大学生が月8万円で暮らす方法 – PRESIDENT Online

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私立大学生の平均仕送り額が8万円台というデータがある。それで生活できるのか。ライターでFPの西山美紀さんは「何もかも切り詰めると失敗する。支出にメリハリを付けることが大切だ」という――。

女性教育コイン※写真はイメージです – 写真=iStock.com/Photobuay

私大生の「平均仕送り額」は8万円台

この春から大学生になり、初めての一人暮らしに期待と不安が入り混じった、複雑な感情に胸がいっぱいになっている人もいるでしょう。

その不安の中には、「お金」の問題もあるのではないでしょうか。東京私大教連が実施している「私立大学新入生の家計負担調査」によれば、2020年度の平均仕送り額(「6月以降(月平均)」)は8万2400円でした(※)。2020年はコロナ禍の影響も考えられますが、2019年度の平均仕送り額は8万5300円、2018年度は8万3100円と、8万円程度の仕送り額であることは変わりません。家賃の平均額(2020年度)が6万4200円であることを踏まえると、厳しい中でやりくりをする必要がありそうです。

※自宅外通学者の3割が無回答。同調査では「コロナ禍で遠隔授業となったことから、学生が自宅で授業を受けているため仕送りをしていない家庭が一定数あることが父母の声から推測される」としている。

何かとお金がかかる一人暮らしですが、上手に支出を抑えて楽しく暮らしている人もたくさんいます。そこで今回は、大学生の一人暮らしで、月8万円の仕送り(または資金)で上手にやりくりする方法についてお伝えします。

「我慢、我慢の日々」では失敗する

まず、知っておきたいことが、使えるお金が限られているときに、成功するケースと失敗するケースがあることです。

失敗するケースは、支出を何もかも切り詰めて、我慢、我慢の日々。でも結局節約することに疲れて、友達からお金を借りたり、カードローンなどの借金をしたりするようになるケースです。クレジットカードを持っている人は、リボ払いを考える人もいるでしょう。

友達にお金を借りることは、良好な友達関係を築くためにはできる限り避けたいことですし、カードローンやリボ払いでは、手数料が大きくかさんでなかなか返済できなくなるうえ、身の丈以上にお金を使うクセがつき、借金が膨れ上がって生活を立て直せなくなるおそれがあります。

一方で、成功するケースとは、支出にメリハリをつけて、無理なくそのペースを続けていけるケースです。

お金とは一生のお付き合いになりますので、「節約は自分には無理だから、やめた!」と投げ出したくなるほどの我慢は禁物。長続きすることがマストですので、抑えるべきところは抑える、使うべきところは使うというメリハリを大事にしていきましょう。

節約記事の話を鵜呑みにしない

最近は節約関連の記事を見かけることが増えているでしょう。「食費をこんなに切り詰めている人」「極限まで物を買わない生活」といった内容を見て、「うわっ、無理……」と思う人もいるかもしれません。それでOKです。誰かの節約術をそっくり真似する必要はありません。

食費が驚くほど抑えられている人でも、実は実家からお米や野菜が送られていたり、そもそも食に興味がなかったりという場合もありますし、一方で食材を上手に小分け冷凍する達人だったりと、その理由は人それぞれです。

蒸し熱いご飯※写真はイメージです – 写真=iStock.com/flyingv43

自分にとって無理がなく、長続きしやすい節約法を選んでいきましょう。

続いて、どんなポイントで支出を考えていったら良いかをお伝えします。

家賃3~5万、水道光熱費1万円以内、スマホ代3000円以内…

支出のメリハリは人それぞれとはいっても、ある程度のイメージを知りたいという方も多いと思います。月8万円でやりくりする場合、うまくいっている人は、例えばこんな内訳です。

家賃…3~5万円
水道光熱費…7000~1万円
通信費(スマホ代)…1000~3000円
食費・外食費…1万8000~2万5000円
その他…1万~2万円

これはあくまでも目安です。寮生活で家賃が抑えられている場合や家賃が高めでそれ以外を抑える場合など、各費用は増減があるでしょう。ですが、トータルの金額が、自分の使えるお金を超えないことが大切です。

まずは「家賃・水道光熱費・通信費」を引き締める

では、節約ポイントを見ていきましょう。一人暮らしの3大固定費ともいえる「家賃」「水道光熱費(電気代)」「通信費」を確認します。ここを上手に引き締められれば、食費・外食費や、その他(洋服や美容、遊び、趣味等)の費用を増やすことができます。

(1)固定化する「家賃」は事前に吟味

家賃は支出で大きな金額を占めるので、慎重に考える必要があります。「やっぱり家賃が高いから引っ越そう」と思っても、引っ越し代や手間などもかかり、現実的ではないことも。事前の綿密なリサーチが欠かせません。

若いカップルを新しい家に導く女性不動産業者※写真はイメージです – 写真=iStock.com/recep-bg

急行電車が停まらない駅付近や、駅から遠いエリア、バス利用が必要なエリアは家賃が安めですし、築年数や部屋の間取りや窓の向きなど、希望条件を緩めることで安くできます。

おすすめは、そのエリアに住んだことのある人に聞いてみること。「○○町は一般的には名前が知られていないけれど、実は住みやすくて、家賃が安め」といった情報が得られるかもしれません。

また最近は、費用を抑えるためにシェアハウスを利用する声も聞きます。女性なら女性専用のシェアハウスを選ぶのもいいでしょう。

ただし、セキュリティも非常に大切ですし、数年間は同じ場所に住み続ける可能性が高いので、事前のチェックはぬかりなく。昼間だけでなく、平日や土日の夜間にも周辺状況や帰宅経路を確認して、安全かどうかを見極めてみてください。

「スマホ代、月1万円以上」は変えられる

(2)「電力会社の見直し」も選択肢

電力自由化により、電力会社を選べるようになりました。「エネチェンジ」「価格.com電気料金比較」などの比較サイトで、電気代の比較から申し込みまで可能です。

「夜に電気をよく使う」などといった生活スタイルに合う電力会社やプランを選ぶと、電気代を下げられるかもしれません。乗り換えは、基本的には無料でできますし、マンションやアパートでも一般的には他の電力会社に乗り換えが可能です(一部NGの場合もありますので、念のため管理会社等にご確認ください)。

筆者も数年前に電力会社を乗り換えました。電気の使い心地はまったく変わりませんが、月数百円は安くなっています。

月200円でも300円でも電気代を抑えることができれば、その分自由に使えるお金が増えるので試す価値はあると思います。

(3)スマホ代は1000円程度まで下げられる

大きな支出になりがちなのが、スマホ代です。すでに格安スマホ(格安SIM)に乗り換え済みで、月のスマホ代は1000~3000円ほどという人が増えている一方で、月1万円以上の話もまだまだ聞きます。

格安スマホというと、手続きがネットだけと思い込む方も多いのですが、例えばドコモからahamoにする場合は、店頭有償サポート(3300円)を利用すれば対面で相談しながら進めることもできますし、大手キャリアの別ブランドのワイモバイルやUQモバイルのほか、格安SIMでも店舗や家電量販店で相談ができるサービスは複数あります。

格安スマホや格安SIMに乗り換えた人から、「なんで早く乗り換えなかったんだろう」という声は何度も聞きますが、「乗り換えなければよかった……」という声は聞いたことがありません。まずは費用とサービスの差を店頭で確認してみるところから始めてみてください。

また、実際に乗り換えた人は「友達や知り合いの人が乗り換えていいと言っていたから」というきっかけだった人も多いよう。身近に乗り換えをしている人がいれば、体験を聞いてみると心理的ハードルが下がると思います。

また、格安SIMなら、月1000円程度に下げることも可能です。端末代が高いという方は、「にこスマ」「ゲオモバイル」などの中古スマホも人気ですので、チェックしてみましょう。

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