クリエイターとして成功するためには「1000人の真のファン」をつかむことが重要

GIGAZINE
2023年01月07日 15時00分
メモ



画家やイラストレーター、漫画家、小説家、写真家、ミュージシャンなど、クリエイターが何かの作品を世に発表するだけで生計を立てていくのはkなり難しいものがあります。エッセイストで編集者のケビン・ケリー氏が「1000人の真のファン」というエッセイで、クリエイターとして成功するためには真のファンを1000人つかむことが重要だと説いています。

The Technium: 1,000 True Fans
https://kk.org/thetechnium/1000-true-fans/

ケリー氏は「創作者として成功するために、何百万も必要ではありません。何億円ものお金も、何百万人もの顧客も、何百万人のクライアントも、何百万人のファンも必要ないのです。職人、写真家、音楽家、デザイナー、作家、アニメ作家、アプリ開発者、起業家、発明家といったクリエイターとして生計を立てるには、1000人程度の真のファンさえいればいいのです」と述べています。

この「真のファン」とは、クリエイターが創作したものを何でも買ってくれる人のことだとケリー氏は定義しています。こうしたファンは、クリエイターのためにはるばる遠くから足を運んでライブに参加したり、クリエイターが出した本や楽曲をすべて購入したり、YouTubeに無料公開している楽曲のアルバムを購入したりします。こういうファンが1000人いれば、クリエイターは生計を立てることができるようになるというのがケリー氏の理論です。

ただし、重要な点が2つあるとケリー氏は述べています。まず、真のファン一人から平均して100ドル(約1万3000円)の利益を得られるだけの作品を毎年作らなければならないということ。これはクリエイターにとってクリエイティブなチャレンジになります。

そして2点目は、ファンとの直接的な関係を築くこと。つまり、ファンがクリエイターに直接お金を支払う構図が必要です。音楽レーベルや出版社、スタジオなどの中間業者によって手数料を引かれることなく、ファンがクリエイターを100%サポートすることが望ましいとケリー氏は述べています。もし真のファンから1年に100ドルの利益を受け取ることができれば、1000人の真のファンから得られる年収は10万ドル(約1300万円)になります。


1000人の真のファンを作るという目標は、100万人の単なるファンを作るという目標よりも実現可能性が大きいといえます。100万人のファンにお金を払ってもらうことを目指すのは非現実的ですが、1000人であれば各ファンの名前を覚えることも可能。1日に1人ずつファンを増やしていけば、わずか2~3年で1000人に到達するだろう、とケリー氏。

ケリー氏は「1000という数字は絶対ではなく、100万より3ケタ少ないという大ざっぱなところに意味があるのです。実際の数字は人それぞれで、調整しなければなりません。例えば、真のファン1人当たり年間50ドル(約6500円)しか稼げないのであれば、2000人必要になります。また、クリエイターが2人組や3人組であれば、2000人や3000人という数字に修正する必要があります」と述べています。

また、ケリー氏は、真のファンから得られる利益は「彼らの1日分の給料を1年間で受け取る」という計算で算出するのがよいと主張しています。「1日の労働に見合う程度に、ファンを感動させたり喜ばせたりできるか」というハードルは高いかもしれませんが、世界中から真のファンを1000人集めるのは不可能ではありません、とケリー氏。さらに、真のファンの熱意によって普通のファンの支援も増加するため、真のファンを増やすことは普通のファンを増やすためのマーケティングという意味でも重要だといえます。


ケリー氏は、「1000人の真のファンを獲得することはスターになるのとは違った成功の仕方です」と述べ、「真のファンを獲得する過程で、一時的な熱狂ではなくて正当な評価を得ることができ、それはセレブになることよりもはるかに健全な目標であり、実際にそこに到達できる可能性はセレブになることよりもずっと高いのです」と語りました。

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