無料で多機能な動画編集ソフトのiPad版「DaVinci Resolve for iPad」を触ってみた

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Blackmagic Designが開発する動画編集ソフト「DaVinci Resolve」のiPad版である「DaVinci Resolve for iPad」が2022年12月22日にリリースされました。PC版と同様に無料で利用できるとのことで、実際に使ってみました。

「DaVinci Resolve for iPad」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/davinci-resolve-for-ipad/id1581363826

DaVinci Resolve for iPadに対応しているデバイスは、iPadOS 16.0以降、およびA12 Bionicチップ以降を搭載したiPadで利用可能。ただし、BlackMagic DesignはM1またはM2チップを搭載するiPad Proでの使用を推奨しています。今回はApple A15 Bionicチップを搭載した第6世代iPad miniにインストールしてみます。なお、アプリの操作にはApple Pencil、あるいはキーボードとポインティングデバイスがあると便利です。


App StoreでDaVinci Resolve for iPadのページを開き、「入手」をクリック。


インストールしたらアプリを起動します。


Bluetoothの使用を求められるので、「OK」をタップ。


初回起動は以下のウィンドウが登場します。M1あるいはM2搭載のiPad Proであればフル機能にアクセスでき、それ以外だとAI機能や書き出しなど一部に制限がかかるとのこと。左のスイッチをオンにして、「OK」をタップ。


DaVinci Resolve for iPadの画面はこんな感じ。画面左上にある左から2番目のアイコンをタップすると、「Import Media」「Import Folder」「Import from Photos」の3つがあり、ここから編集したい動画の素材を読み込むことができます。


今回は以下の動画ファイルと音声ファイルを読み込みました。


画面下部はタイムラインになっており、ここに動画を並べて切ったりつなげたり重ねたりして動画を作っていくイメージ。読み込んだ動画ファイルや音声ファイルをそのままドラッグ&ドロップします。


画面右側にタイムラインのプレビューが表示されます。


動画編集ソフトはかなりのPCスペックを要求するので動作が重くなりがちで、マシンが貧弱だとプレビューの再生もままならないことがよくあります。しかし、第6世代iPad miniだとスペック不足かなと思っていましたが、実際に動かしてみると操作は非常にスムーズで、第6世代iPad miniでもサクサクと動きます。実際に動画プレビューを再生したりシークバーを動かしたりするところが以下のムービー。

iPad mini(第6世代)でDaVinci Resolve for iPadを触ってみた – YouTube
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また、iPadの場合はApple Pencilで操作できるのがポイント。マウスやトラックパッドよりも直感的に操作ができるのはiPadならでは。


タイムラインは新規レイヤーを作成することで、他の動画やテキストを重ねることができます。例えばタイムラインに新規レイヤーを作成してから、上部メニューから「タイトル」を選択し、「テキスト」をタイムラインにドラッグ&ドロップします。


タイムライン上のテキストを選択し、画面右上にある「インスペクタ」をタップすると、テキストの内容を編集できます。


フォントサイズなどの数値入力は、タッチ入力でもできるように仮想テンキーが出現します。もちろんキーボードを接続していれば、キーボードで直接数値を入力することができます。


タイムライン上のファイルはリボンの端をドラッグすることで長さを変えることができるので、直感的な動画編集が可能です。


2つ目の動画ファイルを読み込んで、タイムラインに追加してみました。


動画と動画のつなぎ目は、そのままだとただ動画が切り替わるだけですが、トランジションでシーンのつなぎ目に演出を設定することができます。上部メニューの「トランジション」をタップして、好きなトランジションを設定し、つなぎ目にドラッグ&ドロップするだけ。


プレビューの再生は「フルスクリーン」をタップすることで、全画面表示が可能です。


DaVinci Resolve for iPadには動画のカット編集を行う「カットページ」と、動画の色調設定を行える「カラーページ」の2モードがあります。カラーページに切り替えるには、画面最下部中央にあるアイコンの右側をクリック。


カラーページでは多岐にわたるカラー設定を行えます。


そして、編集した動画を書き出すには、画面最上部の「Export」をタップします。


デフォルトで用意されているコーデックはH.264、H.265、Apple ProRes。また、書き出した動画をYouTube・Vimeo・Twitter・DropBoxにそのまま投稿する機能もあります。今回は「H.265・1080p・60fps・AAC Stereo」で書き出してみました。


保存先と動画のファイル名を指定して、右上の「保存」をタップします。


動画の書き出しは24秒の動画でわずか12秒ほどでした。


DaVinci Resolve for iPadは、基本的なカット編集と多機能なカラー編集を無料でできるアプリとなっています。高性能なSoCで知られるM1やM2ではなく、A15 Bionicチップを搭載した第6世代iPad miniでも問題なく動画編集できました。特にカラー編集についてはiPad上でもかなり細かく設定可能。デスクトップ版よりも映像編集機能と書き出し機能は制限されていますが、それでもiPad上でサクッと動画編集するにはちょうどいいアプリといえます。

ただし、細かい設定をiPad miniの8.3インチディスプレイで行うのはやや難しいものがありました。実際に使う場合は、より大きな12.9インチあるいは11インチのiPad Proで行うのがよさげ。なお、iPad版にも有料版の「DaVinci Resolve Studio for iPad」があり、エフェクトツールやノイズ除去ツール、HDR10+やDolby Visionのグレーディングやレンダリングなど、より映像を美麗にするための機能が追加されます。有料版は税込1万5000円で、無料版のアプリ内からライセンスを購入可能です。

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