牛丼にチーズを乗せて食べる、チーズ牛丼(以下 チー牛)。はっきり言って、この言葉は実質的に すき家のためにあるようなものだった。チー牛と言えば すき家。
どこの牛丼だろうと、オプションなりセルフでチーズをブチ込めば、一瞬で作成できるスタイルではある。しかし完成品をグランドメニューに常備しているのは すき家だけだった。
だが、ついに松屋が「たっぷりチーズ牛めし」と「キムチーズ牛めし」をひっさげてチー牛業界に参入! となれば、両者の激突は不可避。食べ比べてみるしかねぇ!!
・チー牛
今さら すき家のチー牛についての説明は不要だろう。ということで、まずは松屋のチー牛の詳細を。販売は2022年5月31日の午前10時から。「たっぷりチーズ牛めし」と「キムチーズ牛めし」の2種展開だ。
お値段は「たっぷりチーズ牛めし」の並盛が550円で、「キムチーズ牛めし」の並盛が590円。サイズ展開はどちらも小盛から特盛まで幅広く用意されているぞ!
今回はあくまでチー牛同士の違いを見極めたい。ということで、選んだのはベーシックな「たっぷりチーズ牛めし」。すき家は言うまでも無く「とろ~り3種のチーズ牛丼」だ。ボリューム的な面を考慮して、どちらも一番小さいサイズをテイクアウトでオーダー。
まずはチー牛界のレジェンド、すき家のチー牛。ご飯の上にダイレクトに具が乗って渡されるスタイル。
そしてこちらが期待のニューカマー、松屋のチー牛。ご飯と具材は分けられている。
・三位一体の すき家
決定的な両者の違いは、箸をねじ込んですぐに明らかになった。まず、すき家のチー牛は、こんな感じでチーズが細く裂けて伸びる。
すき家のチー牛には、正式名称の通り3種のチーズが使用されている。店員さんによると、エグモント、レッドチェダー、そしてモッツァレラだそう。この3種が混ざり合った結果、細く裂けるように伸び、ご飯と肉によく絡むチーズに仕上がっているのだろう。
実際に食べてみても、どことなく液体のようなシャバシャバした口当たりで、風味はマイルド。チーズ、牛肉、ご飯、それぞれの味が同じくらいの強さでバランスよく存在している。まさに三位一体を成し遂げたチー牛。
・脳筋パワー型な松屋
対する松屋のチー牛は全てが繋がったまま、太く伸びる感じ。
これは、松屋のチー牛が100%ゴーダチーズだからだろう。この伸び方から察せられる通り、口あたりもハードでコッテリ感が強い! 風味も濃厚だ。道をあけろ! チーズだぞゴルァ!! みたいな脳筋ゴリラ感のあるチー牛。
これはこれは。思っていたより両者とも全くの別物で、明確な勝敗がつけがたい。
・テイクアウト耐性は すき家
しかし、ことテイクアウトとの相性に限っては、すき家に分があるように感じた。松屋のパワー型なチーズは、温度が少し下がっただけで、肉ごと固まってしまうのだ。チーズで一体化した具材全てを箸で摘まみ上げることができるレベルでパワー。
すき家は若干温度が下がっても、どうということは無い。
無論、温めなおせばどちらもすぐに復活する。些事と言えなくもない差だが、しかし食べやすさに影響がある要素なのは確か。いちおう触れておくべきだろう。
ということで、味とは別の分野での勝敗はつけられそうだが、食べ応えや味の分野では混迷を極めている。はっきり言って、マイルドなミックスチーズが好みか、それとも濃厚なゴーダチーズが好みかで選んだ方が早いだろう。
これはもはや、全国のチー牛ファンたちに自ら食べに行ってもらい、ジャッジはその反響に任せるしかなさそうだ。みんな、是非とも近所の松屋で試してみてくれ!