ワコールが買収した D2Cブランド、ライブリー の野心的な計画とは?:新CEO クリスティン・ディカンゾロ氏

DIGIDAY

ライブリーは、創業から数年後、2019年にワコールに1億500万ドルで買収され、2022年8月、創業者コーデイロ・グラント氏は辞任を発表。ワコール・アメリカの元マーケティング・直販部門のバイスプレジデントだったクリスティン・ディカンゾロ氏がライブリーのプレジデント兼CEOに任命された。

企業が成長するためにはしばしば大きな変化が必要である。ミシェル・コーデイロ・グラント氏が2015年に創業したデジタルネイティブのランジェリーブランド、ライブリー(Lively)にもそれが当てはまる。コーデイロ・グラント氏によると、ライブリーは創業以来、インクルージョンやコミュニティ、関係を優先することによって混雑している下着スペースをナビゲートして、多くの成功を収めてきた。

創業から数年後、ライブリーは2019年に日本のランジェリー会社、ワコール(Wacoal)に1億500万ドル(約137億円)で買収された。 2022年8月、コーデイロ・グラント氏は辞任を発表。ワコール・アメリカ(Wacoal America)の元マーケティング・直販部門のバイスプレジデントだったクリスティン・ディカンゾロ氏がライブリーのプレジデント兼CEOに任命された。

新しい役職においてディカンゾロ氏はライブリーの着実な成長を推進する野心的な計画を持っている。それには新規カテゴリーへの拡大、小売チャネルの多様化、国際市場でのローンチなどが含まれる。ライブリーには今年後半にカナダでeコマースをローンチする予定がある。

「我々のコミュニティは(ライブリーと)共に成長している。コミュニティは我々と共に年を重ねている。しかし、25歳のときの好みは10年近く経ったら異なっているかもしれない。したがって、我々は(当社製品が)確実に(顧客を)刺激し続けること、また、新規オーディエンスを確実に刺激したいと思っている」とディカンゾロ氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで語った。

以下に、読みやすさのために若干編集してポッドキャストからのハイライトを紹介する。

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混雑した市場での自社ブランドの差別化

「当社の最大の差別化要因のひとつはコミュニティだ。当社は大企業ではない。当社はスタートアップで、非常に優れたビジネスに成長したが、それは間違いなく当社のコミュニティのサポートのおかげであり、コミュニティが当社を導いてくれている。顧客とフィードバックに耳を傾けている。もうひとつには、ミシェル(・コーデイロ・グラント氏)が「レイジュリー」と呼ばれるスペースを作り出してくれたことがある。それはレジャーであり、ランジェリーでもある。悪い言葉だとは思わないし、こそこそした感じもしない。(ブラについて)気軽に話せるべきだと思う。下着はその日1日に自信をもたらしてくれる。(完璧な下着を見つけることは)自信を高めることでもあり、着けている人にはある感情をもたらしてくれる。結局のところ、感覚や感情、つながりが重要なのだ」。

ブランド創業者の代役を務めること

「ミシェルと私は本当にうまく協働できた。頻繁に話し合ったし、ミシェルのチームについてもいろいろと話し合った。それが移行のもっとも重要な部分だった。(ライブリーでは)一人ひとりとのマンツーマンを心がけていたので、社員に私とのつながりを感じてもらえ、また私も相手とのつながりを感じることができた。社員の職場での役割だけではなく、彼らを人として知るように努めた。(スムーズな移行のために)行うべきことは自明だった。基本に立ち返ること、我々のコミュニティに戻ること、(社内の)双方向の信頼を確保するということだった。私が仕事を遂行できるという信頼を皆から得られるようにしなければならなかった。(社員と)チェックインし、素晴らしい仕事をしているときにはそれを伝え、リアルタイムのフィードバックを提供することは移行期間の重要な部分だった。ビジネスの透明性、つまり、我々の立ち位置、うまく機能している箇所や修正したり遊んだりする余地なども大きな部分だった。ミシェルと私は短期間これらのことを共に行ったが、会社が同時に2人のリーダーを持つのは非常に難しいことに気がついた。ミシェルは私のために(移行を)かなりスムーズにしてくれたし、私もミシェルにとってシームレスにできた。こうして、ミシェルはライブリーの一員として心から楽しめることに戻れた」。

消費者の共感を呼ぶ進化するデジタル戦略

「デジタルは常に進化しているため、我々も常に進化していることを確認する必要がある。どの調査でも、製品ページに写真を1点載せると(顧客にそれが)1日中見られることがわかっている。写真を1000点載せれば1000点が見られるだろうが、(そのときに問うべきなのは)『(コンテンツが)理解されて、その観点からコンバージョンがあることを確認するにはどうすればよいのか』ということだ。『(顧客の)心に響くコンテンツや動画、機能や特典は何だろうか』と問う必要もある。顧客は『なぜこれが私向けなのか。なぜこれが必要なのか』と理由を知りたがっているので、彼らにとって理解できるものにしなければならない。(顧客は)『気持ちが良いものか。気分がアップするか』と考える。顧客が知りたいのはそれだけだ。顧客が目にしたときに差別化要因が理解できるように、(そのような問いかけの答えを顧客に)すぐに提示できているかを確認する必要がある」。

[原文:New Lively CEO Kristin DiCunzolo on the next era of the DTC brand

TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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