Web3ファッション のハブの地位を「アート・バーゼル・マイアミ」が確立した経緯

DIGIDAY

Web3とアートのギャップを埋めるファッションのアクティベーションが増え、アート・バーゼル・マイアミは急速にファッションの最重要イベントのひとつとなりつつある。今年は、アディダス、プラダ、タイメックス、バルマンが、Web3に焦点を当てた大規模なイベントとともに独自のブランドイベントも主催している。

Web3とアートのギャップを埋めるファッションのアクティベーションが増え、アート・バーゼル・マイアミ(Art Basel Miami)は急速にファッションの最重要イベントのひとつとなりつつある。今年は、アディダス(Adidas)、プラダ(Prada)、タイメックス(Timex)、バルマン(Balmain)が、Web3に焦点を当てた大規模なイベントとともに独自のブランドイベント(アート・バーゼルの活動プログラムには含まれないが)も主催している。そのひとつ、ザ・ゲートウェイメトロポリス(The Gateway Metropolis)には、Gmoney氏の9dcc、RTFKT(アーティファクト)、アダム・ボム・スクワッド(Adam Bomb Squad)などのWeb3企業が参加した。

文化の創造者をエンパワメントし、Web3の技術を主流に

今年12月1日から3日にかけて開催されたマイアミのアート・バーゼルは、すでにWeb3の遊び場としての地位を確立している。デジタルメディア・プラットフォームNFTナウ(NFTnow)の共同設立者でCEOのマット・メドヴェド氏が昨年初めてローンチしたザ・ゲートウェイメトロポリスは、今年のWeb3最大のアクティベーションのひとつとなる。会場は12棟の建物からなり、9dcc、アダム・ボム・スクワッド、クリスティーズ(Christie’s)、RTFKTのクローンX(CloneX)、フェイズ・クラン(FaZe Clan)、インスタグラム、ポルシェ(Porsche)による没入型アクティベーションなどが開催される。

「我々の使命は、文化の創造者をエンパワメントし、この技術をニッチからメインストリームにすることだ」と、メドヴェド氏は述べた。「ザ・ゲートウェイでは、新しい人々をWeb3に引き込み、この技術のパワーと可能性を理解してもらうための、文字通りのゲートウェイ、入り口を作りたい」。

ファッションに注力したNFTプロジェクトのひとつ、9dccは、アート・バーゼルのポップアップで、NFTと物理的な製品を含むフィジタル製品を発表する。この製品は、イテレーション02(ITERATION-02)コレクションの最初のアイテムとなる。予約制のみとなっている今回の体験は、11月29日にオープンし、12月3日まで行われる。ポップアップ終了時には、9dccはGmoney氏のアドミットワン(Admit One)のプライベートメンバーコミュニティ向けに、トークンゲーテッドのバーチャル鋳造を主催し、個人のクライアント向けには現実世界での鋳造の閲覧を行う。

ラグジュアリーブランドは没入型の体験でコミュニティにアピール

アウトライアー・ベンチャーズ(Outlier Ventures)とファーフェッチ(Farfetch)のアクセラレーター、ドリームアッセンブリー(Dream Assembly)でプログラムリーダーを務めるブレイク・レゼンスキー氏は、ドリームアッセンブリーの企業も今年存在感を示すだろうと述べた。「アート・バーゼルの期間中、既存のラグジュアリーブランドが期待を感じているのは、オーディエンスがデジタルで共有したいと思うような記憶に残る没入型の体験で、コミュニティを重視していると示すことだ」と彼は言う。「それどころかWeb3ファッションブランドは、ターゲットとなるオーディエンスにブランドIPを紹介し、そしてアートの世界へとネットワークを広げ、ファッション界のレガシーのエグゼクティブたちとリアルライフでつながろうと注力している」。

アート・バーゼルに参加する従来のファッションブランドは、公式プログラム以外の限定的なイベントを通じて、アートとWeb3の両方の分野に関わる。プラダの最初の6点のNFTドロップを購入した、タイムカプセル(Timecapsule)のNFTホルダーは、12月1日に開催されるプラダ・エクステンズ・マイアミ(Prada Extends Miami)のイベントに独占的に参加できる。このイベントの音楽とアートワークは、プラダの最近のランウェイショーのサウンドトラックを手がけたプラスティックマンこと、英国系カナダ人の電子音楽家リッチー・ホーティン氏がキュレーションする予定だ。一方、アルマーニ(Armani)はファッション、アート、テクノロジーの融合を意図して、11月29日に「ジョルジオ・アルマーニ・ラブ・アート・バーゼル・マイアミ(Giorgio Armani Love Art Basel Miami)」というイベントを開催。さらにイベント期間中にはデザイン・ディストリクト(Design District)の店舗でもパーティを行う。また、バルマンはバーチャルなヴィラバルマン(Villa Balmain)にてメタバースの展示会を主催、これはマイアミの没入型展示スペース、スーパーブルーマイアミ(Superblue Miami)からアクセスできる。

アディダスはデジタルファッションNFTコレクションを中心に展開

アディダス初のデジタルウェアラブルコレクションの発売を記念して、アディダスは12月3日に没入型の招待制イベント「(Probably) Real」を開催する。同ブランドによると、このイベントは物理的空間と仮想的空間との社会の関係性に疑問を投げかけ、再定義することを目的としており、AR技術をフィーチャーし、先週発表されたブランドの画期的なデジタルファッションNFTコレクションを中心に展開する。「バーチャルギア(Virtual Gear)」と名付けられたこのコレクションは、ボアード・エイプ・ヨット・クラブ(Bored Ape Yacht Club)のようなNFTコミュニティ・パートナーシップ以外のデジタル製品へのブランドの移行を示すものだ。ITM、BAYC、MAYC、アドミットワン(AdmitOne)、パンクスコミック(Punks Comic)、ファウンダーズダオ(Founders Dao)のNFTホルダーは、2021年の「イントゥザメタバース(Into the Metaverse)」NFTプロジェクトから新しいデジタルファッションコレクションの公開まで、アディダスのWeb3ユニバースを旅することになる。

アディダス・スリーストライプ・スタジオ(Adidas Three Stripe Studio)のバイスプレジデントであるエリカ・ワイクス=スナイド氏は次のように述べている。「当社のWeb3コミュニティとの関係は、Discord(ディスコード)やTwitter上に築かれているものかもしれないが、私たちのコミュニティは生身の人間で構成されているという事実があり、当社は常にそうしたコミュニティの人々と現実世界で関わり、交流する機会に真剣に取り組んでいる」。

[原文:How Art Basel Miami became a web3 fashion hub]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


Source

タイトルとURLをコピーしました