民間人だけでISSに向かう初の宇宙ミッション、動画で見てみよう!

GIZMODO

すごい時代になったものです。

民間人だけで国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう初の有人ミッションが、4月9日にフロリダ州のケネディ宇宙センターで実施され、クルーを乗せた宇宙船の打ち上げが無事成功しました。

4人のクルーはすべて民間人

民間人で構成されたクルーを乗せた「Crew Dragon(クルー・ドラゴン)」宇宙船は、SpaceX(スペースX)の「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットによって打ち上げられ、地球低軌道(LEO)での10日間のミッションのうち8日をISSにて過ごします。Axiom Space(アクシオン・スペース)が運営する「Ax-1」ミッションは、宇宙開発の商業化における重要なステップであり、またLEOにおける政府の宇宙機関(NASA)が後手に回っていることを示すサインでもあります。

しかし、今回のミッションでも、NASAは射場(ケネディ宇宙センター第39A発射台)を提供するだけでなく、ISSにおいても重要なパートナーとなっています。老朽化したとはいえ、ISSが地球低軌道における実験や試験の唯一の場であることに変わりはありません。

[embedded content]
Video: SpaceX / YouTube
[embedded content]
Video : NASA / YouTube

Ax-1の打ち上げは、素晴らしい晴天の下、東部夏時間9日午前11時17分(日本時間午前0時17分)に実施され、アクシオンのウェブサイト、NASA TV、SpaceXにてライブ中継されました。実際の打ち上げの模様は、上の動画からどうぞ!

クルー・ドラゴンに乗り込んだのは、元NASAの宇宙飛行士でアクシオンの副社長を務めるMichael López-Alegría司令官、Larry Connorパイロット、ミッションスペシャリストのEytan Stibbe氏とMark Pathy氏です。

前日に行われた打ち上げ前の記者会見にて、アクシオンのオペレーションディレクターであるDerek Hassmann氏は「クルーはとても元気で、準備も整っている」と語っています。また、NASAの商業地球低軌道プログラムのマネージャーであるAngela Hart氏は、「このミッションは、地球低軌道のビジネスを発展させるというわれわれの計画において、重要なマイルストーンとなる」と述べています。さらにスペースXの有人宇宙飛行プログラムのシニアディレクターであるBenjamin Reed氏は、「このミッションは人類が宇宙を利用する文明を築くために必要だ」と述べています。

将来的にはアクシオンの自社ステーションも建設

今回のミッションの優先事項は、早ければ来年にも始まるアクシオンの宇宙ステーション建設の準備を進めることです。当初、宇宙ステーションはISSのハーモニーモジュールに取り付けられる予定ですが、2030年までには地球の周りを単独で飛行する予定です。

NASAの国際宇宙ステーションのサブマネージャーであるDana Weigel氏は記者に対し、「このプロジェクトは民間人が参加する他のプロジェクトとは異なり、宇宙飛行士の安全性とミッションの有効性を確保するための、広域なトレーニングを実施している」と述べています。

「Ax-1のクルーを宇宙飛行士と呼ぶのは間違いである」と、Hassmann氏。「われわれのクルーは写真を撮影したり、キューポラから外を眺めて8日間を過ごすわけではない。彼らには研究指向のスケジュールが用意されており、非常に忙しくなることだろう」と述べています。実際、宇宙飛行士はアクシオンの宇宙ステーションのベースの設定だけでなく、老化、癌、幹細胞、脳の健康に関係する医療/健康実験を行う予定です。

Ax-1ミッションは4月16日午後10時ごろに終了し、メキシコ湾へと帰還する予定です。