阪神・岡田彰布監督が今オフのFA補強を封印する考えを語った。秋季キャンプが行われる高知・安芸へ2022年11月1日に向かった岡田監督は報道陣からFA補強について聞かれ、否定的な見解を示したという。
今オフは西武・森友哉が球団を通じてFA権行使を発表したほか、日本ハム・近藤健介らもFA権行使の可能性があり、複数球団による争奪戦の可能性が高い。森には同じ関西を本拠地に置くオリックス、宿敵の巨人が調査を進めている。球界屈指の強打の捕手として魅力的な選手だが、岡田監督は現有戦力で十分に戦えると判断したのだろう。
「近藤はFAで獲得に動く価値がある選手だと思うのですが…」
在阪スポーツ紙記者は、こう分析する。
「来季は正捕手に梅野隆太郎を据えて戦う可能性が高い。2番手も坂本誠史郎が控えている。森は補強すれば確かにプラスアルファになるが、投手との関係を構築したり、セ・リーグの球団に移るので研究するなどやらなければいけないことが多く、本来の力を発揮できない可能性がある。やんちゃなキャラクターも阪神に合わない感じがしますね」
阪神にとってみれば、他球団の選手をFA補強するより、FA権を保有する主力選手たちを慰留することに力を入れているように感じる。セットアッパーの岩崎優は4年契約で合意。先発の主戦力・西勇輝、リリーバー・岩貞祐太もチームを支え続けた投手だけに流出は避けたい。
上記の3選手が残留すれば、自慢の投手陣は来年も十分に計算できる。一方で打線は不安が残る。ポイントゲッターとして計算できるのは佐藤輝明、大山悠輔のみ。昨年はリーグ5位の489得点と貧打がV逸の一因となった。
スポーツ紙デスクは「外国人選手は計算できない。近藤はFAで獲得に動く価値がある選手だと思うのですが…。二塁も日本ハムから渡邉諒をトレードで獲得しましたが、守備で粗さが目立つ。権利を行使すればの前提ですが、ロッテ・中村奨吾はウィークポイントを埋めるパーツになると思います」と懸念を口にする。
岡田監督の補強戦略は吉と出るか。(中町顕吾)