2022年に TikTok 、スタイルアイコンが人気を底上げ。脚光を浴びたシューズ6選

DIGIDAY

2020年や2021年とは異なり、2022年はよく靴を履く一年だった。2020年は人々の暮らしが一変し、何カ月も自宅で過ごすことが当たり前になったため、新しいブーツが履かれることも、靴底がすり減ることもなかった。しかし2022年は通勤や旅行で外出する人が増え、靴のトレンドも復活した。

以下に、2022年に知名度が急上昇して大人気となった靴を紹介する。現在は熱狂的な人気を集めており、これらのほとんどは入手がほぼ不可能だろう。

ビルケンシュトック ボストン

ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、ビルケンシュトック(Birkenstock)のボストン(Boston)の売上は今年、2桁成長を記録した。アグリー(醜い)と評する人もいるようだが、今年もっとも魅力を感じた靴として、多くの人々がこの靴を挙げた。世界的なショッピングアプリ「リスト(LYST)」が2億人を超える消費者の同サイトやグーグルでの購買行動や検索、売れ行き、ページビュー、ソーシャルメディアでの言及数を分析したレポート「Year In Fashion」において、この靴はシューズ・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。ケンダル・ジェンナー氏やエマ・チェンバレン氏などitガールが着用したことも、影響を与えたようだ。ボストンは非常に人気が高いため、既に所有している人はポッシュマーク(Poshmark)などの再販プラットフォームで、小売価格の2倍近くで販売することができる。TikTokでは、 #birkenstockboston というハッシュタグの再生回数は9,800万回を数える。その多くは、購入者が嬉しそうに開封する様子を収めたものや、着こなし方法を示すGRWM(Get Ready With Me)といった動画が多い。もっとも人気が高いのはトープ色のスエードで、現在ビルケンシュトックのサイトでは女性用がひとつのサイズを除いて完売している。

ティックトッカーのアニー・パヴェンティ氏(@anniepaventy、フォロワー数243,000人)は2022年9月、ボストンの人気を図を使いながら説明する動画を投稿した。人気の秘密は汎用性、快適性、そしてピンタレストで話題になったことだと同氏は語る。NPDグループで靴やファッションアクセサリーの分析を行うベス・ゴールドスタイン氏によると「今年はドレスシューズが人気だが、そんな中でもカジュアルで履き心地のよい靴は明らかに優勢」とのことだ。

アグ タズ

分厚いプラットフォームソールを備えたアグ(Ugg)のタズ(Tazz)を、ジジ・ハディッド氏が熱心に推したことが、人気を押し上げたのは疑いようがない。「アグの定番アイテムをアレンジし、快適性や心地よさへの需要と、分厚いプラットフォームソールのトレンドの両方を満たしている」とゴールドスタイン氏は述べ、ソーシャルメディアによって人気が急上昇したことも付け加えた。人気のチェストナット色は現在、アグのサイトで売り切れている。TikTok上では #uggtazz というハッシュタグがつけられた動画は再生回数が1,450万回に達し、この靴をどこで見つけることができたかをクリエイターたちが報告している。たとえば、TikTokerのひとりであるローリン・カリーニョ氏(フォロワー数31,000人)はストックX(StockX)で、小売価格より80ドル(約11,000円)も高い金額でタズを入手した。ストックXによると、タズはサイバーウィークエンド期間中のベストセラー商品のひとつだったという。

アディダス サンバ

アディダス(Adidas)のサンバ(Samba)も決して新しい製品ではないが、自分のサイズを探し出すのに苦労するスニーカーだろう。ボストン(ビルケンシュトック)やタズ(アグ)と同様、サンバもリストのアニュアルレポートで上位にランクインしている。TikTokでは #adidassamba というハッシュタグが、6,090万回再生された。クラシックなスニーカーの現在の状況について、ゴールドスタイン氏は「最初に人気が出た時代を直接経験していない若い消費者が、伝統的な製品に魅了されていることの表れ」と語る。この間接的なノスタルジアはGlossy Popでも、特にZ世代の行動に焦点を当てた話題の中でひんぱんに取り上げるテーマだ。

1949年に誕生したこの靴に、ベラ・ハディッド氏、ケンダル・ジェンナー氏、ダコタ・ジョンソン氏といったスタイルアイコンたちが注目したことも、追い風となった。

ナイキ ダンクス

ナイキ(Nike)のダンクス(Dunks)でも、特に「パンダ」という愛称で親しまれる白と黒のシューズは、2022年にあちこちで目にするようになった。スニーカーを取り上げるTikTokアカウント(@soleretriever)は、このパンダを履く人をニューヨーク市で何人見かけたかを数える動画を何本か投稿しており、この動画では15人だったという。他の色のダンクも人気が高い。サンバと同様、こちらも新しいスタイルではなく、誕生したのは1980年代だ。レトロなスニーカーは、ファッション界でも目を見張るほどの長い寿命を持っているようだ。

ニーハイ(あるいはそれ以上)のブーツ

チェルシーブーツなど足首までの丈のブーツが何年にもわたって話題の中心にあったが、現在はニーハイブーツやオーバーザニーがブームになっている。たとえば、11月末に発売されたラルード(Larroudé)とジェニファー・フィッシャー氏によるコラボレーションは、高さ9.6cmのヒールを備えたレザー製のスーパーロングブーツで、価格は635ドル(約84,000円)。4色展開だが、ほぼ全てが売り切れ中だ。ゴールドスタイン氏によると、「過去5カ月間で、ニーハイブーツの売上は前年比で20%増加したが、アンクルブーツの売上はわずかに減少し」、トレンドの移り変わりを反映している。しかし、昨今のスキニージーンズ離れは、ロングブーツ人気とは相容れにくい。ロングブーツは、バギージーンズとは合わせるのが難しいためだ。

ミュウミュウ バレリーナ

バレリーナ(Ballerinas)は2022年、TikTokでもっとも人々を夢中にさせたもののひとつで、2億200万回も視聴されたハッシュタグ #balletcore のトレンドと並行するように人気を集めた。経済的に余裕がある人にとっては、ミュウミュウ(Miu Miu)の1,000ドル(約132,000円)のバレエシューズは入手すべきアイテムといえるだろう。ゴールドスタイン氏によると「このカテゴリーに注目を集めたのはミュウミュウの靴」であり、人気は「2023年も続くだろう」と同氏はみている。

[原文:Glossy Pop Newsletter: These 6 shoes dominated 2022

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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