【そうなの?】本場韓国人が教える「韓国グルメに関する意外な事実」5選

ロケットニュース24

みんな元気セヨ! 第3次韓流ブームに伴って、今では日本のどの地域でも韓国料理屋さんを見かけやすくなった。韓国食材に関しても、私が日本に行って間もない頃はわざわざ新大久保のコリアンタウンまで遠征しないと手に入れられなかったが、今では「韓ビニ」などのお店で簡単に手に入る。

日本でもすっかり馴染んできている韓国グルメ、だが実は日本であまり知られていない事実がいくつかある。今回はその中で5つ紹介してみるのでみんなよろしくセヨ!


①タッカンマリは韓国でほとんど食べられてない

コリアンタウンに行っても売っている店が多いし、韓国旅行でも一度は食べてきたってよく耳にする「タッカンマリ」。名前を直訳すると「鶏一羽」という意味で、名前の通り鶏一羽を丸ごと野菜などと煮込んだ鍋料理だ。〆にはカルグクスという韓国式きしめんを入れ、ニンニク唐辛子などの薬味でいただく。博多名物「水炊き」と似てる料理だ。


実はこの料理、本場韓国人からすると普段そんなに食べることは多くないし、観光スポットを離れるとそもそもお店もそんなにない。10年ほど前に一瞬流行ったこともあったが、私も日本人の友達が韓国に来たときに付き合わされて初めて食べたくらいだ。それまで存在は知っていたが食べたことはなかった。


では何故こんなに有名になったのか? それはタッカンマリのお店の位置にある。タッカンマリはそもそもソウルの北のほうでしか食べられていなかった料理で、その辺に観光スポットが多いため外国人観光客が訪れやすい場所にあったのだ。


その結果、韓国料理なのに本場韓国人より観光に来た日本人の方が食べ慣れているという謎の状態となっている。ちなみに、韓国人は鶏料理ならサムゲタンやタッペクスクなどをもっと食べる。もちろん一番食べられているのは間違いなくフライドチキン。


②チャンジャと言っても韓国では通じない


日本の居酒屋でもいつの間にか浸透しているおつまみ、「チャンジャ」。日本語に直訳すると「内臓」という意味だ。塩漬けにしたタラの内臓にニンニク唐辛子などを入れてさらに熟成させたもので、韓国式の塩辛だ。


タラの内臓の代わりにタコを使ったものを「タコのチャンジャ」と言うほど、今では韓国式塩辛を意味することもある。韓国土産でも購入される方もいると思うが、こちらに関しては韓国で「チャンジャ」と言っても観光客向けの店でない限り通じない。理由はチャンジャという名前じゃないからだ。


チャンジャの本当の名前は「チャンナンジョッ」。なんだか人の名前みたいな感じだ。「チャンナン」はタラの内臓と意味で、「ジョッ」は塩辛という意味だ。合わせると「タラの内臓の塩辛」、そのままである。


チャンジャという名前は、チャンナンジョッのままだと覚えにくすぎるということで、輸出業者がつけた名前らしい。それがそのまま広まってしまい、今に至る。日本では酒のお供と大活躍中だが、韓国では日本ほど食べられておらず、どっちかと言えばご飯のお供で活躍中だ。


③キムチ冷蔵庫はキムチだけのためではない


キムチ大国の韓国ではキムチ専用の冷蔵庫がある──というのを聞いたことがあるかもしれない。最近は昔に比べてキムチを漬ける家庭も減りつつあるらしいが、キムチを長期保管するために生まれたキムチ冷蔵庫はまだ健在だ。


キムチは発酵食品であるため、温度に敏感だ。普通の冷蔵庫に入れておくと、温度が高すぎるらしく、発酵が余計に進んでしまう。キムチ冷蔵庫は温度調節で発酵具合を早く進ませるなり、遅くするなり管理ができる機能がある。


韓国ではこの温度調節機能を使ってキムチをベストな状態で保てるのはもちろん、普通の冷蔵庫よりも冷たくできるので、冷凍までは要らないけど長く保存したいものなどを入れておいたりする。ワインなどの酒類も温度に敏感だからキムチ冷蔵庫に保管することが多いとか。


ぶっちゃけ今では名前だけキムチ冷蔵庫で、実際はサブ冷蔵庫と言ったほうがピンとくるかもしれない。ちなみにだが、一人暮らしでキムチ冷蔵庫のある家で暮らしている人なんていない。キムチ大国でもキムチだけ食べてるわけではないんだ。


④韓国のフルーツ焼酎は日本で販売されている “あれ” が元


コロナで海外旅行に行けなくなった間、日本で流行っていた「渡韓ごっこ」。そんな渡韓ごっこにもよく使われていた「フルーツ韓国焼酎」は、韓国焼酎の代名詞化しているチャミスルや、チョウムチョロムなどのいろんなブランドから発売されている。


韓国で本格的にフルーツ焼酎が発売されたのは2015年で、ロッテ酒類が販売しているチョウムチョロムの傘下ブランド、「スナリ」シリーズとして発売された。発売と同時に大流行し、当時大学生だった私は帰国したときに初めて噂のフルーツ焼酎を飲み、こう思った。



これ鏡月やん。



私の調べによると、「ふんわり鏡月」はサントリーがロッテ酒類に委託して作られており、ふんわり鏡月の日本での売り上げがよかったので、韓国でも発売された形である。スナリシリーズの大流行でライバルブランドのチャミスルからもいろんなフルーツ焼酎を発売し、競い合ってきたのだ。


その後いろんなブランドからいろんなフレーバーが発売された。だが実はもう韓国ではフルーツ焼酎を含むフレーバー焼酎は前ほどの人気はない。ミントチョコ味やメロン味のアイスとのコラボ商品などと変わり種としてなんとか生き残っている感じだ。


⑤サムギョプサルはただの部位の名前


韓国焼肉の代名詞、「サムギョプサル」。韓国の飲み会定番メニューで、韓国で肉食いに行こう! ときたらサムギョプサルのことを指すことが大半だ。


日本でも韓国料理屋さんはもちろん、チェーンの焼肉屋さんでも食べられる。日本の焼肉屋さんでサムギョプサルセットなどを頼むと、豚バラ肉、サンチュ、サムジャン(焼肉用に調味された韓国味噌)というタレが出てくることが多い。


だが実は、サムギョプサルとはただの豚肉の部位の名称であり、サムは3、ギョプは層、サルは肉って意味だ。切断面が赤身、脂身、赤身の3層に見える三枚肉、つまり豚バラだ。


サンチュなどの野菜やサムジャンは韓国の焼肉屋さんだと席に座った瞬間から用意されるもので、どの店でどの肉を頼もうが一緒についてくるものだ。サムギョプサルだからついてくるものではなく、サンチュとサムジャンで肉をいただくのが韓国スタイルなのだ。


余談だが韓国本場の焼肉のほとんどは塩コショウの最低限の味付けのみで、タレ漬けこみの焼肉はどちらかと言えば主流ではない。最近は日本っぽいインテリアで日本っぽい焼肉のタレでいただくスタイルの焼肉屋さんも増えつつある。


・知ってたかな?

今回は韓国グルメに関する日本であまり知られていない事実を5つまとめてみたが、いかがだっただろうか。もし知らなかった人は、今度韓国料理屋さんに行く機会があったらぜひ話のネタとして使っていただきたい。それでは読んでくれてカムサハムニダ!

参考リンク:鏡月公式ホームページ
執筆:すんぴょんす
Photo:RocketNews24.

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