「 後払い決済 のフロンティアは、オフラインにある 」: SezzleのCEO ユアキム氏が語る BNPL の未来

DIGIDAY

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後払い決済サービス(BNPL)は近年怒涛の勢いで成長している。小売店からも買い物客からも引く手あまたな同サービスは、今回のパンデミックのなか、米国で急激な人気の高まりを見せてきた。そして、その成長はスクエア(Square)によるアフターペイ(Afterpay)買収などに見られる企業再編の動きを加速させている。

競争が激化するにつれて、こうしたスタートアップは現在、米国市場でのブランドの確固たる定着、そして顧客維持率の改善・向上にますます力を入れている。

分割払い決済サービスを提供するセズル (Sezzle)は、ニッチ市場の独自開発を目指している。2016年創業の同社は現在アクティブカスタマーが290万人。当初は中小企業を顧客にしたサービスを展開していたが、現在では個人向けの無利子分割払いプランを提供し、支払い滞納時には遅延利息金を課す。

セズルはここにきて、ターゲット(Target)やゲームストップ(GameStop)をはじめとする大手小売企業との提携を強力に推し進めている。また商品ラインナップを拡充し、これらの企業のユーザーがクレジット払いをしやすくする ツールを提供している。

このたび、米DIGIDAYの姉妹サイト、モダンリテール(Modern Retail)がセズル(本社米国ミネソタ州ミネアポリス)のCEOを務めるチャーリー・ユアキム氏を取材し、後払い決済サービスの事業運営における課題と、新世代のフィンテック企業からまだ手をつけられていないと同氏が考える分野について話を聞いた。なお、本インタビューは読みやすさを考慮し、一部編集を加えてある。

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――コロナ禍の成長に対応するため、追加した新サービスは?

私たちの主力商品はクレジットスコアに影響を与えずに、スムーズな借入れを可能にするサポートツールです。Z世代の調査を行ったところ、顧客の50%はクレジットスコアを傷つけられたくないと考えているが、残りの50%は、確実な返済を実行することによりクレジットスコアを高くしたいと思っていることがわかった。そこで、2020年11月にはユーザーの信用構築を図るツール、セズルアップ(Sezzle Up)を追加した(これはもともと、弊社がユーザー利用限度額を毎月消費者信用機関に報告するために利用しているもの)。また、長期にわたりサービスを利用してもらうために特典も付与。セズルスぺンド(Sezzle Spend)経由で提供している。

特に若年層のユーザーが魅力を感じているのは後払い決済サービス。ただし彼らは、金利や特典のあるクレジットカードには興味を持っていない。その上、この層のニーズを満たすサービスを提供して、彼らの消費力の向上とともに私たちも成長できる仕組み作りを図っている。これは大きなビジネスチャンスだと考えている。

――現在、後払い決済サービスの分野は非常に競争が激しい。どうすればほかのブランドよりも抜きん出ることができるのか?

確かに競争は激しいが、ブランドと手を組めば、新規サービスにもまだまだチャンスはあると思う。たとえば大型スーパーは、大量の取引に対して柔軟な対応が可能で、信頼性の高いパートナーを求めている。そのため、自社ブランドを信頼できるサービスと組ませる傾向がある。

多くの小売企業はすでに自社独自の返済方法やクレジットカードなどを用意している。そこで私たちは、既存の貸付方法を補っていきたいと考えている。もちろんすべてをカバーしたいとは思っていない。今考えているのは、トロント・ドミニオン・バンク (TD)やアライ・バンク(Ally Bank)など、長期貸付の経験が豊かな銀行と提携して財布代わりになることだ。最近は、成長戦略の次のステップの一環として、ディスカバー・カード(Discover Card)との提携も始めた。

――ターゲットとの提携も発表したばかり。全米消費者の認知度向上において、同社との提携はどのように役立つのか?

2021年まで、私たちは主に中小企業を対象にした市場で成長してきた。現在では北米に3万4000件の取引先がある。とはいえ、企業相手のセグメントに参入したかったのは、「ユビキタス的な存在」 になることを長期目標に掲げているからだ。2020年後半にターゲットとはじめて契約し、現在は長期契約を結んだところだ。私たちにとってターゲットは雲の上のパートナー。というのも、事業を始めたのが、人気の高い後払い決済サービスのスタートアップが軒並みローンチしたあとだったので、常に後塵を拝してきたからだ。

――後払い決済サービス業者は、「手数料をごまかしている」「透明性に欠けている」と批判されてきた。消費者保護を念頭に置きながら、どのようにマーケティングを行っていくのか?

米国は全般的にいって、お金の教育が十分ではない。信用や借金について、多くの青少年は実際に試行錯誤を繰り返して学んでいく。親が教えてくれるかもしれないが、それも運が良ければ、の話だ。このビジネスは透明性があり、安全であることが周知されれば、若者も利用しやすくなる。実は、「Bコーポレーション」(公益を考えた持続可能な企業)の認証をちょうど受けたところだ。これからは、Bコーポレーションとして社会的責任を果たすべく一層努力を続けていきたい。

私たちの商品はクレジットオプションとして、特に大きなヒットを期待せずにローンチした。その当時はそのやり方が正しいと感じていたからだ。その一方で、セズルU(Sezzle U)という教育ツールもある。これは、若いユーザーが適切な商品を選べるようにサポートし、最終的には、クレジットスコアに影響を与えるプランへの移行を促すものだ。

――後払い決済サービス業者の間では、実店舗での利用がヒートアップしている。対面の支払いに関してはどのようなアプローチを取っているのか?

後払い決済サービス業者は一斉にオフラインの世界に向かった。つまり、そこがこの業界が進出すべき次のフロンティアだ。とはいえ、オフラインはオンライン取引よりもかなり厄介である。その理由は、店舗のPOSシステムと連動させなければならないから。でも、セズルの一元化システムなら、ユーザーが会計時にレジ画面でセズルのバーチャルカードをタップすれば支払い完了だ。後払い決済サービスがまだ追いついていない分野といえば、特典の分野だ。自社ブランドや店舗のクレジットカードにはすでに特典がついている。支払い方法を柔軟に対応すれば、小売店と買い物客の関係を新しく変えることができる大きなビジネスチャンスはまだある。

[原文:‘There is room for multiple services’: Sezzle CEO Charlie Youakim on the future of buy now, pay later

Gabriela Barkho (翻訳:SI Japan、編集:戸田美子)

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