何かに使えるんじゃないか病 / チラ見せはげます会

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はじめに

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何かに使えるんじゃないか病(斎藤公輔)

いる物があったら買うし、いらなければ買わない。当たり前の話である。でも人の欲求というのはそれだけじゃあない。「いらないけど欲しい」という厄介なものもあるのだ。

 私はまさにそれに取り憑かれている。いらないけど買ってしまう。そのモチベーションはどこから来るのかというと、「何かに使えそう」という思考である。

 最近、特にいらないけど買ったのは「インプリンタ」だ。クレジットカードの番号部分の凸状(エンボス)になったところ、そこにインクローラーを押し当てて伝票に転写する装置である。ずっと昔、店でクレジットカードを使うときに活躍していた。

 買ってどうするのかと聞かれても困る。でも直感的に「あ、何かに使えそう~」って思ってしまったのである。そういうものは買ってストックしておくと、後々いいことがある……かもしれない。実際、こんな風に買っておいたものが記事に生かされることもたまにある。が、大半はなんにも使えない。あまり期待しない方がいい。

 まわりを見回してみる。時計くらいのサイズの丸い液晶があった。液晶なのに丸いところが物珍しい。こういうパーツは、見た瞬間にビビッとくる。脳から瞬時に電気信号が発せられ、それによって腕の筋肉が勝手に動く。気が付くとカートに放り込まれていた。

 部屋の隅に鎮座しているのは「OHP」だ。プロジェクタがなかった時代の、スライドを投影する装置である。コンパクトタイプではあるのだが、重さが10kgくらいあって、移動させようとすると腰が抜けそうになる。消耗品のランプが入手困難なため、わざわざ替えのランプを付けてくれる出品者が現れるまで粘って、ヤフオクで2000円ほどで落札した。もちろん使う機会はないし、邪魔なだけである。でもほら、なにかに使えるかもしれないじゃないですか。

 ずっと狙っているのは「投票用紙自動交付機」。選挙のとき、投票用紙(ユポ紙のやつ)を確実に一枚だけ出すために使われる装置である。かれこれ10年くらいヤフオクでウォッチしているのだが、出品されたのはただ一度だけ。なのに、そのときは値段が高くて泣く泣く見送ってしまった。買っておけばよかったとずっと後悔している。

 こうして書いてみると、「いらないものを買う」というのは立派な趣味なんじゃないかと思えてきた。同好の士と語り合いたい。

終わってふたたび解説です

斎藤公輔さんは、以前Amazonの箱を紹介する記事を書いてくれました。トランクルームを借りてまでAmazonの箱を大事にするなんてすごい人だなと思っていました。今回「OHP」を持っていることがわかり、驚いた次第ですが、さらに「投票用紙自動交付機」も狙ってると知り驚愕しております。いつか、トランクルームを取材させていただきたいです。

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