「口先だけではなく、やり抜く力が必要だ」:JLo ビューティの共同創業者兼CEO リサ・セキーノ氏

DIGIDAY

JLoビューティ(JLo Beauty)の共同創業者兼CEOのリサ・セキーノ氏が、ブランドの最新エピソードをポッドキャストに語ってくれた。同社はジェニファー・ロペスの有名なペルソナだけを扱っているわけではない。実際、JLoビューティにとって、ロペス氏の存在と同等に重要なのは暮らしを楽しむことであると述べている。

ビューティ業界のセレブブランドの最高潮の瞬間は訪れたのだろうか。それはわからないが、JLoビューティ(JLo Beauty)の共同創業者兼CEOのリサ・セキーノ氏によるとそれは問題ではないという。同社はジェニファー・ロペスの有名なペルソナだけを扱っているわけではない。実際、セキーノ氏はJLoビューティにとってロペス氏と同じほど重要なのは暮らしを楽しむことであると述べている。

「過去4年間(エスティ ローダー カンパニーズ(Estée Lauder Companies)での)前の仕事では、買収の潜在的な対象になるブランドを調べて、市場がどこに向かっているのか、顧客がどこに向かっているのかを見ていた。そしていつも同じ結論に達した」と、セキーノ氏はGlossyビューティポッドキャストの最新のエピソードで述べている。「ほとんどの企業は18~25歳の若い顧客にフォーカスしている。私もその年齢になったのだが、サブセットである40〜50歳のパワーを無視していた。私にとって(その消費者は)パワーのピークにあると思う」。

53歳のロペス氏は間違いなくそのパワーを体現しているもっとも有名な人物だろう。スキンケアとエイジングにより、JLoビューティはいっそう影響力を持つようになっている。セキーノ氏によると、2021年1月のローンチ以来、セフォラ(Sephora)と自社eコマースサイトで販売されているこのラインは規模が3倍になったという。また、市場シェアは1%を超えている。

「セレブリティブランドであろうとなかろうと、どんなブランドも消費者との強いつながりや存在理由がなければ成功は収められない」とセキーノ氏。「ジェニファーが(エンタメ界の)トップの位置に君臨するようになった理由のひとつには彼女の誠実さがある。これは、決してあきらめないということ、そしてしっかり自尊心を持つということだが、彼女がそうなるには長いあいだがかかっている。それには多くの人たちが共感している。効果があり、使っていて気分が上がるもので、違いを生み出す優れた製品によって、人々の生活に目に見える変化をもたらすことが重要だ」。

以下、読みやすさのために若干編集してポッドキャストからの追加のハイライトを紹介する。

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脚光を浴びることについて

「口先だけの人は多いが、ビジネスの規模が1万ドル(約146万円)だろうが100億ドル(約1.5兆円)だろうがビジネスを運営するために必要なのは根性。ビジョンもなければならないが、積極的に行動してビジネスを成し遂げることも必要だ。私はいくつも失敗しているが、立ち上がって前進し続けている。回復力とやり遂げる力が違いを生む。ジェニファー(・ロペス氏)と私がうまくやっていけている理由はどちらにも自分で築きあげた経歴があるからだと思う。私に『ここにチャンスがある』と教えてくれるような人はいなかった。ジェニファーにもそんな人はいなかった。なので、疑念を克服して、自尊心を高め、重要なポジションに就く価値が自分にはあると知ることが大事だ。そのような職務が与えられないなら自分で作る。これらはすべて苦労して学んだことだ。私は40歳だが、20歳のときの自分はそんなことは知らなかった。30歳のときもそうだった。ただ前に進み続けたかった。(夜間の)ビジネススクールに通っていて疲れ切っていたが、それは、目的を達成してスキルセットを獲得したり、もう少し知識を深めることのメリットを得る助けになるはずだと信じていた。本当につらい状況ではあったが。そしてそれは実現した」。

現代の顧客

「40歳の女性は多くのことを抱えているので、(製品を使うにつれて)メリットが増えていかないなら(製品を使う)意味はあるのだろうか? この点がずっと我々のフォーカスだ。当社はセレブのビューティブランドではない。我々は生活を豊かにするブランドであり、人々が気分を向上して外見も良くなり、無限の可能性が持てるようになる以上のライフスタイルビジネスだ。40歳になったときに年を取って見られたくないし、祖父母のようにもなりたくないものだ。20歳や30歳の人たちのような服装をしている。アンチエイジングについて聞かれたり話したりしたくはない。人生には素晴らしいことがたくさんあるのだから、それに関した製品が欲しい。当初、顧客が誰であるかを理解するために消費者調査を多く行った。顧客は30代、40代、または50代で、仕事をしていて、子どもがいて、責任があり、疲れ果てており、孤独で、十分なサービスを受けていないと感じているが、それでも楽しさやセクシーさを感じたいと思っている」。

コミュニティの3つの柱

「当社のD2Cビジネスの規模と獲得した消費者の全体的な規模を考えると、当社には利用できるかなりの数の所有顧客がいる。我々はいつも顧客と話し合い、新しいアイデアをテストしたり、顧客が望んでいるものや好きなもの、嫌いなもの、ストレスや人生の機会について尋ねている。これは、製品に限らず顧客が行っているあらゆることについてだ。顧客ベースに対して家族のように接するために、絶え間ないコミュニケーション、コミュニティフォーラム、対面式のデジタルズーム、イベントなどがある。

「オン・ザ・ジェイロー(On the JLo)」ニュースレターは大成功を収めたが、それはジェニファーが自分の人生で起こっていることについてほかでは知ることのできない視点を提供したからだ。また非常に誇りに思っており、開発を継続しているコミュニティには、シリアスリーセクシーサイエンス(Seriously Sexy Science)コミュニティがある。私はあらゆる業界での女性(の活躍)を信じている。ビューティやビューティ外、ウェルネスや長寿の分野で素晴らしいことを行っている、世界中の素晴らしい開発者、科学者、医師、化学者らに出会っている。我々は、社内と社外両方で、健康、ウェルネス、全体的な外見を向上させるためにさまざまなことを行っている科学分野の才能あふれる優れた女性のコミュニティ、委員会、チームを育成している」。

[原文:JLo Beauty’s Lisa Sequino: ‘A lot of people can talk the talk, but you need grit’

PRIYA RAO(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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