アプリをちょっとイジるだけで商品が購入できるメルカリ。個人の取引なので、謎の品も結構出品されていたりする。そんな謎の品を発掘するのが本連載『メルカリ発掘』だ。
前回ケンタッキーのクリスマスCDが良かったので、今度は「マクドナルド クリスマス」で検索してみたところ、なんとマクドナルドにもクリスマスCDが! そんなのあったのー!? さっそく購入してみよう。ポチッとな。
・完全にクリスマス
送られてきたCDは確かにクリスマスCDと言う他ないものであった。なにしろ、14曲中7曲のタイトルに「クリスマス」が入っている。また、タイトルにクリスマスと入っていない曲も伝統的なクリスマスキャロルやクリスマスソングのカバーだったり、祝福する歌詞だったり、明確なコンセプトが感じられるのだ。
しかも、うち2曲は日本盤ボーナストラックである。
・マクドナルドのこだわり
日本盤があるだけでもビックリなのに、ボーナストラックまでつけてくれるなんてサービス精神の塊か。ちなみに、CDの仕様もHQCD(高音質CD)でこだわりが感じられる。マクドナルドやるな。
さっそく、聴いてみたところ、曲はあんまり聞き馴染みがないものばかりだ。クリスマスアルバムだと、単に有名曲を並べたアルバムも多いのだが、クリスマスということ以外にも一本筋が通っている。カバーの選曲にマライヤ・キャリーの『恋人たちのクリスマス』とかのチャラついた雰囲気の曲がないのだ。マクドナルド、ロックだな。
太く甘い歌声は、ウィ・アー・ザ・ワールドの歌手たちの中にいそうなレベル。そんな声が軽いノリの曲では幹のように演奏を従え、神聖な曲では厳かに響く。マクドナルド、本格派だな。
・ガチな理由
さらに、本CDには帯までついている。「クリスマスのBGMはこれに決定!」という煽り文句は、高速道路のPAで売ってそうなほど安っぽいが、どうやらこのアルバムで歌ってるのは、元ドゥービー・ブラザーズのボーカリストらしい。なるほど、どうりで本格派なわけだ。
ドゥービー・ブラザーズと言えば、アメリカのオールドロックを代表する存在。アメリカンロックを確立したような人たちだけに、アルバムから一本筋の通ったロックさが感じられることも頷ける。って、このマクドナルド……
ハンバーガーじゃなくてマイケルの方やないかーい!
<完>
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.