多すぎて記憶が追いつかない。頻度も激しさも増す世界の気象災害

GIZMODO

1. アメリカを襲ったとんでもない熱波

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Image: Shutterstock

昨年7月、アメリカの各地で猛暑によって記録が次々と破られました。7月11日に市の過去最高気温になる39.4度を記録した南部テキサス州ヒューストンは、観測史上最も暑い7月になりました。

7月24日には、マサチューセッツ州ボストンで37.8度ロードアイランド州プロビデンスで36.6度と、北東部でも記録的な暑さになりました。

歴史的に気候が穏やかな太平洋岸北西部のオレゴン州ポートランドも例外ではなく、6日連続で最高気温が35度を超え、少なくとも7人が暑さのために亡くなりました

7月下旬には、全米で1億人以上(全人口の約3割)に暑さ関連の警報や注意報が発令される激しい熱波に見舞われました。

2. アルゼンチンの熱波

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Image: European Union, Copernicus Sentinel-3

昨年1月には、アルゼンチンで地表温度が54度まで上昇する熱波が発生し、その影響で停電が起こりました。ブエノスアイレスでは、過去100年以上で2番目の暑さとなる最高気温41.5度を記録。このとき、アルゼンチンは地球上で最も暑い場所だったそうです。ロイター通信によると、暑さで首都圏の70万人に影響する停電が起こり浄水システムが麻痺したため、水道局が節水を呼びかけることになったそうです。

3. 計画的野焼きが引き起こしたニューメキシコ州の山火事

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ニューメキシコ州Hermits Peak
Image: Shutterstock

昨年4月にニューメキシコ州のCalf Canyon/Hermits Peakで発生した山火事は、後に米国フォレストサービス(U.S. Forest Service)による計画的な野焼きが原因であることが判明しました。Hermits Peakで行なった野焼きに端を発した火災は、4月末にはCalf Canyonで発生していた山火事と合流。火勢が増した州北部では5月初旬に数万人が避難を余儀なくされました。5月中旬までに鎮火できたのはわずか27%だったとAxiosは報じています

ロサンゼルス市よりも広い34万1000エーカー(約1380平方キロ)を焼いたCalf Canyon/Hermits Peak火災は、同州で最大の山火事になりました。

4. イエローストーン国立公園の1000年に一度の洪水

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Screenshot: Guardian News / YouTube

昨年6月には、集中豪雨による洪水と土砂崩れで道路が激しく損壊、橋が流されるなどしたイエローストーン国立公園が閉鎖されました。がれきによって道を完全に塞がれた場所もありました。国立公園内を流れるイエローストーン川の濁流に家が流される光景は衝撃的でした。

危険な状況が続いたため、訪問者を避難させた後、国立公園は閉鎖されました。Guardian によると、イエローストーン国立公園がすべての入園口を閉鎖したのは、1988年以来初めてだそうです。

5. ブラジルの集中豪雨による土砂崩れ

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ペトロポリスの地滑りで捜索にあたる救助隊
Image: Salty View / Shutterstock.com

ブラジルのリオデジャネイロ北部に位置する人口30万人のペトロポリスでは、昨年2月にわずか3時間で258mmの雨が降り、洪水や土砂崩れが発生500名以上の救急隊員が対応に追われたといいます。

多くの家屋が全壊し、車や木が流される様子が伝えられました。BBCによると、この悲劇による死者は233人にのぼったそうです。山の斜面に家が建てられていたため、洪水と土砂崩れの被害を受けやすかったようです。

6. インドの早すぎる熱波

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Image: European Union, Copernicus Sentinel-3A imagery

昨年、平年よりかなり早い3月に熱波が発生したインドでは、3月の平均最高気温が平年を1.86度上回る過去最高の33.1度を記録しました。EUのCopernicus Sentinel-3A衛星のデータによると、4月12日にはインド北西部で最高気温が50度に達しました。50度…。

7. ミズーリ州セントルイスの鉄砲水被害

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Image: Unsplash / CC0 Public Domain

昨年夏、7月末から8月にかけてアメリカで「1000年に一度の洪水」が5件発生しました。7月26日にミズーリ州セントルイス都市圏でサンダーストームが1時間で降らせた51mmの豪雨によって起こった鉄砲水も、その「1000年に一度」の1つでした。

洪水の中から救助隊によって数十人が救出されました。セントルイス警察によると、水位が213cmに達した地域で家に閉じ込められた住民もいたそうです。

The New York Timesは、水位が260cm以上に達した地域で、浸水した自動車から救出された運転手が後に死亡したと伝えています。

8. ヨーロッパを襲った熱波と山火事

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2022年7月13日、バルセロナ、サンヴィチェンチ・デ・カステレの野火
Image: Lorena Sopena / Shutterstock.com

ヨーロッパの気候が穏やかな地域に暮らす人々にとって、昨夏の記録的な暑さと山火事は想定外だったに違いありません。というか、熱波と山火事への物理的・精神的な備えがバッチリできている人はどれくらいいるのでしょうか? 英国保健安全保障庁(UKHSA)と国家統計局(ONS)の10月の分析によると、イギリスでは昨年6月から8月にかけて、65歳以上の高齢者の超過死亡数が2,800人にのぼったそうです。暑さによる超過死亡数としては過去20年間で最も多かったとGuardianが報じています。

スペインでは、7月10日から7月19日にかけての記録的な熱波によって1,047人が命を落としました

さらに、熱波と干ばつによってヨーロッパ各地で山火事が発生しました。7月初旬の1週間だけでも、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアで山火事が相次ぎました。イタリアのトスカーナ州では、山火事で燃料タンクが爆発住民数百人が避難する事態に。欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、昨年1月から11月までに、ヨーロッパ全体で7,689平方キロ(東京都3.5個分)が山火事で焼失したとのことです。

9. パキスタンの大洪水

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2022年7月26日にハイデラバードで発生した洪水
Image: Asianet-Pakistan / Shutterstock.com

昨年のモンスーンシーズン最大の被害は、パキスタンを襲った大洪水でした。熱帯地域は毎年やってくる雨期に馴れていると思うかもしれませんが、それでも集中豪雨が数カ月におよぶと、インフラや緊急支援サービスへの負担はかなり大きくなります。

9月に公表された衛星画像には、洪水後のパキスタンにできた大きな湖が映し出されていました。主要な道路や橋が寸断されたため、救助活動は困難を極めました。国連難民高等弁務官事務所によると、地元の復興を望む人々が、浸水した自宅周辺の道路脇で野営する地域もあったといいます。

モンスーンシーズンが終わる10月の時点で、パキスタンでは1,500人以上が死亡し、数百万人が避難生活を強いられました。また、損壊した家屋は約200万戸にのぼるとYale Climate Connectionsは報告しています。

10. カリブからカナダまで及んだハリケーン「フィオナ」の被害

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2022年9月19日、フィオナ襲来後のドミニカ共和国プンタカナ
Image: Aleksandr Rybalko / Shutterstock.com

昨年9月中旬に発生した熱帯暴風雨「フィオナ」は、その後18日までにハリケーンまで発達し、プエルトリコやドミニカ、グアドループで洪水を引き起こしましたプエルトリコでは鉄砲水と強風によって全土で停電し、半分を超える地域で水道が止まりました。

その後、温帯低気圧に勢力を弱めたフィオナは、再びカテゴリー2まで発達。毎秒46mの暴風を伴って、9月末にカナダのノバスコシア州とニューブランズウィック州に上陸しました。カナダのハリケーンセンターによると、沿岸部では停電や家屋の倒壊、洪水などの被害に見舞われたそうです。

11. ハリケーン「イアン」、フロリダを横断後ノースカロライナを襲う

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ハリケーン「イアン」で甚大な被害を被ったフォートマイヤーズビーチ
Image: Shutterstock

昨年最強だったハリケーン「イアン」は、9月下旬にカリブ海で熱帯暴風雨として発生して急激に発達、フロリダ州のメキシコ湾沿岸に上陸した28日には、最大風速67mのカテゴリー4まで勢力を強めました。アメリカ本土に上陸したハリケーンでは、観測史上5位タイの強さだったそうです。

29日にはフロリダ州で250万世帯以上が停電。ジョー・バイデン大統領は「大規模災害」を宣言し、9つの郡にまたがるコミュニティーに連邦政府の支援を開始しました。

フロリダ州を横断して大西洋に抜けたイアンはその後、カテゴリー1の勢力を保ちながらノースカロライナ州沿岸を北上。その影響で20万世帯が停電し、洪水と強風によって海岸沿いの桟橋が被害を受けました。

12. 長引く水不足で完全に干上がるペルーの干潟

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ペルーSan Pedro De Castaの干潟
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ペルーでは異常な水不足によってCconchaccotaの干潟が完全に干上がる事態に陥りました。3年間続いているラニーニャ現象が要因と考えられています。

Al Jazeeraによると、今回ペルー南部を襲った干ばつは、過去約半世紀で最悪だったそうです。雨期が始まるはずの9月以降も雨はほとんど降っておらず、住民は家の外にボウル容器を置いて雨水を集めようとしています。南アンデスの住民のほとんどは農業で生計を立てる先住民で、激しい干ばつによって家畜や農作物に大きな損失が出るなど、絶望的な状況が続いています。

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