「召集」なのか、それとも「招集」なのか――。ロシアのプーチン大統領が発令した部分的動員令に関する報道をめぐって、こんな疑問がツイッターで持ち上がっている。どちらが正確な表記なのか、意見が分かれているのだ。
実際、メディアの表記も割れている。例えば、テレ朝newsの28日記事は「『友人に招集令状が来て決意した』ロシア国外脱出者が国境に殺到(後略)」との見出し。一方、サンケイスポーツの30日記事は「プルシェンコ氏 召集令状来ても(後略)」との見出しで、本文中でも召集の表記だった。
J-CASTニュース編集部は「召集」と「招集」の違いについて、「三省堂国語辞典」の編集委員として知られる日本語学者の飯間浩明氏に話を聞いた。
国会を開く際の「しょうしゅう」はどっち?
部分的動員令の召集・招集の表記について、あるツイッターアカウントは
「複数のテレビニュースがロシアの動員令で『招集令状」とテロップを打っていたけど、この場合は『召集』だべ。『招集』では、招き入れるニュアンスが強くなってしまう」
と投稿。また、別のアカウントも「テレビだけじゃないのか。会社によらずどこのマスコミも『招集』令状って書いてる。いつからそうなったんだ。『召集』令状だろ」とツイートしている。一方で、こうした指摘を見たとしたうえで、「招集」の方が正しいのではないか、とする意見もあった。
他方、2022年10月3日には日本で臨時国会が召集された。同日に毎日新聞の校閲部のツイッターは、「日本の国会議員に対し、一定の期日に各議院に集まることを命ずる行為は『招集』ではなく『召集』と書きます」とツイートしている。
また、同年3月に発売された「記者ハンドブック 14版」(共同通信社)を見ると、「招集」は一般用語で、使用例として「地方議会・自衛隊・外国議会・外国軍隊の招集」が挙げられている。「召集」については限定用語で、使用例は「国会の召集、(旧日本軍の)召集令状」とある。
となると、プーチン大統領が兵士を集めることには「招集」を使うべきと思えるが、先述のサンスポ以外にも、「召集」の表記を使用しているメディアは複数ある。そこで、編集部は飯間氏に話を聞いた。