レオナルドダ・ヴィンチの存命の子孫、1歳から85歳まで計14人いることが判明

GIZMODO

天才の遺伝子は今も現世に受け継がれていた。

歴史に名を馳せる天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの家系図を再解析した結果、690年に渡る21世代の男系家系図ができあがりました。そして、遺伝子を受け継ぐ存命の子孫が14人いることが最新の研究でわかりました。

ダ・ヴィンチの子孫は14人が存命

学術誌「Human Evolution」で7月4日付けで公開されたされたこの論文は、実は1970年代初頭から続く(な、長い…!)、ダ・ヴィンチ研究プロジェクトの一貫で、イタリアの美術史学者のアレッサンドロ・ヴェッツォシ(Alessandro Vezzosi)氏と、アグネーゼ・サバト(Agnese Sabato)氏によって主導されています。この調査結果は、ダ・ヴィンチ一族の生前・死後の遺伝子データと相互に照合され、レオナルド自身にも新たな光が当てられる可能性もあるとのこと。

ルネッサンス期に活躍した、歴史上最も有名な芸術家、建築家、発明家であるレオナルド・ダ・ヴィンチは婚外子として1452年4月15日に生まれ、ダ・ヴィンチ自身に子どもはいませんでしたが、少なくても22人の異母兄弟がいたそうです。研究チームは新たに入手した史料をもとに、1331年に誕生したひいひいひいおじいちゃんのミケーレ(1世)までの男系を辿ることができました。新たに再構築された家系図では、レオナルドの父であるセル・ピエロと異母兄のドメニコから大きく5つの系統に分かれています。研究チームによって、21世代にわたる男系家系の調査を行ない、14人の存命の子孫(最年少はたった1歳)が存在することが確認されました。

「ダ・ヴィンチの子孫らは、1歳から85歳まで、ヴィンチ村ではなく、ヴェルシリア(トスカーナ州の海岸)までの近隣地域に住んでいて、事務員、測量士、職人などの普通の仕事をしています」と、研究メンバーのヴェッツォシ氏はイタリアのニュースサイト「Ansa」で明かしています。

同じ研究チームは、5年前にも存命する35人の親族を特定、その中には女系も含まれていましたが、そのほとんどが直系ではなかったとガーディアン紙は報じられていました

今回の研究では、男系子孫だけに受け継がれるY染色体を使った遺伝子解析が行なわれていて、研究要旨には、

「苗字のように男系の子孫は、戸籍の歴史と生物学的な歴史を別々の系統に沿って結びつけている。このため、約700年にわたる現在の系譜は、(存命の子孫や古墳を通じて、時間による僅かな変化があるとしても)分子生物学の最も先進的な技術を用いてレオナルドのYマーカーの復元の確認をするために、Y染色体が途切れずに受け継がれていることを検証することができる。

と記載されています。さらに、もしレオナルド・ダ・ヴィンチのY染色体が復元・確認することができれば、彼の家族の出生地の起源や遺伝子の健康状態、さらにはシナスタジア(共感覚)の存在などについて新たなインサイトを得ることができるかもしれません。理論的には、ダ・ヴィンチの生物学データがあれば、彼の芸術作品の真正性を検証するのにも役立つかもしれないとのこと。

ダ・ヴィンチの遺骨はニセモノかもしれない

レオナルド・ダ・ヴィンチは、1519年に逝去し、フランスのアンボワーズ城のサン=フロランタン教会に埋葬されましたが、この教会はフランス革命時に破壊され、その後遺骨は、サン=ユベール礼拝堂に移されたとされています。が、その遺骨が本物かどうかは実は不明なのです。

今後数ヶ月をかけて彼の存命の親族のDNAが解析予定で、それによって天才の遺伝子に関する新しい発見が生まれるかもしれません。

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