クリーンビューティブランド、 ビューティカウンター がアルタビューティと独占小売提携:Z世代へのリーチを拡大も

DIGIDAY

ビューティカウンター(Beautycounter)は、アルタビューティ(Ulta Beauty)との提携でついに卸売小売流通に進出する。

ビューティカウンターのアルタビューティ進出の詳細

ビューティカウンターは、2月26日にUlta.comで、そして3月5日にアルタの500店舗でローンチする。これは独占小売パートナーシップの開始を意味する。社歴10年のクリーンビューティブランドであるビューティカウンターは、アルタビューティのコンシャスビューティ(Conscious Beauty)プログラムに取り込まれる。このプログラムは、2020年の導入以来、マーケティングキャンペーンとブランドマーチャンダイジングを通してアルタのマーチャンダイジング戦略の基礎となっている。ビューティカウンターは、アルタビューティのほかに、自社のD2C eコマースサイトと直販ネットワーク、ニューヨークシティとコロラド州デンバーにある独立店舗2店で引き続き販売される。プライベートエクイティ企業のカーライルグループ(The Carlyle Group)が2021年にビューティカウンターの過半数の株式を取得、その価値は10億ドル(約1365億円)と評価された。創業者で元CEOのグレッグ・レンフルー氏は2023年1月に同社を退いた。レンフルー氏のリンクトイン(LinkedIn)によると現在は「極秘の一大プロジェクト」に関与中だという。業界のベテランであるマーク・レイ氏が2022年1月、ビューティカウンターのCEOに就任している。

レイ氏はアルタビューティとのパートナーシップについて次のように述べている。「拡大して当ブランドをアメリカ人すべてに提供できる時が来た。アルタビューティからは当ブランドは熟知されている。我々はアルタを完全に信頼しており、アルタは当社と同じ価値観を持っている。当社の流通を過度に拡張して目標を見失ったり、どんな妥協もしたくはなかったので、アルタビューティとの独占提携を決めた」。

レイ氏はアルタビューティがビューティカウンターの直販業者を共食いするとは考えていないと語っている。直接販売が同社の主な収益源であることは変わらないだろうが、レイ氏からその割合は共有されなかった。また、アルタでのローンチはブランド戦略の転換を意味するものではないという。それは、これまで大手小売業者を通じた販売は行っていなかったにも関わらず、ビューティカウンターは常にオムニチャネルだったからだとレイ氏は述べている。ビューティカウンターのセラー向け収入開示書によると、2021年12月末の時点で同社には米国とカナダで4.5万以上の直販業者がいる。Glossyは、ビューティカウンターには6万人を超えるコンサルタントがいると2020年12月に報告している

「米国の人口の50%に達するとカニバリゼーションを懸念するだろうが、それにはほど遠い」とレイ氏。「現在、当社にはとても忠実な消費者が大勢いるが、新規消費者に対する認知度と製品の試用という点ではギアチェンジをして(もっと多くの人々に)リーチする必要がある」。

ビューティカウンターの最高コマーシャル責任者、カラ・トラウズデール氏は次のように語っている。「アルタビューティとのパートナーシップの結果として、上げ潮がすべての船を持ち上げるだろうと確信している。全チャネルには上向きの可能性しかない」。

このアルタへの拡大はビューティカウンターの創業10周年を記念して行われた。その一環として同社は製品ローンチを増やし、使用禁止成分リストを1800から2800に拡大。また、2023年にeコマースの売上高を3桁成長させる計画で自社eコマースサイトをリプラットフォームしている。もちろん、政府機関における同社のアドボカシー活動も引き続き行う。2022年12月に「2022年の化粧品規制近代化法」が可決されたことは記憶に新しい。これは、米国食品医薬品局を通じて連邦政府に美容業界に対する権限を与える包括的歳出法案の一部である。創業以来ビューティカウンターはこのテーマに関するマーケティングキャンペーンを作成するなど、美容業界に対する規制の強化に積極的に取り組んでいる。

アルタとのパートナーシップに関するマーケティングは、レイズアップビューティ(Raise Up Beauty)と呼ばれるキャンペーンにより推進される予定だ。これは、支出面で同社最大のキャンペーンになるという。レイ氏からは具体的な数字は共有されなかったが、アルタビューティとビューティカウンターが共同で投資し、ビューティカウンターは「数百万ドル」を費やすということだ。レイズアップビューティは動画やソーシャルコンテンツ、インフルエンサーコンテンツ、店内販売戦略などを含むデジタル主導の360度キャンペーンである。また、3月2日にはメディアとビューティカウンターのコミュニティ向けに、10周年記念式典がロサンゼルスで行われることになっている。

アルタ進出でZ世代へのリーチを拡大

アルタビューティはZ世代に人気の小売業者であるため、ビューティカウンターが若い顧客にリーチするのに特に役立つ。ビューティカウンターのコア顧客ベースは30代前半だ。パイパー・サンドラー(Piper Sandler)が年に2回実施している「Taking Stock With Teens(10代対象の調査)」の2022年秋期調査によると、アルタビューティは引き続きZ世代に人気の美容小売業者の第1位であり、また、10代の女性のあいだで最強のビューティロイヤルティメンバーシップを誇っている。

アルタビューティの最高マーチャンダイジング責任者、モニカ・アルナウド氏は次のように述べている。「(環境や成分に配慮した)意識的な美容は引き続きアルタビューティの優先事項であり、この分野への情熱を共有するビューティカウンターのようなブランドの製品の取り扱いを発展できるのがとても楽しみだ。ビューティカウンターは長年クリーンビューティを提唱しており、業界を前進させる流れの促進に貢献している。美容業界にさらに多くの透明性と選択肢を提供しながら、このパートナーシップを通じてその取り組みをさらに発展させていけるのが楽しみだ」。

[原文:Beautycounter partners with Ulta Beauty on exclusive retail expansion

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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