「この分野は今後も成長し続ける」:眼鏡D2CアイバイダイレクトCEOのサニー・ジャン氏が語る、ワービーパーカーと競合であり続けるための戦略

DIGIDAY

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眼鏡業界は非常に競争が激しいが、アイバイダイレクト(EyeBuyDirect)は安価な商品で市場を開拓することに注力している。

エシロールルックスオティカ(EssilorLuxottica)傘下のアイバイダイレクトは2005年に創設され、フレームの最低価格が6ドル(約804円)という安価な眼鏡を中心に提供してきた。同社のCEOを務めるサニー・ジャン氏は、同社の軌跡と、同氏がこれまでどのような方針で経営を行ってきたかについて、米モダンリテールのポッドキャストで語った。

ジャン氏は15年にわたってアイバイダイレクトで勤務してきた。同氏は大学を卒業してすぐ、ファイナンシャルコントローラーとしてアイバイダイレクトに就職した。それ以降、運用ディレクターからジェネラルマネージャーへと昇進し、最終的に2017年にCEOの職に就いた。

「私がCEOとなってから、当社は300%近くも成長した」と同氏は語る。

アイバイダイレクトは、最初にオンライン専業で眼鏡を販売した小売業者のひとつだ。ツェニー(Zenni)は同社より数年古く、ワービーパーカー(Warby Parker)は同社よりはるかに新しい。そしてジャン氏によれば、同社が眼鏡をこれほど安価に販売することができるのは、そのビジネスモデルにあるという。「当社は最初から最後まですべてを管理している」と同氏は語る。これには製造、物流、さらには返品まで、すべてが含まれる。「これによって当社は、多くの利益を直接お客様様に還元することができる」。

アイバイダイレクトが最初に創設されたとき、デジタルの競合他社はほとんど存在しなかった。現在ではワービーパーカーやアメリカズベスト(America’s Best)などの市場リーダーによって、この分野はより競争が激化している。特にこの2年間は、多くの競合他社がデジタルのゲームを加熱させてきたと、ジャン氏は語る。それでも同氏は、同社が成長を続けられると確信している。同氏自身の競合分析によると、眼鏡小売業者の上位3〜4社は市場の約半分しか占めていない。これは同氏にとって、引き続き市場シェアを拡大し、新しい顧客を見つけられるということを意味する。

この目標のため、アイバイダイレクトは最近ブランドの刷新を行い、ウェブサイトの外観と、企業マーケティング資料を、ロゴ、フォント、総合的なイメージなども含めてアップグレードした。ジャン氏は番組内で、全体のプロセスについて説明した。「当社がブランド刷新を考えていた理由のひとつは、ブランドや企業に明確な目的がないことに気づいたためだ」と、同氏は述べている。

これらの作業を終えて、ジャン氏は現在、同社の成長に向けた5カ年計画を策定している。その計画には、カスタマーサービスの充実や、配送のスピードアップも含まれる。

「このカテゴリーは今後も成長し続ける。そして、私はアイバイダイレクトが成長の基準を上回ることを確信している」。

以下に対談のいくつかの要点を示す。これらは明瞭さを考慮し、多少の編集を加えたものである。

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アイバイダイレクトのビジネスモデル

「アイバイダイレクトはオンライン専業の業者だ。当社は極めてデジタル化され、スタイリッシュな高品質の、処方箋使用と処方箋なしの眼鏡やサングラスを安価で提供している。商品の最低価格は6ドル(約804円)と、かなり手頃だ。なぜ妥当な品質の眼鏡を6ドルで提供できるかというと、それは当社のビジネスモデルにある。当社はビジネスの最初から最後まですべてを自分たちで管理している。具体的に言うと、コンセプト、デザイン、製造、物流、さらに購入後の返品まで、すべて社内で測定と管理している。これによって当社は多くの収益性を直接お客様に還元することができる。これが、当社が商品の品質を落とすことなく6ドルからの価格で商品を販売できる理由だ」。

激化する競争環境について

「ワービー(ワービーパーカー)が登場したとき、市場に活気が生まれ、多くの業者がひしめいているという印象があった。しかし、当社の長年にわたる観察や調査によれば、この業界の上位4〜5社は、市場シェアの50%ほどしか占めていない。また、小規模の業者も次々と参入し続けている。新規参入する業者は数多く、なかには成長しているプレーヤーもいる。これも考慮すべき事項だ。もうひとつの要因として、これまではオフライン専業だった既存のブランドの一部が、オンラインに興味を持つようになったことが挙げられる。たとえば、アメリカズベストは2019年まで、米国全域にわたって多くの店舗を運用していた。だが、そのあとでパンデミックが発生すると、同社はオンラインでのショッピング体験を改善し、オンラインでの試着や配送を行えるようにし、競合力を持つようになった」。

アイバイダイレクトのインフルエンサー戦略

「当社はインフルエンサー、特に個人のインフルエンサーと仕事をするとき、そのインフルエンサーのフォロワー数だけを見ているるわけではない。アイバイダイレクトとインフルエンサー、そしてインフルエンサーのオーディエンスたちが共通の言語を保有しているか、そしてエンゲージメントを重視する。エンゲージメントやレスポンスが肯定的なものとなるように、彼らのオーディエンスが当社と同じものを共有しているかを確認する。そして、100万人、あるいは200万人のフォロワーを持つインフルエンサーと手を組んでも、フォロワー数がわずか20万人だがエンゲージメントがより高いインフルエンサーと仕事をした場合よりも、優れた業績が得られるとは限らないということを、我々は数多く目にしてきた」。

[原文:‘The category will continue to grow’: EyeBuyDirect CEO Sunny Jiang on staying competitive with Warby Parker]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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