フットロッカー 、通期業績予想を下方修正:「レースアップ」計画には未だ自信見せる

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フットロッカー(Foot Locker)は、大規模な方向転換計画を発表してから2カ月後、今年度の残りの期間について業績予想を引き下げた。

このニュースは、同社の2023年度第1四半期の決算結果が期待を下回ったことに伴うものだ。同社が5月19日金曜日に発表した四半期売上高は19億ドル(約2640億円)だったことを報告した。これは、前年同期比比べて11.4%減少した。一方、既存店売上高は、前年同期比9.1%減だった。同社は現在、2023年度の売上が、従来の3.5%から5.5%の範囲から、6.5%から8%の減少になると予想している。

フットロッカーは、店舗の戦略を大幅に見直している最中だ。3月に公表した「レースアップ」計画では、新業態の店舗開設、不採算店舗約400店舗の閉店、ロイヤルティプログラムの再開、デジタルへの重点投資などを進めている。同社は計画を順調に進めつつあり、決算発表によると、前四半期に13店舗を新規開設し、18店舗を改装・移転して、35店舗を閉店した。しかし、依然として大きな課題に直面している。

「より積極的な」プロモーション戦略

CEOを務めるメアリー・ディロン氏は、低所得者向けの税還付の減少、個人消費の低迷、製品からサービスへの支出のシフトなど、いくつかの逆風を同社が受けていると説明した。また、同社とナイキ(Nike)との関係の再構築、イーストベイ(East Bay)の旗艦店の閉鎖、チャンプススポーツ(Champs Sports)ブランドのリポジショニングなど、同社固有の障害もいくつか指摘した。

「改善傾向にはあったが、期待したほどには良くなってはおらず、勢いの弱さが5月まで続いている」と同氏は述べている。「そのため、2023年は常に当社にとってリセットの年になると考えられてきたが、今は、今年の売上と収益はさらに急激に減少すると、予測している。厳しい環境ではあるが、当社は「レースアップ」計画のロードマップによって、来年には持続可能な成長に復帰できると自信を持っている」。

フットロッカーは、需要を喚起し在庫を減らそうと、「より積極的な」プロモーション戦略を採用しはじめたと、ディロン氏は語る。同社の在庫は4月29日の時点で合計17億6000万ドル(約2450億円)近くに達し、昨年第1四半期末時点に比べて25%増加している。同氏は、今年いっぱいは同様の水準でプロモーションが続くと予想しているという。

ジェーン・ハリ・アンド・アソシエイツ(Jane Hali & Associates)のシニアリサーチアナリストを務めるジェシカ・ラミレス氏は、こうした値下げはパフォーマン重視の商品よりも、ライフスタイル系商品に多く適用されることが予想されると、米モダンリテールに語った。パフォーマンスベース重視の商品はフットロッカーにとって特に利益があった。ディロン氏はニューバランス(New Balance)、プーマ(Puma)、アシックス(Asics)の成長について発表で言及し、ホカ(Hoka)とオン(On)は現在、数百の店舗で販売されていると発表した。

新たなリーダー交代も

ラミレス氏は、19日に発表された決算の多くが「ある程度、予想されていたこと」だと述べた。

同氏は次のように述べている。「どのように言い繕っても、現在は方向転換には困難な時期だ。ディロン氏には重圧がのしかかっている。懐疑的な人もいるかもしれないが、結果が出るのはまだ早い段階だと思う。多くの難しい決断の結果が明らかになるのは、今年後半になるだろう」。

以前アルタビューティー(Ulta Beauty)でCEOを務めていたディロン氏は、昨年後半にフットロッカーのトップリーダーに任命された。同氏は、同社のプレジデントでもあり、役員会のメンバーも務めている。

フットロッカーは19日、新たなリーダー交代を行い、新しいエグゼクティブバイスプレジデント兼最高財務責任者に、マイク・バウガン氏を任命した。同氏はごく最近、コールズ(Kohl’s)の財務・会計担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めていた。同氏は6月12日付で就任する。

[原文:Foot Locker lowers yearly guidance but remains confident on “Lace Up” plan]

Julia Waldow(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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