「スタートアップとして、アジアの食材を多くの顧客へ」:ウマミカート創業者のA・シュウ氏

DIGIDAY

こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトとなります

ウマミカート(Umamicart)は、本格的なアジアの食料品をより多くの米国の消費者に届けようとしている。

このアプリは2021年初頭にローンチされ、共同創設者でCEOを務めるアンドレア・シュウ氏によると、前月比2ケタ増で推移している。同社はソースから、肉、野菜まで、アジアの食材を取り扱い、創設時には400SKUだったのが、現在では1000SKUを超えるまでに取り扱いを拡大した。シュウ氏は3月第2週、米モダンリテールのポッドキャストに参加し、食料品のデジタルスタートアップを成長させる際の多くの試練と苦難について語った。

シュウ氏によると、ウマミカートを設立したのは、市場にギャップがあることに気づいたからだという。つまり、多くの人々はアジア固有の食料品を、専門の食料品店でしか入手できず、そのような店は通常、特定の場所、多くの場合は都市部に存在する。同氏は次のように述べている。「もしも大きなチャイナタウンの近くに住んでいるなら、とても幸運なことだ。しかし、すべての人がそれほど幸運なわけではない」。

そこで、ウマミカートの構想は、このような種類の食品を多くの人々に提供することだった。現在のところ同社の商品は11の州で購入でき、12月に終了した600万ドル(約7億800万円)の資金調達のあとでさらに拡大する計画だ。

しかし、このコンセプトは、単にアジアの大型食料品店をオンライン化することではない。その代わり、シュウ氏と共同創業者は、アジアの中小ブランドやサプライヤーと提携し、彼らに商品を販売する新たなチャネルを提供するため尽力してきた。

シュウ氏は次のように述べている。「人々はよく、『どうしてこれをホールフーズ(Whole Foods)で買えないのか?』とたずねる。その答えは、ホールフーズが、私たちが扱っているような多くのサプライヤーと取引していないからだ」。

同社は現在、地理的にも、商品の取りそろえについても、拡大することに注力している。シュウ氏は次のように述べている。「当社はおそらく、今後数カ月以内にカタログの商品数を最低でも2倍にするつもりだ。地理的にも拡大を計画している。正確にどこにするかは決まっていないが、今年は拡大を進めることは間違いない」。

対談で強調されたいくつかの内容を以下に記す。これらは明瞭さを考慮し、多少の編集を加えたものである。

Subscribe: Apple Podcasts | Stitcher | Google Play | Spotify | RSS

ウマミカートの対象となる顧客

「我々が痛感したのは、当社が対象としている顧客が、オンラインでの購入が多い現代的な顧客であり、食品を調理する方法が、私の両親が調理する方法とは異なっているということだ。私の両親は中国の食品しか調理に使わなかったが、これらの顧客は多くの異なる種類のアジアの料理を試している。さまざまな国の料理を混ぜ、合わせてみる。アジアのソースを、伝統的なアジア以外のレシピ、たとえばイタリア料理のレシピで使っているのだ。そして、アジア系アメリカ人には非常に優れた創業者がおり、人々がすでに行っていたことに脚光を当てるという点で非常に良い仕事をしてきた。ラー油をピザにかけてもよいし、なんならアイスクリームにかけてもよい。それは、私にとっては非常に刺激的なものだった。だから、ひとつの料理だけでなく、いくつかの料理を同時に扱う必要があることは、最初から極めてはっきりしていた」。

適切なサプライヤーと商品の選択について

「品質を保証できるサプライヤーと協力することは、非常に重要だと考えている。当社は多くの調査を行い、多くのサプライヤーと話をして、彼らとの関係を探求した。価格より品質を重視し、より長期的な視野に立った決定を行うことが非常に重要だと考える。なぜなら結局のところ、食料品店の場合、利便性とアクセスのしやすさは非常に重要ではあるが、顧客が最終的に気にするのは商品の品質だからだ。品質が良ければ、顧客は当社を繰り返し利用するようになる。当社にとっては、それがある種のゲートウェイになるからだ」。

口コミによる成長

「アジア系アメリカ人のクリエイターコミュニティや創業者コミュニティは、非常に協力的であることを知った。私は知り合いでない人々に連絡し、多くの人々にDMを送り、私とチャットして助言やフィードバックをくれないかと尋ねた。また、顧客調査を通じて、最高のコネクションを得ることができた。私は友人に、『今度、ウマミカートという新しいコンセプトをはじめることにしたのだが、できるだけ多くのフィードバックを集めている』と呼びかけた。するとその人たちは、『いいだろう、アンケートを送ってくれればグループチャットに送信する』と返信してくれた。こうして、何百人もの人と対話できる最初のリストを作成した。そして、その人たちと対話していると、その人たちは『私は某出版物で記事を書いている』『あなたにとって貴重な人材になりそうな友人が3人いる』といった返事をくれた。私はその人脈をたどって関係を築いていった。非常にオーガニックな関係構築だった」。

[原文:Umamicart’s Andrea Xu on building an online Asian grocery startup]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

Source

タイトルとURLをコピーしました