顧客獲得 が困難ななか、フランチェスカが「ロイヤルティプログラム」に傾倒する方法

DIGIDAY

2022年10月、ファッション小売業のフランチェスカ(Francesca’s)は、初のロイヤリティ・プログラムとなるフランクラブ(Fran Club)をローンチした。これは同ブランドにとって新しいタイプのマーケティングへの最初の進出であり、洗練された写真やキャンペーンではなく、顧客との直接的な関係性をより重視したものだ。

フランクラブがスタートして約半年が経過したいま、フランチェスカのCMOであるジャン・パリッシュ氏は、このプログラムは成功していると話す。同氏によると、非会員は通常年間3~7回フランチェスカの店舗を訪れるのに対し、フランクラブの会員は年間約12回店舗を訪れるという。それだけでなく、会員の平均注文額は、店舗とオンラインの両方で一般の顧客より40%も高い。10月以降、フランチェスカは25万人以上の会員を獲得している。

「しかも、まだ数カ月しか経っていない」とパリッシュ氏は言う。

メンバーシップの拡大に注力

フランクラブの会員は、100ドル(約1万3300円)の買い物ごとに10ドル(約1330円)のクーポンや誕生日プレゼント、会員限定のセール、新商品の早期入手など、いくつかのさまざまな特典を得られる。創業24年のフランチェスカは、50ドル(約6660円)から200ドル(約2万6650円)のウィメンズの衣服を販売しており、主にショッピングモールに全米460店舗を構えている。買い物客は18歳から35歳の女性が中心だ。

現在、フランチェスカはフランクラブのさらなる拡大に力を入れている。4月中旬、フランチェスカは、このロイヤルティクラブに特化した初のTVコマーシャルをはじめとする新たなキャンペーンを発表。そのCMはマイアミで開催されたフランチェスカのイベントで撮影されたもので、俳優やモデルではなく実際にクラブに参加している会員たちが出演している。

この広告はフランチェスカのコネクテッドTVマーケティング全体でデビューを果たした。さらにフランチェスカの地元であるヒューストンのラジオ局では、フランクラブの登録広告を流している。フランチェスカは、正確な投資額については明らかにしていないが、パリッシュ氏によれば、金をかけた従来のキャンペーンやモデルに大きく依存していた以前のマーケティングにくらべて、会員を巻き込んだ今回の広告の制作は容易だったという。

「会員と非会員のライフタイムバリューの差について述べるのは時期尚早だ」とパリッシュ氏。「とはいえ、(会員の居住地によって)どこに出店するかを決めることができるなど、長期的なメリットはすでに見えている」。

厳しい経済状況ではライフサイクルマーケティングが効果的

パリッシュ氏いわく、フランチェスカは限定的ではあるが、さらに多くの店舗をオープンする予定だ。厳しい経済状況に向かうなか、マーケターは慎重であるべきだと同氏は言う。マーケティングも小売業も金がかかる仕事であり、3年前に破産から抜け出したばかりのフランチェスカは、正しい意思決定をするために、これまで以上にデータに頼っているとパリッシュ氏は述べた。フランチェスカは2021年にプライベートエクイティ企業であるテラマーキャピタル(TerraMar Capital)とタイガーキャピタル(Tiger Capital)に買収されている。

「キャンペーン自体は、トップ・オブ・ファネルとして有効だ」とパリッシュ氏は言う。「だが、常時実施するプログラムではない。いまはこの春に実施して、新学期の頃に再度実施する予定だ。そのあいだにはキャンペーンで獲得した顧客に力を入れるのみだ。これは自分たちの目に見えるところに金を置いておくという、ブランドのある種の不況対策だ」。

パフォーマンス・マーケティングチャネルによる顧客獲得がかつてないほど困難で高価になっている現在、ブランドは既存顧客の維持に優れたロイヤルティプログラムの持つ力から利益を得ることができる。

「特に市場が低迷するなかで、ライフサイクルマーケティングはもっとも効果的に成長する方法のひとつ」と、グロースマーケティング会社パワーデジタル(Power Digital)のファッション担当シニアアカウントディレクター、ハンナ・レーン氏は述べている。「(ロイヤルティ会員は)すでにブランドに対してある程度の忠誠心を持っているため、生涯価値を拡大しながら新製品を組み合わせ販売する絶好の機会となる」。

[原文:How Francesca’s is leaning on its loyalty program in a tough economic market]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

Source

タイトルとURLをコピーしました