お菓子の景色を写生する(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

なんだこれ

絵を描くことにあこがれる。特に風景画だ。美しい景色を目の前にして絵筆をふるう。いい。

けれど、なかなか良い景色の場所って行くチャンスがない。仕方が無いので、身近にある、「良い景色」を写生した。

お菓子にプリントされている風景だ。

描くにいたった深い訳も含め、レポートします。

2006年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

お菓子の景色を写生する、とは

いささか唐突な今回の「お菓子の景色を写生しよう!」という提案、つまり、こういうことだ。

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こういったお菓子たちの
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ほら、この部分「いい景色」! これを描く

以前から気になっていたのだ。お菓子のパッケージにときどき見かける「いい景色」。これを写生しようというわけだ。

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まずはカントリーマアムからスタートしよう
なお、ベレー帽は等サイトのおかかえ似顔絵作家住すなお先生のものを拝借、スモックは子供用のものしか見つからずややきついです

なんでまた、屋内で写生なのか

そういったわけで順調に描き進む間、なんでまた屋内で写生(正確には模写なのですが)をしようと思いついたのかを聞いてください。

ことの始まりは、友人のお父さんなのだ。

長年会社員として仕事一筋できたお父さん、定年退職を機に油絵を始めたんだそう。ただしこのお父さんが筋金入りの出不精で、しばらくは自宅で静物画などを描いていらしたという。

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ひと休み、食べる

静止画だけで満足していたお父さんだったが、ある日油絵仲間の描いた風景画を見せてもらったところこれに大変心をうたれ、ぜひ自分も風景画を! と思い立ったのだそうだ。

ただ何しろ外へ出るのはおっくうだ、と。そこで考えたのが屋内での写生(しつこいですが、正しくは模写ですね)だった。

以来、主に観光地の絵葉書なんかを描いていらしたということだ。

ここまでが室内で風景を描くことになった友人のお父さんのきっかけであるが、この話にはまだ続きがある。

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そうこうしている間に完成! タイトル「カントリーマアム」
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続いて想像で彩色もしてみようと思います
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友人の父の話、その続き

ポストカードやら写真集やらを油絵にしていた友人のお父さんだが、時を経てある変化が起こっていたのだ。

ある日、実家を離れて暮らしている友人がお父さんのもとへ帰ったときのこと。1枚の油絵を渡されたのだそうだ。人物画である。

友人「あれ、お父さん珍しいじゃん、人物画なんて」
お父さん「うん。ちょっと描いてみた」
友人「お父さんの友達?」
お父さん「違うよ、クワタだよ。クワタ

クワタ……? 誰だろう、それは。

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彩色の時点で何度か失敗して書き直し。たまらず他のお菓子にも手を出す。そして、友人の父の話も続きます

戸惑う友人に、お父さんが差し出したのは1枚のCDだった。

お父さん「サザンの、桑田」

そう、ポストカードや写真集に飽きたお父さん、今度はCDのジャケットを描いていたのだ! よく見ると、確かにサザンオールスターズのCDジャケットにうつる桑田佳祐さんが描かれていたのだった。

ものすごい自由度である。

この話に胸を打たれ、「私だったら何を書こう」と考えてたどりついたのが、今回のお菓子パッケージだったわけである。

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話が終わったところで、こちらも完成しました。
タイトル「カントリーマアム」

できばえは

……。期せずして、私の考える「退職後の趣味」といった味わいの1枚となった。せめて額に入れたのも余計雰囲気をかもしてしまったか。

なんというか、うんぬん言うのが難しいので勢いでもう1作品描いてみたい。

はずせないお菓子、アルフォート

友人のお父さんがサザンオールスターズのCDジャケットを選んだように、私もこれはぜひと思うお菓子がある。

アルフォートである。「なんで、船?」と突っ込む知恵もまだない頃に人生に切り込んできたアルフォート。

思えばあれから今までずっと、相変わらずの船模様だ。なぜ。あ! もしかしたら、今日私に描かれるためだったのではないか。

壮大な勘違いと共に、写生しました。

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続いては、アルフォートを!
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印刷物写生ならではのズル

さて、アルフォート。やってみるとこれがずいぶん難しい。

ひとかけらを取り出してじっと見つめて描いていたのだが、カントリーマアムのときのようにパッケージではなく、チョコレートそのものなのでものすごくいい匂いがする。

ぱくっ。

しまった、うっかり食べてしまった。

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なにしろ、美味しそうなのだ

描きながら、もう3個ぐらい食べてしまっている。やばい、このままだとモデルがなくなってしまう。

しかも今回買ったのは「アルフォート ミニチョコレート」。通常のアルフォートよりもやや小さめで見づらい。これは失敗した。

どうにも描き進まず、奥の手を使うことにした。パッケージに掲載されているアルフォートの写真を拡大コピーしたのだ。

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これを見ながら描く

野外で船を見ながら描いていたらまさか描写大にコピーすることなんて無理なわけで。屋内写生、万々歳である。

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よぼよぼではあるが、描けた

さらに彩色。カントリーマアムのときは想像で色をつけたが、今度は見たままに色を塗ってみた。

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完成。タイトル「アルフォート」

何もいうな。私としては、「美味しそうな船の絵が描けた」という状況に満足である。

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クワドラスティーニという難しい名前の輸入菓子の景色は
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名前同様絵も難しかった。でもお菓子は美味しかったよ

実は、今回私の最も写生したかったお菓子のパッケージはロッテのチョコレート菓子「霧の浮舟」だったのだ(検索:霧の浮舟 チョコレート)。茶色いパッケージの中にうかぶ船の風景をご記憶の方も多いと思う。ザ・いい景色。

が、探してもない。慌ててロッテさんに確認したところ、現在は販売していないことが分かった。ショックだ。

ついでにぜひ再発を、とお願いしたところ、貴重な意見として担当に伝えてくださるということだった。もしいつか売り場で見かけたら、ぜひ描いてみたいと思います。

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最終的に額縁に入れたのは、拡大コピーしたアルフォート

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