経路検索アプリ「NAVITIME」iOS版のココが便利になった! 全面刷新での改良ポイントを紹介【地図と位置情報】

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 経路検索アプリの定番として多くのユーザーを持つ株式会社ナビタイムジャパンの「NAVITIME」。そのiOS版が7月1日、全面的にリニューアルを行った。

 NAVITIMEは、徒歩・電車・車・バス・自転車など、さまざまな移動手段を組み合わせて出発地から目的地までのルート検索を行えるアプリ。ナビタイムジャパンはいろいろな交通手段に特化したナビアプリを各種提供しているが、NAVITIMEは特定の交通手段に限定されることなく使える総合ナビアプリといえる。

複数の交通手段の組み合わせも、アイコンをタップしていくだけ

 そんな同社の“顔”ともいえるNAVITIMEは、今回のリニューアルによってユーザーインターフェース(UI)デザインを大幅に刷新。アプリ全体の配色やアイコン、フォント、レイアウトなど全てのデザイン要素を見直した。新しいUIデザインでは、白を基調に、同社のコーポレートカラーである“緑”をアクセントとするとともに、角の形状に丸みを持たせて親しみやすい印象を表現した。

「NAVITIME」iOS版リニューアル前のデザイン

「NAVITIME」iOS版リニューアル後の新デザイン

 また、ルート検索時の移動手段や検索条件の一覧性を高めて、アイコンなどで視覚的に確認できるUIにすることで操作性の向上も図っている。

 特に、移動手段のアイコン群の右端にある下向きマークをタップすると表示される検索条件の一覧はとても使いやすい。例えば鉄道・バス・飛行機・フェリーなど複数の交通手段を組み合わせて検索する「乗換」では、「電車」「新幹線」「特急」などのアイコンが表示され、それぞれタップしてチェックを入れるだけで検索条件に追加できる。「鉄道は新幹線を使わず特急で、バスは高速バスは使わず路線バスだけ、フェリーは使わないけど飛行機は使う」といったふうに、使用する交通手段を選んでタップするだけで簡単に設定できるので便利だ。

 さらに、バスを選ぶと「バス」と「高速バス」、車を選ぶと「車」と「タクシー」、自転車を選ぶと「自転車」と「シェアサイクル」と、交通手段ごとに表示されるアイコンが変わるので分かりやすい。

「経由地の滞在時間」を考慮した検索も可能に

 このほか検索画面では、出発地と目的地のほかに経由地を3カ所まで指定し、それぞれの滞在時間を考慮したルート検索が可能となった。

 例えば「箱根へ旅行に行く前に、まず新宿駅に行って書店でガイドブックを購入し、それから小田急線の特急ロマンスカーに乗りたい」という場合は、新宿駅の滞在時間を1時間に設定してルート検索を行うと、この条件に応じたロマンスカーの発車時刻を調べられる。これはPC向けのNAVITIMEで人気のあった機能で、今回、スマートフォンアプリにも対応したのはうれしい。

 しかも検索結果の画面では、新宿の箇所に「周辺スポット」アイコンが並び、スポット検索もすばやく行えるように配慮されていて使いやすい。

経由地での滞在時間の設定が可能に

さまざまな「優先条件」で同時検索して、結果表示を簡単に切り替え

 ルート検索の画面だけでなく、検索結果の画面もこれまでとはひと味違う。検索結果のリストの上部に「オススメ」「時間短い」「運賃安い」「乗換少ない」など、検索を行う際の優先条件が表示されるようになり、これらを選択することでそれぞれの優先条件で検索した結果に簡単に切り替えられるようになった。

 優先条件の項目は、前述した4つのほかに、「歩き少ない」「CO2少ない」「定期券区間優先」「エレベーター優先」「階段を避ける」「屋根が多い」などが用意されており、検索前にこれらの中から指定しておくことで複数の条件で同時に検索できる。なお、同時に指定できる優先条件は6つまでとなっている。

「優先条件」が簡単に切り替え可能に

地図とルートを見比べやすく。「旅行/予約」ボタンも新設

 また、ルート結果画面において、画面右下に「地図表示」というメニューが表示されるようになり、これをタップすることで簡単に地図画面へ切り替えられるようになった。さらに、地図画面を表示した状態で優先条件を切り替えることも可能で、それぞれの地図とルートを見比べやすくなった。

地図画面とリスト画面を簡単に切り替え可能に

 このほか、画面下部に「旅行/予約」ボタンが新設されたことも注目される。「旅行/予約」の画面では、タクシー配車や飛行機・新幹線・レンタカー・シェアサイクルなどの移動手段やホテル、アクティビティなどの予約と予約確認を行える。これまではルート検索結果からの導線に限られていたが、より簡単に「旅行/予約」の機能にアクセスできるようになった。

「旅行/予約」ボタンが設置

 UIデザインだけでなく、ルート検索時の条件設定や経由地での滞在時間の設定など、細かい点で使いやすくなった新しいNAVITIME。筆者としては、特にルート検索結果で優先条件を簡単に切り替えられるようになったのがとても使いやすいと思った。

 NAVITIMEには、無料版の「通常コース」と、有料版の「プレミアムコース」の2つがあり、無料版では歩行を含むドアtoドアの検索が可能な「トータルナビ」や音声案内、運行情報・迂回ルートの案内などの機能が使えないものの、今回のリニューアルの恩恵は十分に受けられるので、まずは無料版を試してみてはいかがだろうか。なお、今回のリニューアルはiOS版のみだが、今後はAndroid版でも実施予定とのことだ。

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INTERNET Watchでは、2006年10月スタートの長寿連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」に加え、その派生シリーズとなる「地図と位置情報」および「地図とデザイン」という3つの地図専門連載を掲載中。ジオライターの片岡義明氏が、デジタル地図・位置情報関連の最新サービスや製品、測位技術の最新動向や位置情報技術の利活用事例、デジタル地図の図式や表現、グラフィックデザイン/UIデザインなどに関するトピックを逐次お届けしています。

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