「孤独」が糖尿病の発症リスクを2倍に高めることが明らかに

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2型糖尿病は血中糖度を下げるホルモン・インスリンが十分に分泌されなかったり作用しなくなったりすることで血糖値が高くなってしまう病気で、末端神経障害や視力低下などの合併症を引き起こします。2型糖尿病の発症リスクは普段の生活習慣や遺伝的要因で高まることがわかっていますが、新たに「孤独であること」もリスクを高めることが研究で示されました。

Loneliness increases the risk of type 2 diabetes: a 20 year follow-up – results from the HUNT study | SpringerLink
https://doi.org/10.1007/s00125-022-05791-6


Loneliness is associated with double the risk of developing diabetes
https://medicalxpress.com/news/2022-09-loneliness-diabetes.html

この研究はウェスタンノルウェー応用化学大学のロジャー・ヘンリクセン准教授が率いる研究チームによって発表されました。研究チームはノルウェー科学技術大学、ノルウェーのトロンデラーグ州議会、中央ノルウェー地域保健局などの共同研究で使われたデータを分析しました。このデータは1984年から2019年にかけて4回行われた人口調査による23万人以上の健康情報で構成されています。

このうち、2回目の調査データから選ばれた2万4024人のうち、赤血球中のヘモグロビンが糖と結合している割合を示すHbA1cが48mmol/molを超えて2型糖尿病であると判断されたのは1179人でした。研究チームによれば、2型糖尿病だと判断された人のうち男性の割合は59%、平均年齢は48歳、結婚している割合は73%でした。そして、人口調査時のアンケートから、参加者全体の13%が孤独を訴えていたことがわかりました。

そして、研究チームは孤独感のレベルが高いことが、20年後に2型糖尿病を患うリスクが高くなることと強く関連していたと報告しています。アンケートで孤独を感じるかどうかという質問に「非常に強く感じる」と回答した参加者は、孤独を感じていない参加者よりも2型糖尿病を発症する可能性が2倍高かったとのこと。

孤独を感じることと2型糖尿病を発症することの因果関係は明らかになっていませんが、研究チームは社会的関与や影響力が健康にプラスの効果をもたらす可能性を示唆しています。例えば、友人からアドバイスやサポートを受けることで、食事や身体活動、ストレス軽減にプラスの影響を与えるといえます。しかし、社会的つながりが少ない場合はこれらのポジティブな影響が欠如し、結果として孤独な人は2型糖尿病の発症リスクが高まるのではないかと研究チームは推測しています。


研究チームは「医療従事者は臨床診察の際に、孤独や社会的交流に関しても含めて患者の懸念についてオープンに対話することが重要です」と述べ、2型糖尿病に関する臨床ガイドラインに孤独への対処を含めるべきだと訴えています。

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2022年10月29日 09時00分00秒 in サイエンス, Posted by log1i_yk

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