テキサスの山火事、衛星からも煙が見えるほど深刻に

GIZMODO

山火事は夏に起こるものだと思っていたのが遠い昔のよう…。

テキサス州の消防士が山火事の消火作業で多忙を極めています。規模の小さなものまで含めると、3月末までに700件以上の火災が発生しており、一部の火災から立ち上る煙は、衛星でも確認できるくらいなんです。

東京23区の80%にあたる面積が焼失

Image: Texas Wildfire Incidents Response System

テキサスA&M大学の森林サービスの報告によると、記事執筆時点(3月30日)で発生中の火災は12件(地図上の赤い丸)あり、焼失面積は12万7000エーカー(514平方キロメートル=東京23区の80%の面積)に及んでいます。3月に発生した火災は726件で、664平方キロ(東京23区とほぼ同じ面積)を焼いているそう。テキサス州の面積が日本の1.8倍あるといってもこれは大きい……。

現在、テキサス州の約90%が干ばつ状態で、40%は厳しい干ばつ見舞われており、サンダーストームが一時しのぎの雨をもたらすことはあっても、乾いた強い風によってあっという間に火災が広がってしまうため、消火活動が追いつかない状態のようです。グレッグ・アボット州知事は、最初の災害宣言後にも度々宣言を更新し、州民に注意を呼びかけています。

延焼中の火災で最も大きいのは、州北西部のEastland Complex火災で、焼失面積は5万4500エーカー(221平方キロ)に達しています。30日時点で90%まで火災を封じ込めたそうですが、今週末まで続くと予想される乾燥した強風によってさらに火災が拡大する可能性があるとのこと。

同火災では、Eastland郡の副巡査部長が避難を呼びかけている際に交通事故で亡くなったそうです。また、この火災によって、人口272人の小さな町で少なくとも50棟が全焼しました。ある住民はローカルニュース局に対し「母親の写真しか残っていない、ゼロからやり直しだ」と話しています。

同郡のレックス・フィールド判事は、記者会見で町の被害の様子について「まるで月面のようです」と述べています。

干ばつも火災もまだ続きそう

深刻なことに、米海洋大気局(NOAA)はテキサス州を含む米南西部から西部、北西部にかけての干ばつは今後さらに深刻化すると予想しているんですよね。山火事についても、テキサス州からオクラホマ州にかけて発生する可能性が高いといわれています。州民の訳者としてもとても心配です。

Reference: Texas Wildfire Incidents Response System, CNN (1, 2), Office of the Texas Governor, NOAA