Amazon 、2022年度に600万点の偽造品を処分したと報告

DIGIDAY

Amazonは、偽造品検出技術のアップグレードから商品の破棄や工場の強制捜査など、同社プラットフォーム上での偽造品の流通を防止するためにあらゆる手段を講じていると述べている。

Amazon「ブランドプロテクションレポート」の内容

eコマースの巨人であるAmazonは、4月4日火曜日に3回目の年次「ブランドプロテクションレポート(Brand Protection Report)」を発表し、偽造品対策の詳細を説明。この数年間、複数のブランドから訴えられているAmazonは、偽造品が自社プラットフォームで取り扱われるのを予防する技術と法的努力を強化していると述べている。また、レポートによると偽造品の販売者に対しても措置を講じているという。

「偽造者は金儲けが目当てで、高級ハンドバッグから家庭用品まであらゆるものを偽造する」と述べているのは、Amazonのグローバルブランドリレーション担当ディレクター、アナ・ダラ・ヴァル氏だ。

販売事業者の検証ツール

Amazonの防御の最前線は販売事業者の検証ツールであり、レポートによると、偽造品の販売を目論む「悪徳業者」によるAmazonストアの設置の試みを80万件ブロックしたという。これは、2020年の600万回、2021年の250万回から減少しているそうだ。レポートはその理由として抑止力を挙げた。2022年、Amazonは身元確認のためのビデオチャット要件を追加して販売事業者の審査を強化している。ストアアカウントを設定するためには、販売事業者には、写真付きの政府発行の身分証明書、納税者情報、身元情報、場所、銀行口座、クレジットカードに関する詳細の提出が義務づけられている。

「新規の販売事業者の審査と悪徳業者に責任を負わせることの併用には抑止効果があった」とダラ・ヴァル氏は語っている。

Amazon上の偽造品に対するブランドの対応

ブランドは何年ものあいだ、Amazonでの偽造品問題に対処し、さまざまなアプローチを取っている。ブランドのなかにはAmazonを訴えることにしたところもある。2017年、シャネル(Chanel)はAmazon上での偽造品販売をめぐり、Amazonと偽造販売業者を相手取った訴訟に勝訴した。現在、Amazonは偽造品を販売するためにルブタン(Louboutin)のブランド名を使ったキーワード広告をめぐって、高級シューズメーカーのクリスチャン ルブタン(Christian Louboutin)から訴えられている

ルブタンはキーワードによる購入を「間違いなくAmazonで悪用される潜在的なシグナルのひとつ」と見なしている、とダラ・ヴァル氏は述べている。

一方、訴訟においてAmazonに協力することを決めたブランドもある。ヴァレンティノ(Valentino)は2020年、偽造者に対する訴訟でAmazonに協力した。また、偽造品を売り込むインフルエンサーに対処するためにAmazonと協力しているブランドも複数ある。2022年、カルティエ(Cartier)とAmazonは、インスタグラムでカルティエの偽造品を宣伝してAmazonで販売したとして、中国拠点のインフルエンサーに対して訴訟を起こしている。

世界的な対策や訴訟

Amazonのレポートでは、偽造者に対する法的措置が強調されており、昨年、米国、英国、EU、中国で偽造品をめぐる訴訟や刑事手続きを通じて合計1300件の訴訟を起こしたと述べられている。

これには、対象の国々の法執行機関と直接協力して、Amazonが所有する施設だけではなく、製造元の工場でも見つかった偽造品を特定することが含まれていた。Amazonによると、昨年、合計で600万点の偽造品が「適切に処分」されたという。処分プロセスの詳細は明らかにされなかった。Amazonの偽造犯罪ユニットのメンバーは、偽造品の証拠を調査して法執行機関に報告するだけではなく、工場の「強制捜査にも参加」しているとダラ・ヴァル氏は述べている。

あるケースでは、Amazonは中国の複数の公安局と協力して工場を強制捜査し、24万点以上の商品を押収した。また、レポートにはドイツとロンドンで警察と協力したほかの活動が記されていた。

Amazonは偽造品の最大の発生源である場所を特定はしない。「偽造は世界的な問題だ」とダラ・ヴァル氏。

サードパーティの調査によると、Amazon上の偽造品のほとんどは中国から来ているという。偽造品について研究しているノースカロライナ州立大学のロバート・ハンドフィールド教授は米国に流入する偽造品の80%が中国からだと推定している。

ブランドレジストリプログラム

Amazonは、ブランドが偽造品に対処するために参加できる複数のプログラムを通じてブランドとの協力について述べている。その最大のものは、ブランドがAmazonで見つけた偽造品を報告できるブランドレジストリプログラムだ。これは6年前に導入された。また、Amazonはブランドが偽造品を報告する前に商品を削除するための自動化技術を改善したと述べている。

ブランドはまた、偽造品に対処するためにAmazonでの販売に関してさまざまなアプローチを取っている。ビルケンシュトック(Birkenstock)とナイキ(Nike)は、Amazonで偽造品が急増したことを理由に過去にAmazonストアを閉鎖したことがある。ピースアウトスキンケア(Peace Out Skincare)やバイオッサンス(Biossance)のように、ブランドレジストリやブランド用のほかのツールを使って対処するためにAmazonストアのオープンを最近決定したブランドもある。ピースアウトスキンケアは、2022年1月にAmazonでサービスを開始した後、ピースアウトの当時の最高コマーシャル責任者、J・P・マッケアリー氏はAmazonへの進出は無許可の販売業者から「所有権と管理権を取り戻す」ためだったと語っている。

また、ブランドはサードパーティのサービスプロバイダーを利用して商品リストをくまなく調べて、無許可の販売者を追跡してAmazonにフラグを立てて削除してもらうこともできる。たとえば、ピースアウトはスーパーオーディナリー(SuperOrdinary)を利用してこれを実行している。

対策による状況の改善

今年のレポートでAmazonは自動化された偽造品除去の向上を謳い、ブランドが手動で偽造品を監視する必要性がなくなったと述べている。違反の99%は、手動の報告ではなく自動的に削除されるという。また、Amazonはブランドから提出された違反通知が前年比で35%減少したと付け加えている。これは毎日80億件の製品リストをスキャンして偽造品を自動的に削除する技術の向上によるものだ。

Amazonは2021年のレポートで2020年に100億件の偽造品の出品の試みをブロックしたことを明らかにしていたが、今年の総出品数は入手できなかった。同レポートによると、Amazonは米国特許商標庁とも協力して5000件のブランド商標の侵害を特定して削除したという。

Amazonは2022年にブランドレジストリプログラムの機能を更新し、ブランドが事前に削除された出品数を確認できるようなっている。

また、ブランドが利用できるものには、ブランドが直接製品を削除できるプロジェクトゼロ(Project Zero)プログラムがある。Amazonによるとこのプログラムには2.2万人のメンバーが参加しているという。また、ブランドは透明性(Transparency)プログラムに参加することもできる。これは、製品に固有のシリアル番号と、Amazonがブランドと協力して真正性の検証を示すバッジを提供するプログラムだ。レポートによるとこれまでに9億ユニットに番号が与えられているという。

[原文:Amazon reports it disposed of 6 million counterfeit items last year

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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