【都会の裏面】入会費3万円! 紹介のみの会員制サウナ『ARCH』に入ってみた結果 → くにおくんシリーズの秘密の店かよ!!

ロケットニュース24

知らずに歩けばただの街。そんな街の中にも秘密のスポットはあるものだ。知らなければ一生入ることがなかったのではないか。私(中澤)がそう思ったのは神楽坂のサウナ『ARCH』の前に立った時である。

表通りから外れた路地裏にあり、店名もビルの壁に小さく書かれているのみ。店かどうかすら分からないレベルだが、その実態はクラウドファンディングでサウナ施設史上最高額の約1610万円を集めたプライベートサウナである。

2022年11月現在、基本的に紹介のみの会員制であり、入会費は通常会員で3万円のこのサウナ。中は一体どうなっているのか? 特別にトライアル価格で取材させてもらったぞ。

・絶対分からない

奥に細長い『ARCH』のビル。看板も窓もほとんどない外観はコンクリートの箱みたいだ。なんなら隣のデザイナーズマンションに接続された非常階段にすら見える。まるで擬態しているかのように


その上、サウナへの入り口は路地に面した部分ではない。それは通りから奥まっているビルの最奥にあった。隠れすぎィィィイイイ!


横っ面から入っていくイメージでコンクリートの塊の中に入ると薄暗い階段がある。いくら何でもこっそりしすぎだろ。くにおくんシリーズの秘密の店かよ

・もはや怖い

心なしか階段も狭いような気がする。本当にこんなところにサウナがあるのか? いや、ないだろ。やっぱりデザイナーズ非常階段だろこれ。本当に入るところここで合ってます? と、その時……


謎の部屋、登場。


部屋の中までコンクリート打ちっぱなし。もはや怖いんですけど。ドキドキしながら玄関で靴を脱いで入ってみたところ……なんじゃこりゃあ


SUGEEEEEEE!!

部屋の奥にサウナ室があり、サウナ室を出たところにシャワーと水風呂、そして水風呂を出てすぐに外気浴用のベランダがあった。それぞれの距離が近く、ひと目見ただけで完璧なととのいの動線ができていることが分かる。

広さはごく普通の都市部のマンションの一室くらいで、私の部屋とそんなに変わらないくらいに見えるのに、こんなの作れるものなんだな

・価格

さらに、部屋は2階建てになっており、上がるとキングサイズのベッドと広めのベランダがある。ベランダにはととのい椅子も。完全にととのいに特化した部屋がそこにあった。

ちなみに、今回は2部屋あるうちの広い方である3rdARCHに入らせてもらっているわけだが、ここは2名までならデイユース2時間2万9800円。3名以上の場合、5000円(税別)/ 人の追加料金で利用可能だ。

・裏面オーラ

私からするとお安くない値段なのだが、ゆえに触れたことのない世界であることは確か。さっそく、サウナに入ってみたところ……

サウナはフィンランドサウナでセルフロウリュも可能。水風呂は肌感覚で言うと15度くらいだと思うが、面白いのは浅めで寝転がって入るスタイルなこと。定員1人のデザインじゃないとなかなかできないスタイルである。こりゃエエわ。

2階のととのい椅子に座っていると、ここが都会のど真ん中とは思えない。階段を上る前の私は、ここでととのってる人がいるなんて想像もできなかった。壁一枚隔てた外と中は別世界。スーパーマリオで裏面を見つけた時みたいな気分になった

・社長に話を聞いてみた

2022年8月にオープンした『ARCH』。その噂は、私の耳にも入ってくるくらいサウナーの間で囁かれている。だが、なんでもここの経営者である藤永憲太郎さんはサウナ経営が初めてらしい。一体なぜサウナを始めようと思ったのか?

藤永憲太郎「実は民泊の事業をやっていたんですけど、コロナ禍でヤバイことになりまして。特に、コロナ禍が騒がれ出したタイミングはサイトの予約が強制的に全キャンセルになって、いきなり売り上げが0円になったんです。先の予定もずっと白紙ということが続いて本当にヤバかった。この先、どうやって食っていこうかと悩むくらいでした。

そんな時、経営者の先輩に誘われて上野の北欧に行きまして。それまでサウナに興味がなかったんですけど、ちゃんと入り方を教わって入ったら本当に最高だったんですね。悩んでることを全部忘れられるくらいに。

そこでサウナにハマりまして。初心に立ち戻って好きなことを始めてみようという気持ちで、理想のサウナを創ってみました


──それにしても、コロナ禍でアミューズメント業界への打撃を身を持って味わった中で、よく新しい事業をやろうと思えましたね。


藤永憲太郎「むしろ、それは逆で、新しいものを見つけないとどうにもならないタイミングだったので、「見つけた!」という感覚でした。色々手探りでしたけど、あの時の出会いにしても、今の生活にしても、サウナに救われましたね」

──とのこと。死中に活というか、起死回生というか。絶体絶命の中だったからこそ新しいものに出会えたという藤永さん。人生ってどうなるか分からないものである。

好きなことをやるというのはなかなか難しい。知らなければ素通りしてしまうような隠れスポット。そんな都市の裏面は人生とロマンで出来ていたのであった。

なお、通常は紹介制であるこのサウナ。しかし、2022年11月7日現在、冒頭でお伝えしたクラウドファンディングサイト『Makuake』が開催する「Makuake Of The Year 2022」にノミネートされたことを記念して期間限定で一般会員を募集しているという。入ってみたい方はチャンスかもしれないぞ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 ARCH
住所 東京都新宿区津久戸町4−1

参考リンク:神楽坂の秘湯「ARCH
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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