ニーズが高まる、 コンテンツマーケティング への投資:多くのエージェンシーは制作をアウトソーシング

DIGIDAY

コンテンツの作成はビジネスにとって不可欠だが、作業がより困難になるにつれて、多くのエージェンシーがコンテンツ制作をアウトソーシングするようになっている。コンテンツ制作会社のバーブリオの調査によると、社内マーケティング担当者は71%、エージェンシーの68%が制作をアウトソーシングしていることがわかった。

コンテンツの作成はビジネスにとって不可欠だが、作業がより困難になるにつれて、多くのエージェンシーがコンテンツ制作をアウトソーシングするようになっている。

エージェンシー、フリーランス、社内の400人以上のコンテンツマーケティング担当者を対象に2022年のデジタルコンテンツの状況について、コンテンツ制作会社のバーブリオ(Verblio)が調査したところでは、社内マーケティング担当者は71%、エージェンシーの68%が、各ターゲットのニーズに合わせたコンテンツ制作をフリーランサーにアウトソーシングしていることがわかった。同社はまた、調査結果の中でマーケティング活動を最も効果的に実践できるコンテンツはブログ投稿であるとも報告している。

コンテンツは測定可能なニーズを引き出すツール

しかしマーケティング担当者は、コンテンツマーケティングを進めるにあたり直面している主な課題として、リソースが限られていること、業界の知識不足、変化し続けるクライアントのニーズ管理などを挙げている。

コンテンツは、クライアントから測定可能なニーズを引き出すツールとして機能する。エクスベラス・メディア(Exverus Media)のマネージングディレクターであるビル・デュラント氏は、アフィリエイトタイプのコンテンツによって、エージェンシーはパブリッシャーやインフルエンサーと「真のビジネスパートナー」になれると話す。

「重要なのは、これらのコンテンツの存在が追跡可能な売上額の実質見通しを構成する訳であり、またこれらによってCFOやCEOの要望を継続的に満たすことできるという点だ」とデュラント氏はDIGIDAYに語った。「パフォーマンスチャネルが多ければ、ブランドや製品について深い説明をする必要がなくなるので、エージェンシーはメディアミックスを補完するより優れたカスタムコンテンツを作って、そこから恩恵を受けるよう主軸を移している。

コンテンツ制作は主要な収入源に

加えてバーブリオによると、4分の1のエージェンシーが、収入の半分以上をコンテンツ制作が占めていると報じられている。

今回の調査によると、不動産であれ、情報通信であれ、あらゆる業界においてマーケティング担当者は、コンテンツ制作をフリーランサーに委託したり、コンテンツマーケットプレイスを利用したりすることにより、解決策を見出す傾向にあるということが判明した。

「ユーザーは、コンテンツを見たさにウェブサイトを訪れている」。オービット・メディア・スタディーズ(Orbit Media Studies)の共同創設者兼CMOであるアンディ・クレソトディナ氏は、バーブリオの調査報告書の中でそのように述べ、「クライアントは最終的にこれを理解し、すぐにすべて社内チームでやることには限界があることに気づく。この調査は、大企業を除く、あらゆる企業がコンテンツ制作について何らかの助けを必要としていることを示している。そして、彼らにとって最高のエージェンシーがそこにいることも」。

そのほかの重要な調査結果

  • エージェンシーの約75%が、フリーランサーへの委託またはコンテンツマーケットプレイスを利用している。ただし、その内の54%がフリーランサーへの委託に限定している。
  • ほか、21%のエージェンシーは、コンテンツ制作が収益の4分の3以上を占めていると回答している。これらのエージェンシーは外部を利用していない。かつ、これらの過半数(67%)は10人以上の従業員を抱えているので、比較的大きなエージェンシーのケースと言える。
  • 量の面では、エージェンシーの41%が月に5~14件のコンテンツを生産し、39%は月に1~4件のコンテンツを制作している。しかし、クレストディナ氏が調査で指摘したように、「ほとんどのクライアントにとって、結果は代り映えしないだろう。多いほうが良いことを裏付けるデータがなければ、おそらくより少ない、より質の良いコンテンツをリリースする方が賢明と言えるだろう……」。
  • バーブリオが2021年に指摘したように、ブログ投稿とランディングページは、コンテンツ戦略成功への道を牽引し続けている。SNSおよびメールによるニュースレターは、コンテンツを拡散の最も効果的な手段だった。
  • ほとんどのコンテンツマーケティング担当者は、クリック数やページに費やした時間などのエンゲージメント(41%)と、記入フォームなどのコンバージョン(29%)でコンテンツの品質を評価している。また別の15%のマーケティング担当者は、質的データがコンテンツの良し悪しを測る最良の尺度であると答えている。
  • コンテンツチームは組織によってさまざまなポジションに配置されていて、38%がグロースチーム、29%が社内クリエイティブエージェンシー側、17%がブランドチームに所属している。
  • コンテンツ戦略を成功させる上で最大のボトルネックは、業界およびオーディエンスについての知識や理解(28%)、クライアントのニーズの把握・管理(24%)、リソース不足をいかに補うか(20%)である。
  • コンテンツの需要は高まるばかりで、エージェンシーの86%がニーズが高まっていると口をそろえており、その大部分はコンテンツマーケティングに長期的な投資をしている。

[原文:Brands, media agencies decide to outsource content creation as it becomes more difficult

Antoinette Siu(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)


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