メイベリンが「 ハイパーカジュアルゲーミング 」分野に参入:ジンガとの新ターゲットはZ世代ゲーマー

DIGIDAY

eスポーツトーナメントの後援から、Twitch(ツイッチ)のストリーマーとのプロモーションにいたるまで、美容ブランドは熱狂的なゲーマーに対するマーケティング機会を認識してきた。そしていま、メイベリン(Maybelline)は、カジュアルゲーマーという異なるオーディエンスを念頭に、この動きに参入している。

8月25日、メイベリンは美容ブランドとして初めて「ハイパーカジュアルゲーミング」の分野におけるプロモーションをローンチ、ヘアチャレンジ(Hair Challenge)、ハイヒールズ(High Heels)、ブロブランナー(Blob Runner)など、ジンガ(Zynga)が所有するゲーム全体で利用可能なアプリ内モバイルゲームを発表した。メイベリン・マスカラマージ(Maybelline Mascara Merge)というこのゲームには、同ブランドのマスカラ3種が登場、ユーザーはプレイするとポイントを獲得できるが、そのポイントは自分が遊んでいるジンガのメインのゲームで使用するためにキープすることができる。

「当社は、ほかのブランドが行ってきた方法よりもずっと親しみやすいこうしたやり方で、ゲーミングを探求していこうとしている」と、メイベリン・ニューヨークのマスカラ・マーケティングディレクター、ティナ・リウ氏は述べた。eスポーツとTwitchのオーディエンスは「かなり没頭しているゲーミングユーザーという傾向がある」一方で、メイベリンにとっての課題は、「マスブランドとしてどのようにアプローチするか」だった、とリウ氏は言う。「ハイパーカジュアルゲーミングなら、この分野にもっと容易に参入できると考えた」。

ショッパブルな広告とモバイルゲーミングのハイブリッド

そのリーチは計りしれないものとなる可能性がある。ジンガの2022年の最新データでは、デイリーアクティブユーザーは4000万人で、100種類のゲームを合わせると2億人のユーザーがいるのだ。ジンガのプレイヤーは、最新のゲーミング情報を得るために1日に何時間もTwitchにログオンすることはないかもしれないが、ジンガのプレイヤーがeスポーツファンと同じくらいゲームに没頭している姿は、地下鉄に乗る人なら誰もが目にしているだろう。

メイベリンは、このキャンペーンをショッパブルな広告とモバイルゲーミングのハイブリッドと表現している。メイベリンのミニゲームでは、ユーザーが3つのアイコンを合体させるとマスカラが現れ、ポイントを獲得できる。また、情報、動画コンテンツ、そしてこのキャンペーンのために作成された、製品リストを掲載したアルタビューティ(Ulta Beauty)の特別ランディングページへのリンクも表示される。フィーチャーされているマスカラは、ファルシーズラッシュリフトマスカラ(Falsies Lash Lift Mascara)、コロッサルカールバウンスマスカラ(Colossal Curl Bounce Mascara)、ラッシュセンセーショナルスカイハイマスカラ(The Lash Sensational Sky High Mascara)だ。

ゲーミングはオーディエンスにリーチする独特な機会

「特に美容ブランドにとってゲーミングは、ターゲットオーディエンスが毎日時間を過ごし、コンテンツに直接関与している新しい空間であり、そうしたオーディエンスにリーチする独特な機会なのだ」と語ったのは、ジンガでグローバルブランドパートナーシップを率いるガブリエル・ヘイマン氏だ。このゲーム会社は、過去にも美容小売業者と提携したことがあるが、女性のオーディエンスが多い新たなゲームをローンチして以降、美容ブランドとの提携に注力するようになっている。ヘイマン氏によると、同社は現在、将来のキャンペーンに向けてさらなる美容ブランドと話し合いを進めている。

このゲームは「Z世代のプレイヤーが、ブランドのアイコニックなマスカラのワードローブを直感的で没入感のある方法で体験するという斬新な方法だ。メイベリン・ニューヨークとジンガは、受動的な広告やプレイの妨げとなるものではなく、楽しいゲームの中のゲームを製作することで、ソーシャルメディアのマッシュアップ・トレンドとブランドのマスカラ・キャンペーンをゲーム化した」と、ロレアルUSA(L’Oréal USA)のチーフデジタルマーケティングオフィサー室でイノベーションおよび戦略的成長バイスプレジデントを務めるジェニリー・ダンウッディ氏は話す。

このキャンペーンが特に焦点を当てているのは、2021年1月にメイベリンのマスカラをTikTokでバイラルにして、その売上を後押ししたZ世代だ。ジンガは過去にもTikTokと提携しており、独自のゲーム機能を強化している。メイベリンのゲームは、Snapchat(スナップチャット)など他のプラットフォームでのコンポーネントも含む、より広範なキャンペーンの一部である。

マーケティングキャンペーンをゲーム化する方法を求めるブランド

メイベリンは、ジンガのハイパーカジュアルゲーミングカテゴリーを統括しているが、特に提携しているのは、その「オーディエンスが若い傾向にある」ロリック(Rollic)だとリウ氏は言う。「ゲーミングはZ世代にとって、まさにほとんど文化的な支柱となっている。Z世代とミレニアル世代の80%以上がゲームをプレイしている」。さらに、ジンガのオーディエンスの半分は女性だ。

「ゲーミングにはアテンションとエンゲージメントが要求される。そして、どの若い世代もゲームをより多くプレイし、従来のメディアよりもゲームを好んでいるという事実を踏まえると、ブランドはマーケティングキャンペーンのゲーム化に注目してその方法を積極的に探している」とヘイマン氏は言う。

このゲームは、ジンガの社内のブランドパートナーシップ部門が開発した。キャンペーンは「我々のプレイヤーにポジティブで魅力的な体験を作り出すものであり、メイベリン・マスカラマージュのプレイのしやすさは、我々のゲームのあらゆる側面にシームレスにエンターテインメントをもたらすすばらしい例だ」とロリックのコーポレートオペレーション・ディレクターであるセラ・ビルギン氏は述べている。

[原文:Maybelline’s new Zynga partnership targets the ‘hyper-casual’ Gen-Z gamer]

LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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