足の下で川と用水が交差しています
仙台という街は伊達政宗が江戸時代初期に仙台城およびその城下町を築いたことで大きく発展した。仙台城は今でも仙台を代表する観光名所だが、伊達政宗はその他にも様々なものを仙台の街に残している。
中でも、城下町全体に水を届けるために整備した四ツ谷用水は仙台の人々の生活を潤す大切なライフラインであった。今ではその多くが暗渠化し地味な存在になってしまっているが、見えなくなった今でも、いや見えないからこそ気になってしまう場所が存在する。
それが暗渠の立体交差である。
自然の川と人工の用水の立体交差
仙台の街の南側には広瀬川という川が流れているが、この川かなりぐにゃぐにゃと曲がっている。それ故か地面を削りまくっており、川の両側には崖が形成されている。
仙台城は城下町から広瀬川を挟んだ高台の上に築城されており、広瀬川が天然の堀として機能する場所を選んで建てられた格好だ。
城としては最高の立地だが城下町側に目を向けると、洪水は起こりにくいが水を確保するのが難しい。そんなわけで城下町全体(上の地図の黄色く塗ったあたり)に網の目のように張り巡らされたのが四ツ谷用水というわけである。
説明はこれくらいにして早速、暗渠の立体交差をみていこう。
この四ツ谷用水を少し下流に辿るとそこに暗渠の立体交差がある。
どうだろうか。写真だと伝わりづらいかもしれないが、めちゃくちゃいい場所である。
暗渠は上級者向けになるとなかなか判別するのが難しく玄人趣味な向きも出てくるが、ここはどちらの流れも分かりやすく暗渠なので初心者にもやさしい。一方で立体交差という珍しさもある。つまり分かりやすさと珍しさが同居した誰にでも楽しめる暗渠スポットなのだ。
暗渠の周りは緑道として整備されていたりして緑が豊富なことが多いが、画像をみてわかる通りこのあたりも緑が生い茂っている。二つの流れが交差する地点なので緑もマシマシなのだろう。心なしか周りよりも湿気があるような感じもあり、ちょっとしたパワースポットのようでもあった。
へくり沢下流のスリバチも見逃せない
暗渠の立体交差だけでもお腹いっぱいだがせっかくここに来たら四ツ谷用水と交わるへくり沢の下流にある谷地形もチェックしておこう。
立体交差から歩いて10分ほどのところに川によって大きく削られたV字型の谷地形がある。
沢の名前からそのまま名前をとってこのあたりがへくり沢と呼ばれている。上流側からみたへくり沢がこちら。
ここまでのV字型で、にもかかわらず谷に沿って生活が息づいている景色は圧巻だ。
このへくり沢は上流側は急すぎて道路は通っていない(かろうじて急な階段で上の道路に出られるようにはなっている) 。そのため車では下流側から続く道でしか入ることができず、袋小路になっている。
レンタル自転車で訪れたのだがルートの都合上、どん詰まりの急な階段を自転車で上り下りすることになった。袋小路に追い詰められ必死で逃げているみたいだと感じた思い出も込みで「俺の絶景」に認定である。
身近な絶景
友達と歩いてるときに「ねえここの電柱珍しくない?」って見せるような、よく見るとおもしろい景色をとりあげます。あえて「絶景」と呼んでみました。
2022年のゴールデンウイークに集中的に集めて、そのあとは少しずつ追加しています。
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