TikTok で ブランド が「成功する秘訣」とは?:ギャラリー・メディア CEO ライアン・ハーウッド氏

DIGIDAY

わずか数年で、ブランド・消費者間のオンライン交流の形を一変させたTikTok。2020年はとりわけ、ブランド勢に、そして彼らが提携するメディア企業らに、TikTokコンテンツ作りに対するさらなる自信を植えつけた。

ブランドの観点から言えば、TikTokにおける成功の秘訣を解読する最大の鍵は、当たるか否かの素早い判断に欠かせない一定の基準および投稿頻度の確立、そして方針を変えるべき引き際の見極めにほかならない。

少なくとも、ピュアワオ(PureWow)およびワン・サーティセブン・ピーエム(One37pm)のパブリッシャー、ギャラリー・メディア(Gallery Media)の場合はそうだ。ゲイリー・ヴェイナチャック氏のクリエイティブメディアエージェンシー、ヴェイナーX(VaynerX)傘下のこのデジタルネイティブ企業は、自社で所有・運営する25のTikTokエディトリアルチャンネルを持つとともに、10社を超えるブランドパートナーのチャネルの創作面を担っている。そのため、高い創造性が求められるソーシャルメディアプラットフォームTikTokにおいて、どの類のコンテンツがオーガニックで当たるのか、その肌感覚を日々確実に掴めるという、得がたい利点を有している。

これはつまり、2021年のあいだにギャラリーメディアが行なった、35以上のチャネルへの定期的投稿には、2020年における同社のTikTok戦略の「勝ち筋」がある程度反映されているということである。それを紐解けば、多大な再生回数とフォロワー数、さらにはギャラリー・メディアCEOであるライアン・ハーウッド氏が率いるチームの知見を、自社のソーシャルメディア戦略に活かしたいブランド勢から多額の資金まで獲得している、成功の方程式が見えてくる。

米DIGIDAYによるポッドキャストの最新エピソードでは、そのハーウッド氏を招き、進化を続けるプラットフォームTikTokにおいて勝利するため、迅速に戦略を変更することができるクリエイティブ集団の作り方、そして自社チャネルでの成功がTikTokに投稿されるブランドキャンペーンにどのように影響するのか、またその逆はどうなのかについて語ってもらった。

以下に注目すべき発言の一部を紹介する。なお、読みやすさを考慮し、発言は多少編集しまとめてある。

オーガニック投稿とペイド投稿の健全なバランスを見つける

「我々の投稿の大半はオーガニックだが、もちろんブランドパートナーのためのペイドプロモーションにも多少は手を出している。実際、我々自身のためにペイドを実施したこともある。いまやブランドはソーシャルという基盤の上に成り立っていると確信しているし、だからこそ、その精神を我々自身とパートナーのいずれに対しても強化している。たとえば、ピュアワオのコンテンツがオーガニックで当たり、「このコンテンツは素晴らしい」と消費者が態度で示してくれているからといって、自分たちのコンテンツをさらに後押しし、自らのブランドにもっと多くの注目を集める努力をしなくてもいい、というわけではない」。

「同じことを一部のブランドパートナーにもしている。オーガニックなコンテンツを後押しし、さらに伸びるように努める。ただし、我々はメディアバイイングエージェンシーではないから、いわばセルフサービスの広告購入は絶対にしない。基本的に、うまくいっているオーガニックコンテンツをさらに後押しするのであり、それがパートナーのフォロワー数増と、きわめて健全なTikTokページ作りにつながる」。

いかに戦略を迅速に変更するか

「初期のいわゆるインフルエンサーキャンペーンでは、(ダンスをしてもらうための)オリジナルの曲を作り、すべてのインフルエンサーに同じことをさせるべきだと信じ込んでいた。それが当たればバイラルが生じ、ユーザー生成コンテンツが生まれ、誰もが真似しはじめてくれるはずだと。実際、それで2回はうまく行った。ただ、2回続けて大成功したからと、次もまた同じことをしたら、今度はすぐに飽きられてしまった。要するに、消費者に見透かされたのだ」。

「つまり、『ブランドが仕掛けるダンスはもう踊らない。というか、そもそもインフルエンサーが金をもらってやっていることすべて、みんなに流行らせようとしていることは何でも、もう真似しない』と。そこで我々に求められたのは、素早い方向転換だった。最初はうまくいっても、2回目に力強い伸びが見られないキャンペーンがひとつふたつ続き、その時点で、これはやり方を変えるしかないと判断した」。

インフルエンサーとクリエイターにキャンペーンの舵を取らせる

「クリエイターに任せ、彼らが自分たちのオーディエンスにもっとも響くと確信するやり方でブランドをその動画の主役にさせること。もちろん、ある程度のいわばガードレールと方向性を与える必要はある。つまり、完全な創造的自由を与えるわけではないが、彼らにできるだけのびのびとクリエイティブに取り組んでもらう。それこそが、彼らがもっとも力を発揮するやり方だ」。

「そして、彼らのほうから我々にクリエイティブな方向性を与えさせること。我々から彼らに厳重なガードレールや台本を与えることはしない。こちらで台本を書いたり、いちいち細かく指示をしたりすると……実は以前そうしていて、最初はそれで成功したのだが次は失敗に終わり、そこですぐにやめた。理由は単純で、そのやり方(ブランドやエージェンシーが作りたいものを作らせる)はもはや、TikTokでは通用しなかったからだ」。

[原文:How 2021 taught Gallery Media to quickly adapt its TikTok playbook

KAYLEIGH BARBER(翻訳:SI Japan、編集:分島 翔平)

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