バイス・メディア・グループ(Vice Media Group:VMG)のデジタル部門は、ほかの多くのデジタルメディアと同様、広告収入がその収益の大半を占めている。また多くのメディア企業と同様に、VMGのデジタル部門は収益の多角化を推進している。
「2024年には広告収益が全体の3分の1、コマースが3分の1、消費者が3分の1になることを目標としている」と、VMGの最高デジタル責任者であるコリー・ハイク氏はDIGIDAYポッドキャストの最新エピソードで語っている。
彼女はその目標が「我々にとって野心的なものである」ことを認めたが、黒字となっているVMGのデジタル部門が、この目標に向かって、すでに少しずつ前進していることを語った。昨年同社は、レックルーム(Rec Room)と呼ばれる新しいコマースバーティカルをデビューさせ、ゲーミング分野のメディアであるウェイポイント(Waypoint)のためにサブスクリプション製品ウェイポイント+(Waypoint+)を導入した。インタビューのなかで彼女は、ファッションやカルチャーに特化したi-Dのような新しいサービスにアフィリエイトコンテンツを展開したり、ニュースコンテンツに読者の寄付オプションを追加したりするなど、VMGがこれらの初期の計画の上に構築していくさまざまな取り組みについて話した。
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「当社の収益は主に広告収入だが、それを広げている。そして、我々は多角化に非常に強気で、それに注力している」とハイク氏は言う。
以下、会話の要点をいくつか紹介する。内容は、わかりやすくするために編集が加えられている。
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コマースの基盤の獲得
「我々は(リファイナリー29[Refinery 29])の買収を行ったが、この買収の大きな戦略的理由は彼らのコマース能力にあった。リファイナリーのショッピング分野バーティカルである、モストウォンテッド(Most Wanted)は4年の成熟期を経て、主にアフィリエイト・ショッピング・コンテンツによる収益を前年比で倍増させ続けている。レックルームはほぼそれを基に作られた。枠組みは同じで、非常にオーディエンスを前面に押し出したものだ。11月は、レックルームとモストウォンテッド全体でこれまでで最高の収益を上げた月だった。事実、その月のアフィリエイト収益は前年比3%増だった」。
バイスが持つバーティカルのより多くにアフィリエイト事業を拡大
「我々は記事を書くこと、アフィリエイトコンテンツを行うことに力を入れ続けている。バーティカルが持つサブバーティカルに隣接した分野では、我々のブランドは説得力を持っている。i-Dでのアフィリエイトを開始する。我々はこれを一種の没入型高級ショッピングの世界だと考えている。それを可能にするために、すべてのブランドでサイトの再設計を行う予定だ」。
ニュース分野:消費者からのダイレクト収益プロダクトの追加
「ニュースの面では、チップジャー機能、つまり寄付機能をローンチする予定だ。これがどういう結果を生むか、注目したい。『もしこれが有料の製品だったとしても、お金を払うだろう』と多くの人が言ってくれている。そこで我々は、チップジャー機能から始めようと考えた。この機能は今後数カ月以内に開始されるだろう」。
ストーリーズ・スタジオ(Stories Studio)を外部のクリエーターに開放する
「我々は、(バーティカルコンテンツ制作のためのプロダクトであるストーリーズスタジオ[Stories Studio]が)クリエイターエコノミーのツールになるだろうと期待している。このツールを使って、我々が知っている、あるいは知らないクリエイターたちが我々のネットワークに接続して、我々が現在持っているプラットフォームを彼らに提供できると考えている。これについては、第2四半期でのローンチが実現する見込みだ」。
TIM PETERSON(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)