「 イノベーション の最前線に。NGOとのコラボ は新しい競争」:ゲラン チーフサステナビリティオフィサー セシル・ロシャール氏

DIGIDAY

サステナブルな製品とパッケージングは、美容企業の最重要な取り組みとしてさらに確固たるものとなっているが、LVMH傘下のフランスのラグジュアリーフレグランスブランドであるゲランは、イノベーションの最前線にいる。こうした取り組みの指揮者は、同ブランドのチーフサステナビリティオフィサーであるセシル・ロシャール氏だ。

サステナブルな製品とパッケージングは、美容企業の最重要な取り組みとしてさらに確固たるものとなっているが、LVMH傘下のフランスのラグジュアリーフレグランスブランドであるゲラン(Guerlain)は、イノベーションの最前線にいる。

こうした取り組みを指揮しているのが、同ブランドのチーフサステナビリティオフィサーであるセシル・ロシャール氏だ。ロシャール氏は2019年1月にゲランに入社し、2020年3月に同ブランドで初となる現職にスピード昇進した。ロシャール氏が典型的な従来のビューティエグゼクティブではなく、世界自然保護基金(WWF)出身であることが、この伝統あるブランドを機敏に対応する実験的な企業にしている。

「私は動物が好きなので、WWFに勤めていた。そしてゲランのパーパスのなかに組み込まれているのが、環境の見張り役であり、最初の受粉媒介者であるミツバチの保護であることは、私にとって非常にラッキーだ」と、ロシャール氏はGlossyビューティポッドキャストの最新エピソードで語っている。

ロシャール氏のリーダーシップのもと、ミツバチの保護、生物多様性の再生、気候変動、エコパッケージング、女性のエンパワメントなどが、同ブランドでもっとも重要な分野となっている。ゲランはユネスコとともに、2021年7月に5年間の女性養蜂家起業家プログラムとなるウィメン・フォー・ビーズ(Women for Bees)をローンチした。この起業家プログラムは、同ブランドがその使命に忠実であることを示す多くの方法のひとつに過ぎない。

以下、対談の内容をわかりやすく若干編集して紹介する。

Subscribe: Apple PodcastsStitcherGoogle PlaySpotify

インディーズブランドのように考える

「コラボレーションは新たな競争だ。(ブランドは)NGOやセクターのイニシアティブの助けなしには、より遠くへ、より速く行くことはできない。気候変動や生物多様性の侵食に関しては、すでに競争が行われているので、サステナビリティに関して野心を欠くわけにいかない。私たちは協力しあわなくてはならないのだ」。

サステナブルなパッケージングに対するラグジュアリーなアプローチ

「私たちの使命として新たな目標がある。それは、2026年までにバージンプラスチックの使用量をゼロにすること。それが、この新しい美容液、アベイユロイヤルダブルRセロム(Abeille Royale Double R Renew & Repair)をプラスチックからガラスに変更した理由だ。ガラスはリサイクルしやすく、循環型ガラス、つまりすでに使用されているガラスを容易に取り入れることができる。新しい素材を作るときには、循環型であること、素材を再利用することが大切だ」。

ゲラン独自のエデンの園

「生物多様性の再生という次の大きなテーマを待ち遠しく思っている。パリ近郊にあるガロ家の歴史的な村の森のなかに、何エーカーもの生物多様性の場を獲得したことを発表したばかりだ。そこにゲランのための実験的な庭園を開発する計画がある。もちろん、この庭には受粉を研究するためにミツバチの巣箱を設置するつもりでいる。そして何よりもまず、私たちの高名な調香師であるティエリー・ワッサー氏に、もっともオーガニックな再生技術を使って遊んでもらい、テストして大いに学んでもらう。それから私たちの象徴であるすべての天然成分を、世界中のサプライチェーンに導入していく。サステナブルな栽培に関して、新しい最先端のプロセスを作り出すために、私たちは科学者や民族植物学者と提携していくつもりだ」。

[原文:Guerlain chief sustainability officer Cécile Lochard: ‘Collaboration is the new competition’]

TATIANA PILE(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました