先日、アニメ『ラブライブ!スーパースター!!』を見ていたところ衝撃の概念に出くわした。それは第2話、新入生の桜小路きな子(さくらこうじきなこ)が、ヤンキー系同級生・米女メイ(よねめめい)に校舎裏に連れていかれるシーン。メイにビビったきな子は、手持ちのパンを献上することで許しを乞うのだが……
懐から取り出したのはカルボナーラパン。カルボナーラ味なのではなくパスタごと挟まれているではないか。パスタをパンに挟むという発想のなかった私(中澤)は、そのビジュアルに違和感を覚えてしまったわけだが……待てよ? 焼きそばパンがあるならカルボナーラパンがあってもいいのではないだろうか。
・B級アニメ飯の良さ
ギャルゲーや女子主体のアニメには時にこういったオリジナルB級グルメが登場することがある。個人的な見解を述べさせてもらうと、これはギャップ萌えなのだと思う。大人しい女の子が食生活は意外と攻めてる的な。
グルメマンガなどのしっかりしたレシピではない、キャラに属性をつけるためだけにその場の思いつきで考えられたようなB級アニメ飯。私はそれが好きだ。できるのかどうかすら分からない机上の空論。隙間だけを狙った組み合わせに心がおどる。「その発想があったか」と。
・作ってみよう
そんなB級アニメ飯マニアである私からしたら、カルボナーラパンはかなり絶妙なところを突いていると言わざるを得ない。なにせ、シンプルなのに、ありそうでない。まさしく、B級アニメ飯特有の目からウロコ的良さがある。というわけで、まずはカルボナーラを作った。
カルボナーラの味がメインなわけではないため細かいレシピは省略するが、作ったのは生クリーム使用のものである。ちなみに、個人的な生クリームカルボナーラの隠し味はお酢。大さじ1~2杯入れることで酸味が効いて粉チーズでもパルミジャーノ・レッジャーノっぽい味になるのでお試しあれ。
さて置き、念のため、味見してみるとむちゃくちゃウマイ。このままお酢カルボナーラを極めれば、店出せるんじゃないかとすら思う味だ。しかし、パンに挟んだらどうなるだろうか。
・検証
カルボナーラは、言ってしまえば「チーズ+卵」なので味の質的には合うだろう。だが、パスタは焼きそばよりもツルッとしている。食感の違いは吉と出るか凶と出るか。
いずれにしろ、もはや想像では補えない領域。この先に行くためには実際に食べて確かめてみるしかない。はたして、カルボナーラパンはありなのか? ええい! ままよー!!
パクリ……
【悲報】焼きそばパン、負ける。
カルボナーラパン、クッッッソウマイ。ちょっとびっくりするくらいウマくて2度見してしまった。味の質が合うのは上記の通りなのだが、何より予想外だったのは麺。歯切れが良いため、焼きそばパンほどぶよぶよ感がなく食べやすいのである。
・ミスドとかで売って欲しい
さらに、ニンニクで炒められたベーコンがパンチ力をも醸し出す。全てにおいて焼きそばパンより上なように感じた。仮に、コンビニで焼きそばパンとカルボナーラパンが並んでいたら私はカルボナーラパン一択だろう。
世界中のパン屋に告ぐ。もし、深く考えずに昔からあるからという理由で焼きそばパンを売っているんだとしたら、それは思考停止だ。今すぐにでもカルボナーラパンを作って食べてみて欲しい。調理パンのブルーオーシャンがここにある。それほどパンとの親和性に違いを感じたのであった。
というわけで、ありそうでなかったカルボナーラパンは味もちゃんとウマく、大当たりのB級アニメ飯と言える。食べていると、むしろ、焼きそばパンの方が王道になっていることに疑問を感じるレベル。正直、また食べたいと思うのだが、自分で作るのは微妙に面倒くさいのでミスドとかで売ってくれないかな。
・未来は明るい
スクールアイドルに挑むことでそれぞれの登場人物が自分の弱さと向き合っていく『ラブライブ!スーパースター!!』。現在は、新設校だった1期の初期メンバーが2年に上がり、新入生が入ってきている最中。
そんな中、新しい発想であるカルボナーラパンのウマさが2期の未来を暗示しているようにも感じた。かのんの笑顔は宇宙一。うぃっすうぃっすうぃっすー!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.