【米モダンリテール×アテスト調査】ワンクリック決済を受け入れる買い物客が増加中

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どのオンラインブランドも、できるだけ摩擦のない決済体験を実現しようとしている。そして、この目標に向けた情熱を収益化すべく、多くのサービスが誕生した。しかし、買い物客が支払いを単純化するサードパーティーの利用に前向きであるかどうかは、いまだ不明瞭だ。

米モダンリテールとアテストによる新しい調査結果で、一部の買い物客がよりスムーズな決済方法を求めていることが示唆された。

ここ数年で、ワンクリック決済を提供する統合サービスがいくつか登場している。Shopify(ショッピファイ)は利用者が自分の認証情報の入力を省略できるShop Payサービスを開始し、ボルト(Bolt)と(廃業した)ファスト(Fast)などの新興企業は、そのようなサービスを提供するという約束で数億ドルの資金を調達し、Amazonも最近になって、どの出品者でもコードを使用して決済を効率化できるバイウィズプライム(Buy With Prime)ボタンの運用を開始した。

経済が混乱している状態で、このような付随的なサービスがユーザーに普及するかは未知数だった。しかし、一部の買い物客はこのようなサービスの使用を受け入れつつあるようだ。

米国の2000人の消費者を対象とする最近の調査によると、回答者の68%はこれまでにワンクリック決済サービスを1回以上利用したことがあると述べている。そして回答者全体の31%は何回も使用したと回答している。

これは、一部の業績不振のビジネスにとってはよいニュースだろう。ボタンをクリックするだけの操作は、クレジットカード番号や住所を入力するよりも簡単なのは明白だが、これらのサービスの多くはユーザーによる採用が伸びないことに苦しんでいる。ボルトやファストなどの新興企業は2021年に大量の資金を調達したが、翌年には大きな障害に直面した。

たとえばファストは、同社の2021年に60万ドル(約8700万円)の収益しかもたらさなかったという主張を受けて、資金調達の新規ラウンドに失敗し、この4月に廃業した。一方、ボルトは、存続はしているが、暗号通貨支払企業のワイヤ(Wyre)を15億ドル(約2180億円)で買収する計画を最近になって中止した

これらすべての統合は、決済をよりシームレスなものにすることを約束してきた。しかし、十分な数の米国の消費者が、多少面倒であるだけの手続きについて、面倒さを多少減らすためだけに新しいサービスを契約するかというのは常に疑問点として存在していた。

このようなサービスの将来性を多少明るく見せているのが、モバイルショッピングの増加だ。この同じ調査で米モダンリテールとアテストは、オンラインでの購入を行うために好んで使うデバイスは何かを回答者に質問した。もっとも使われているのは携帯電話で、回答者の75%が好んでいると回答した。2番目はノートパソコンで、27%だった。

ワンクリック決済が好まれるようになった、もうひとつの大きな要因は、eコマース大手企業もこの分野に参入しつつあることだ。AmazonとShopifyの両社は自社独自のサービスを立ち上げ、ペイパル(PayPal)は長年にわたって利用者の支払手順を簡素化する作業を行ってきた。

全体として、ブランドにとっても、フィンテックサービスにとっても、決済は依然として大きな戦場であることに変わりはないようだ。しかし、新興企業が既存の大手競合他社を打ち負かせるかどうかはいまだ不透明だ。

[原文:Modern Retail x Attest Research: More shoppers are warming up to one-click checkout]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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