スレッドアップ、廉価なアパレル再販「777スリフト」をひっそり開始:在庫循環のための取り組みか

DIGIDAY

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スレッドアップ(ThredUp)による新しい店舗が、オンラインリセールサイトにひっそりと登場し、何千もの中古衣料品やアクセサリーを1点7ドル(約938円)以下の価格で販売している。777スリフト(777thrift)は、ザラ(Zara)、ロフト(Loft)、オールドネイビー(Old Navy)などのブランドを宣伝しており、買い物客は、価格帯やアパレルのカテゴリーで商品を並べ替えできる。このサイトは、スレッドアップのリセール・アズ・ア・サービス(サービスとしての再販売)によって運営されている。

FAQ(よくある質問)には、「すべての商品が推定小売価格の最大90%オフで、毎日1000の新着商品が追加される」と記載されている。

「厳しい消費者環境」

同社のスポークスパーソンは、この店舗に関するコメントに応じておらず、米モダンリテールのインタビューも断っている。そして、この販売開始は依然として表立って取り上げられていない。同社はこのサイトについて、どの公式チャンネルにも投稿していない。しかし、2月2日に掲示されたスポンサー付きFacebook広告は2週間以内に少なくとも80回シェアされ、スレッドアップの公式アカウントはサイトについての質問に何回かコメントで回答している。少なくとも中古品に関心を持つひとりのTikTokerが、このサイトについて投稿した。

プロモーションが行われていないことから考えて、777スリフトはソフトローンチ、あるいはトライアル期間中なのかもしれない。しかし、このサイトは再販売の買い物客に対して低価格商品への要求に応じているようだ。また、スレッドアップは最大規模のオンライン中古衣料ストアであり、買い物客が古着を送ってもらい、その対価を得るという方法で運営されているため、これは、同社の在庫を循環させるための活動である可能性もある。

11月下旬に行われた同社の第3四半期の決算発表で、共同創設者でCEOを務めるジェームズ・レインハート氏は、「厳しい消費者環境」に直面していることを認めている。価格を考慮するだけでなく、大量の在庫を抱えている企業は価格を下げる可能性があるためだ。

再販モデルの商機

このように激しいプロモーションが行われている状況から「消費者は、極端に低い価格でアパレルを買い求めるのに慣れてきている」と、同氏は述べる。

「小売業者が余剰在庫を売却し、価格が正常化すれば、再販にはシェアを獲得する大きなチャンスが生まれると、我々は信じている」と、同氏は述べる。「小売価格の60%から80%を期待するよう条件付けされ、インフレの影響をいまだ感じている顧客にとって、再販売はお買い得商品を入手する絶好の場所となる」。

同社の成長戦略について、同社はマーケットプレイスのモデルに傾倒するだろうとも同氏は述べている。「そして、価格、支払い、おすすめ、ミックスについて調整できる点が多いため、ダイナミックな環境で事業を運営していけるようになる」。

買い物客の63%が中古品を選ぶ

このようなコメントは、価値を重視する買い物客から売上を得るため、この店舗が新しい方法になる可能性を示している。スレッドアップは同社の2022年の再販売レポートで、より安価に商品を入手するため、買い物客の63%が新品よりも中古品を選ぶと述べている。

777スリフトはすでにプロモーションを試みており、抽選で選ばれた一部の買い物客に、購入後に全額返金すると宣伝している。そして、ホームページにあるナビゲーションセンターでは、顧客に「大当たり価格を当てよう」と呼びかけ、4ドル(約536円)または5ドル(約670円)以下の品物を探すよう促している。

しかし、777スリフトは、スレッドアップが倉庫を空にするのを助け、中古品を再利用可能にすることで、スレッドアップに二重の利益をもたらす可能性もある。同社は2021年までの10年間で1億3700万点以上の品物を処理してきた。しかし同社は今年初め、ファストファッションの品物が大量に送られてきて、処理のコストの回収さえ困難なことが多いと、米モダンリテールに語った。

ファストファッションを中心に販売

777スリフトの在庫は、廉価なアパレルを中心にしているようだ。2月初頭の時点で同サイトの在庫には、アメリカンイーグル(American Eagle)やホリスター(Hollister)などのモールブランドと、シーイン(Shein)やフォーエバー21(Forever21)などのファストファッションからの、女性用と子供用の衣類やアクセサリーが含まれている。

本家のスレッドアップのサイトと同様、カテゴリー、色、状態で在庫を検索できる。2月初頭の時点で、少なくとも400点の品物が「タグ付き新品」として掲示されていた。777スリフトのFAQには、すべての商品が12項目の検査に合格したと記載されている。

サイトのFAQには、「すべての品物は厳格な品質基準に基づいて処理および検査され、『再販売可能』である、すなわち摩耗(毛玉、縮み、色あせ)、汚損(部品の欠落、裂け、染み、臭気)、改変がないことが保証されている」と言明されている

[原文: ThredUp appears to have quietly launched an affordable apparel resale online store]

Melissa Daniels(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Screenshot via 777thrift.com

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