2020年に倒産した サボン が復活し、オムニチャネル販売に注力:アルタビューティ474店に参入

DIGIDAY

イスラエルのプレステージビューティブランド、サボンは、2020年の倒産後にリセットして、アルタビューティ474店での拡大を開始した。サボンの復活戦略はアルタビューティだけではない。9月にはD2Cのeコマースサイトのプラットフォームを再構築してShopifyを利用、また販売をAmazonにも拡大している。

イスラエルのプレステージビューティブランド、サボン(Sabon)は、2020年の倒産後にリセットして、アルタビューティ474店での拡大を開始した。

パンデミックによる破産のその後

アルタビューティとのこの提携は、サボンが米国市場に参入した2003年以来、自社eコマースサイトや独立店舗以外で製品販売を行う初のものとなる。創業25年のサボンは15カ国で展開しており、日本の店舗数は70に及ぶ。サボンは死海のソルトボディスクラブやボディローション、シャワージェル、ホームフレグランスがもっとも知られていると思うが、新型コロナ感染症により小売店閉鎖の影響を受けた1社だった。パンデミック真っ最中の2020年5月に連邦破産法11条を申請。持株会社への提出書には、負債額は1000万ドル(約15億円)から5000 万ドル(約74億円)の間で、資産は50万ドル(約7440万円)未満と記載されていた。サボンの復活戦略はアルタビューティだけではない。9月にはD2Cのeコマースサイトのプラットフォームを再構築してShopify(ショッピファイ)を利用、また販売をAmazonにも拡大している。

アルタビューティとの提携

サボンUSA(Sabon USA)のCEO、セバスチャン・ギンシャール氏は次のように述べている。「米国市場は非常に大きいので物理的なプレゼンスを再開するには時間がかかる。我々の目標はバランスの取れたオムニチャネル販売を確立することだ。1300店以上を抱えるアルタビューティは完璧なパートナーで、美容愛好家のコミュニティを築くことに成功している」。

ギンシャール氏によると、2020年以来サボンはeコマースの売上高を収益の70%にまで倍増させており、最大の成長を見せたのはニューヨーク以外だという。現在、eコマースの売上の約50%が大都市以外からである。同氏は、サボンは贈答用ブランドとして位置付けられており、それがサボンが発見される強力な情報源になっていると語る。また、サボンは2019年の時点でデジタル広告を優先するようにシフトしており、以来投資を倍増している。

今後の店舗展開

サボンは2003年から2017年にかけて米国のある流通パートナー(未公開)を使い、実店舗のフットプリントを約15店舗に拡大した。グループロシェ(Groupe Rocher)が2017年にサボンの66%の株式を1億2900万ドル(約192億円)で、2018年には残りの33%を約4600万ドル(約68億円)で購入した。2019年から2022年にかけてサボンは複数の店舗を閉店したが、それには破産法によるリストラの一環としての5店舗も含まれている。現時点ではマンハッタンの3店舗を含みニューヨークに4店舗を運営している。2021年夏に倒産から抜け出したサボンはこれからの5~7年間で2桁の収益の成長を計画している。

「破産は店舗数を許容できる数にダウンサイズする機会だった」とギンシャール氏。「だからこそ、今多くのイニシアチブをローンチできている。(破産は)米国でのブランドの方向転換と再ローンチの重要な出来事だった」。

サボンの店舗では複数人用の石製の大きなシンクでハンドソープやボディスクラブ、ローションなどを顧客が試せるのが特徴だった。アルタビューティではサボン製品はバスとボディセクションに置かれている。サボンにはシャワーオイル、ボディスクラブ、ボディローションを配置する1メートルほどの棚スペースがあり、トラベルサイズのお試し3本セットも販売されている。ボディローションは店頭で試すことが可能だ。これからの12カ月間において3製品のサシェを10万個以上アルタビューティの顧客に配布する予定である。サンプル配布はサボンの現在の顧客獲得戦略の重要な部分であり、アルーア(Allure)の9月のビューティボックス用に10万個のサンプルを用意した。アルタビューティからはコメントはもらえなかった。

サボンは直営店からは退去したが、店舗を追加することについて異議はない。ギンシャール氏は今後7~10年間でフロリダ、イリノイ、テキサス、カリフォルニアに開店する可能性があると述べている。

「長期的な調整が必要だった。専門小売業者は(ビューティショッピング体験で)ますます多くのスペースを占めており、今やワンストップショップになっている」とギンシャール氏。「(だが、当社独自の店舗は)新規顧客を獲得して、狙っている2桁の成長を今後の数年間で進めていくための手段となるだろう」。

[原文:Following its 2020 bankruptcy, beauty brand Sabon pivots to omnichannel

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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