ChatGPT だけじゃない、すぐに仕事の生産性を向上できる10のAIツール

DIGIDAY

2022年末にリリースされて以来、ChatGPTは瞬く間に多くの人の話題となった。多くの異なる業界において、仕事のやり方に革命を起こすことは明らかだ。

HR技術に関するポッドキャストであるチャド・アンド・チーズ(Chad&Cheese)の共同ホストの1人、チャド・サワシュ氏は「誰もがChatGPTに注目しているのは、ChatGPTが目で見て触れて遊べるものだからだ」と述べた。「HR分野のプラットフォームのほとんどはペイウォールの後ろにあり、それらを見ることができる唯一の方法は、デモを取得することだ。一般的に、それら(有料のプラットフォーム)をいじったり、アルゴリズムをいじったりする機会はない。ChatGPTが使えるのはOpenAIだからだ」。

しかし、仕事のために、無料(または安価)でパーソナルアシスタントとして試すことができるツールはChatGPTだけではない。

メディアおよび教育企業であるAIエクスチェンジ(AI Exchange)の創設者レイチェル・ウッズ氏は、「人々の仕事におけるゲームチェンジャーになり得る新しいツールが、毎日のように登場している」と述べている。「生産性を10倍向上させるツールが現れるかもしれない」。

本記事では、生産性を向上させるために人々が使える、ChatGPT以外の10のツールをまとめた。たとえば、職場でのスマートな意思決定を支援するツールや、会議をプレゼンテーション・スライドにまとめるツールなどである。

昨年12月、カンヴァはライターがアイデアを拡張し始めるのを支援するための生成AIツールを、カンヴァドックス(Canva Docs)の一部としてリリースした。

カンヴァの共同設立者兼最高製品責任者であるキャメロン・アダムズ氏は、「クリエイティブなプロセスにおける共同作業パートナーのようなものと考えてほしい」と述べている。「最初のアイデアの種はユーザーが生み出す必要があり、その後、AIが初稿を作り上げ、そこからユーザーがビジョンに沿って最適なように編集する」。

戦略文書の作成、会議の議題、ブログの投稿、ソーシャルコピー、カバーレターといった分野のあらゆる文書作成にも役立つようだ。作成しようとしている内容を入力するだけで下書きが完成し、そこから編集、追記ができる。アダムズ氏によると、ゼロから空白のページに文字を書き始めることの恐怖を取り除くのに役立ち、パーソナライズの準備ができた状態のドラフトを提供するという。

「まだ初期段階ではあるが、このテクノロジーをしっかりとした考えに基づいて活用することで、マーケティング担当者や知識労働者の生産性が大幅に向上している」と同氏は述べている。

この拡張機能はウッズ氏が強く推奨しているものだ。リストの消去、エンティティの抽出、フォーマットの変換を行う。それとは別に、Googleシート(Google Sheets)の編集、要約、翻訳、分類もできる。つまり、データのリストを簡単に整理して標準化することができる。

さらに、顧客を引き込むためのブランド広告コピー、タグライン、件名を作成するのに役立つ。この拡張機能を使えば、GoogleシートとChatGPTのタブ間で切り替えを繰り返す必要がなくなり、1カ所にまとめて表示できる。ウッズ氏は「(ツール制作)チームが作っているものがとても気に入っている」と語る。

オーディオ分野で勤務する人は、イレブンラボが役に立つかもしれない。「これにより、自分の声のAIクローンを簡単に作成できるようになる」とウッズ氏は述べる。

イレブンラボは、あらゆる声とスタイルで最高品質の音声を生成し、人間のイントネーションと抑揚をレンダリングし、文脈に基づいて読み方を調整する。コンテンツ制作者やビデオゲーム開発者など、ストーリーテリング用や、ニュース記事やニュースレターの音読、オーディオブックなどに利用できる。文章を1つずつ生成するのではなく、発話が前後のテキストとどのように結びつくかを反映させて音声を生成する。

ミッドジャーニーはAIアートを作りたい人に最適なメディアだ。ダリ ツー(Dall-E 2)と同様にテキスト入力でグラフィックやアートを作ることができる。画像に必要な情報を正確に伝えるだけで、数秒で画像が作成される。ほかのAIツールと同様に、最初のラフをスキップするのに役立つ。あるいは、アートチームと一緒に仕事をし、自分自身がスケッチが得意でない場合は、同プロダクトを使って自分が考えていたアイデアをデザインチームに見せることもできる。

「データに関するどんな質問でも、平易な英語で質問すれば答えてくれる」。

それがこのウェブサイトの目的である。最も一般的な4つのデータウェアハウス(ポストグレス キューエル[PostgreSQL]、マイ・エスキューエル[MySQL]、ビッグクエリ[BigQuery]、スノーフレイク[Snowflake])のデータを繋げ、質問をするとすぐに回答が得られる。まるで、自分専用のデータアナリストがいるようなものだ。データの視覚化を生成し、ユーザーの好みに基づいて適切なグラフの種類を選択してくれる。アナリストからプロダクトマネージャーまで誰でも使えるように設計されている。

このウェブサイトを使えば、AIを使ってあらゆる動画を翻訳することができる。70以上の言語が利用できるため、動画制作者はさまざまな国から何百万人ものユーザーにリーチすることが可能だ。

生成される音声は人間の声に聞こえる質となっており、ペーパーカップ(Papercup)のスタッフによる翻訳チームがすべての単語をチェックし、必要であれば変更を加える。そうして、吹き替え版のビデオが生成され、受け取り、さまざまなマーケットで使用することが可能となる。コンテンツクリエイター、メディア企業、eラーニングなどに最適だ。

トームは、モバイル対応のブランド・コンテンツ制作や、ドラッグ&ドロップでのコンテンツ制作、レスポンシブなフォーマットでの制作、インタラクティブなコンテンツの制作にAIを使った機能を組み込んでくれるほか、フィグマ(Figma)、ルッカー(Looker)、フレーマー(Framer)、ギフィ(GIPHY)などのアプリとの統合も行ってくれる。つまりプロンプトを入力し、伝えるストーリーの下書きを出力し、ナレーション付きビデオにするというプロセスにおいて全てが、一つ上のレベルに上がることになる。トームはクリックするだけでこれらをブランディングに導入することができる。

「私たちは、知的かつダイナミック、そしてインタラクティブな新しいストーリーテリング形式を人々に提供すると同時に、従来のスライドツールよりも使いやすく、強力なものとしてトームを作成した」と同社の共同創業者兼CEOのキース・ペリス氏は述べている。

トームにはストーリーテリングの生成もできる。誰でも簡単なプロンプト入力で、知的なコピーと画像を備えたプレゼンテーション、アウトライン、ストーリーを作成できる。また、AIと共同作業してコピーを書き直したり、テキストをより簡潔または精巧に調整したり、探している声のトーンを指定したりすることもできる。

このAIツールは、経営者、管理者、個人が困難な意思決定を行うのを支援することを目的としている。保留中の決定や決められない判断を入力するだけで、AIツールがそれぞれのオプションの長所と短所をリストアップしたり、SWOT分析を生成したり、因果分析を示したりして、選択肢を比較検討できる。ペルソナを作成してコンテキストやバックストーリーを提供し、よりパーソナライズされた分析を得ることもできる。

大小を問わず、ビジネス上の意思決定の出発点として最適だ。たとえば、筆者は次の1時間をひとつの仕事に深く集中することに費やし、経過報告的な会議を欠席するかどうかの判断について、長所短所を比較する両論の分析を求めた。長所としては、生産性の向上、時間の効率的な利用、ストレスの軽減が挙げられ、短所としては、ネットワークの機会の減少、報告の失敗、人間関係を損なう可能性などが挙げられている。各ポイントには、その理由についての説明も含まれている。

Otter.aiの最新ツールは、会議の自動要約や自動スライドキャプチャなど、AIを活用した新しい機能を導入し、会議プロセスをさらに合理化している。

「私たちはオッターパイロットを立ち上げ、ミーティングの文化をよい方向に変えていく。AIを使ってミーティングのプロセスを合理化し、自動化された質の高いミーティング要約を使って人々が不要なミーティングに出席することを省けるようにする」とOtter.aiのCEOで共同創業者のサム・リアング氏は電子メールでの取材に応えた。「オッターパイロットを使用すると、専門家は出席する会議の数を減らし、出席した会議も自動化されたワークフローの一環に変えることができる」。

スマートAI会議アシスタントであるオッターパイロットは、自動的に会議に参加し、ノートを取る。これらは参加者全員や参加できなかった人に共有されるとともに、プレゼンテーションスライド、会議の要約、主要なデータポイントとアクションアイテムの形式でノートが提供される。

戦略実行プラットフォームのクアンティブ(Quantive)のCOOであるセス・エリオット氏は、ジャスパーAI(Jasper.ai)はマーケティングやコンテンツ分野の人々がブレインストーミング、アイデア、ファーストドラフトの概要作成などで重要なポイントを見逃さないようにするための素晴らしいツールであると述べている。

「私は、従業員があらゆるAIツールを試して、自分の仕事の生産性とアウトプットに影響を与えるかどうか、またどのように影響するかを調べることを強く支持する」とエリオット氏は述べた。これは、ソーシャルメディア、広告、電子メール、記事など、特定のブランドに合わせたコンテンツを作成できるAIコピーライターである。

[原文:ChatGPT just the start: Here are 10 AI workplace tools that can boost productivity

Cloey Callahan(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)

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