英国王戴冠式を見ての辛口メモ:紀子妃の和服はヒット

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チャールズ三世とカミラ王妃の戴冠式が5月6日19時ごろ(日本時間)から、ロンドンのウェストミンスター寺院で行われたのを、BBC放送でじっくり見たので、とりあえずの辛口印象メモを書いておく。

The Royal Family HPより

雨が降ったのは残念。パレードでワイパーもないので国王夫妻の顔を群衆は見られなかったのではないか。

The Royal Family HPより

簡素化がいわれていたが、少なくともテレビ画面で見る限りは絢爛豪華。画面に映らないところでは節約するということが成功していた。これから、日本での各種イベントでも、映像で見た場合、あるいはインスタ映えするところでは手を抜かず、その場で見る人にとっては少し手抜きということは色々応用できると思った。

キリスト教以外の宗教の指導者に役割を与えたのはいちおう成功していたように見えた。ただ、呼ばれた方も英国王の戴冠式だから喜んで出て行ったが、英国国教会の儀式にのこのこ出て行ってちょっと出してもらえて喜んでいいのかどうかは疑問。

たとえば、キリスト教関係者は神主さんが主役の皇室儀式に出たら喜んで出てくるのかどうなんだろうと思った。あるいは、次の時はもっと条件闘争するかもしれない。

儀式ではやたらと「プロテスタント」への忠誠が王に問われていたが、儀式の華やかさや権威主義などをみたら、英国教会はやはりカトリックそのもので、ローマ教皇を排斥した岳ということがよく分かった。何がプロテスタントかという印象だ。

BBCの中継は見事だったが、外国人への配慮が映像でも解説でも希薄。私の本『英国王室と日本人:華麗なるロイヤルファミリーの物語』(小学館 八幡和郎・篠塚隆)でも読んで予習された方にはわかるだろうが、外国人には、また、おそらく英国庶民にとってはちんぷんかんぷんだったのでは。外国向けと音声は分けた方がよかった。

それから、外国からの賓客をほとんど映したりしなかったのは、ちょっと失礼。イギリスの元首相らが入場するところまでは中継したが、日本をはじめ各国王族が入場するタイミングでは、国王夫妻が宮殿を出発したので、そっちの中継になって外国賓客の入場は中継されず。せめて、小窓くらいで紹介すべきだ。

日本からは、秋篠宮皇嗣殿下妃殿下が参列。今回は第一礼服でないので、秋篠宮殿下は燕尾服でなくモーニング。勲章をほかの王族はつけていたのに、殿下はつけておられなかったが、どうしたのだろうか?

紀子様は、「薄紅色に松竹梅の縁起のよい文様の訪問着、七宝柄の吉祥を表す品格溢れる帯、お履物も4枚芯のゴールドで晴れの日にふさわしい草履」と高清水有子さんは解説。

秋篠宮ご夫妻 NHKより

皇室の公式行事では、洋装になっているので、国内の公式行事では和服はあまりないのだが、海外では国内の行事の規定には縛られないはずだから、もっと着物を着られてもいいかと思う。ただ、第一礼装のときにも訪問着でいいかは知らない。

いずれにせよ、皇后陛下が和服をあまりお好みでないので紀子様に頑張ってもらって美智子様を引き継いで和服文化を世界に広めてもらうことも大事だ。皇后陛下は、和服は苦手なら無理をされることはない。西洋の華やかなファッションを極めてもらえばいい役割分担になると割り切るべき。

いずれにせよ、エリザベス女王葬儀のときに皇后陛下が正式レセプションを欠席されたのは、残念だったが、今回は妃殿下も出席できたし、和服も良い感じに絵になっていたので、皇嗣殿下ご夫妻の派遣は正解だったようだ。

いずれにせよ、皇后陛下の体調からして、平成の時代に比べて皇室外交はかなり削減せざるをえないのは現実なのだから、その状況を国民にも海外にもきちんと説明して、皇嗣殿下ご夫妻との役割分担、陛下単独での皇室外交のときにどういうスタイルを取るかなど工夫をすることが、皇室外交のためにも、皇后陛下に無理をお願いして、ご負担をかけないためにも必要だと私はかねがねいってきた。

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