのメンチカツじゃね?」問題である。「かつや」よ、ちょっと待てと。世界はそれはメンチと呼ぶんだぜと。実際、その点を疑問視する “かつや者” の声はSNS上でも散見された。私も気になってはいたのだが……
結論から述べると、コイツはメンチカツじゃねぇ……ハンバーグカツだ! 文字通りハンバーグのカツなんだ!! もうね、一口食べた瞬間に分かったね。これはメンチカツとはまったくの別物であると。この際ハッキリ言わせてもらうけど、お前らハンバーグカツにはプロ意識が足りないんだよ、プロ意識が!
・非メンチ
断面からも分かるブ厚さが魅力のハンバーグカツであるが、そのせいか舞台上では、自身がハンバーグであり続けようとするハンバーグと、ハンバーグを飲み込んで自身がイニシアチブを取ろうとするカツが、真っ向から対立してしまっている。まるでお互いがお互いを食い合っているかのような状態だ。
そこには、メンチカツが持つビジネスライクかつ、プロフェッショナルな姿勢はまったくもって見られない。とにかく「俺が俺が」の応酬で、一つの料理としてキレイにまとまろうなんていう意思はさらさら皆無。おい、熱血新入社員かお前ら! 少しはメンチカツ先輩を見習えよ!!
しかし、この未熟なアンバランス感が、結果的に「かつや」らしい脳筋全開なパワフルさをもたらしているのも事実だろう。たしかにこれはメンチカツではなく、ハンバーグのカツだ。デミグラスソース&チーズとの相性も上々。少なくとも私はメンチカツより好きだぞ! さあ、もっと揉めろ揉めろォォォォオオオオ!!
・「かつや」スタイル
結局、どこがどう波をイメージしているのかについては最後までよく分からなかったものの、足し算に次ぐ足し算によって完成したマキシマムな味わいは、これ以上ないほどに「かつや」で実によかった。ぜひメンチカツとの違いを感じながら食べてみてほしい。
参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.
★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」