東海道線 静岡県内の駅に全部降りて観光する 城とお茶編 西焼津駅~掛川駅

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東海道線の静岡県内の駅に全部降りて見どころを探す旅、焼津駅で宿泊し、いよいよ旅は後半戦に。今回は西焼津駅からスタート。

 東海道線 静岡県内の駅に全部降りて観光する 

西焼津駅:城の面影が区画に残る町

いよいよ2日目。旅といえば朝ご飯を食べてチェックアウトまで部屋で二度寝~というのも捨てがたい醍醐味だが今回はそうは行かない。眠い目をこすりつつ、ちょっと出発が遅れてしまったので駅まで走って電車に飛び乗った。朝から焦り具合が昨日と変わっていない。

飛び乗ったのも束の間、すぐに隣駅に到着。西焼津駅だ。

6:58西焼津駅。シャッターのタイミングが悪く完全にまだ寝ている写真になった。

事前調査で西焼津駅周辺に何かないか地図を見ていたら明らかに周りとは道路のかたちが違う一画があり気になっていた。中心には田中城跡とあり、どうやら城の名残がそのまま区画に表れているようだ。

駅から少し遠いがどうやら近くまで行くバスもありそうなのでここに行こうと決めていたが、ここで年末の制裁を受けることに。

乗りたかった五十海大住(いかるみおおずみ)線がこの日(12/30)から運休しているだと?

路線名がやたらとカッコいいのはさておき、このバスに乗るために早起きしたのになんということだ。他の見どころ探すか…でも田中城跡は見たいしな…と少し逡巡したが、もはや悩んでいる時間ももったいないので素直に駅前に止まっていたタクシーを使うことにした。

これルール違反か!?と思ってしまったが、よく考えたらたぶんこの競技をしているの俺一人なので問題ないし、勝手に追加ルールを課そうとしていた自分が怖い。そのうちズボンの幅とか測り始めそう。

というわけでタクシーであっという間に到着。田中城本丸跡。

本丸の跡は現在小学校になっていて学校の敷地内にはお城のジオラマ模型も置かれていた。校内なので写真の掲載は控えるが、外からも見える場所にあったので柵の向こうからまじまじ見てしまった。

通ってる学校が元お城ってめちゃくちゃいいなー。でも校長先生が朝礼で「えー、わたくしも一国一城の主として…」みたいなこと言ってたらいやだな(たぶん言わない)。

四重のお堀に囲まれた堅い守りがあったことから亀城とも呼ばれる田中城。背景にうっすら入っているのが学校の敷地内にあったお城のジオラマです。

で、気になっていた道路の形だが、これは天守閣の周りに張り巡らされていた四重のお堀がそのまま道路として整備されたものである。実際に歩いてみると地図で見るほどの曲がり具合は感じられないものの連続するゆるやかなカーブに興奮しっぱなしだった。

左下のイラストの一番内側の堀以外が道路になっている
この美しいカーブ!田んぼもきっちり曲線で作られていて惚れ惚れする
手書きみたいなゆるっとした曲線がお堀を想起させる
お堀はなくなったとはいえ、どの道にも水路が沿っていてこれも往時をしのばせる
そんな道の途中にお堀の残骸として池が残されてたりして歩いていて飽きない

このままいくとこのお城だけで一本短い記事が書けてしまいそうなのでこのくらいにしておくが、気付いたら一時間近く散歩していた。タクシー乗ってまで来た甲斐があったし、個人的には好きな城の3番目くらいにランクインしてきた。松本城、松山城、田中城。

筋トレしている松も見つけた。これで枝ぶりを調整しているのか?

さて、次は藤枝駅だがここからだとバスを使った方がよさそうだ。この路線は年末年始も走っているようなのでひと安心。

でも書いてある時刻表とは違う特別ダイヤでけっこう待ってしまった。やばい!

藤枝駅:マルナカの朝ラーメン

藤枝駅を含めた通称「志太地域」には朝ラーメンという独自の文化がある。このあたりはお茶の仕事でまだ暗いうちから仕事をする人が多く、仕事帰りの腹ごしらえとして朝からラーメンを提供するようになったのがはじまりだ。

この文化の発祥でもあるラーメン屋「マルナカ」が駅に向かうバスルートの途中にあるので寄ってみたい。

駐車場は車で満杯。行列も出来ているが朝ラーメンはぜひ食べたい…

既に田中城散策とバス待ちで時間をロスしており時間が不安ではあるが朝ラーメンはどうしても食べたかったので行列に並ぼう。

並び始めて30分、朝ラーメンがやってきた。

これが元祖藤枝の朝ラーメン。魚介系の醤油ベースのスープが染み渡る。

朝から食べても重くないさっぱりしたスープと太すぎず細すぎずのちょうどよい太さの麺がよく絡んで美味しい一杯だった。

ただ藤枝の朝ラーメンはこれだけではない。

二杯目ドーーン!!(先に来ていたラーメンちょっと食べちゃった)

なんと温かいラーメンと冷たいラーメンを2杯セットで食べるのが藤枝流なのだ。実際、店内でも多くのお客さんが2杯並べて食べていた。朝とは思えないボリュームだ。しかも食券買う時に勝手がわからず温かい方を(大)にしてしまったのでなおさらである。

温かいラーメンと冷たいラーメンを交互に食べる感覚はすごく新鮮で食べながら思わず笑ってしまった。温まった口の中に冷やしが入ると口がキュッと締まり最初は口と胃がびっくりしていたが、食べ進めるとだんだん慣れてきて、最終的にはサウナと水風呂の交互浴のごとく「整って」しまった。

温と冷で身体をシャキッとさせて今日も一日頑張ろう!と思わせてくれる「朝ラーメン」の名にふさわしい1杯、いや2杯だった。

9:54藤枝駅。バスで駅に着くころにはもう10時近い。2駅で3時間も使ってしまった!

六合駅:新里芋

本当に時間がなくなってきたので急ぎ足で先に進もう。次は六合駅。ここも事前調査では何も見つけられず。

10:08六合駅。ここから島田市に突入。

時間もないので次の電車に乗りたい。駅前で何かないか…

駅前には郵便局。片三角屋根がかわいい
その入り口では里芋の無人販売。里芋にも新があるんだ。
あと駅のトイレマークの人が細かった。もっと食べた方がいいよ。里芋とか。

というわけで六合駅は新里芋ということで次にいかせてください。

島田駅:ギネス認定の蓬莱橋

六合駅には申し訳なさを感じつつ、次なる駅は島田駅。静岡といえばお茶というのは全国的に知れ渡っているが、その中でも特にお茶を推しているのは島田市であり、この島田駅なのだ。

10:22島田駅。島田といえばお茶、覚えて帰ってください
なんてったって「地球上でもっとも緑茶を愛する街」なのだ。地球上ってすごい。
駅全体にラッピングされていたデザインもすごく好きだった。トコナツ歩兵団というクリエイティブチームが担当しているみたい。

 そんなお茶の街には世界一長い木造歩道橋としてギネス記録にも認定されている蓬莱橋があるのでそれを見てみたい。歩くと少し距離があるが、レンタサイクルがあるので自転車で向かおう。

北口の駐輪場で借りることができます
ゴミ収集車もお茶。消臭効果ありそう

自転車を飛ばすこと10分弱で蓬莱橋に到着した。全長897.4メートルの世界で一番長い木造歩道橋だ。

長い!!
長すぎる~~!!

約900mと聞くと「あ、そんなもの?」と思ってしまうが実際に目の当たりにするとかなり長い。だいたい1kmと考えるとやっぱり長いか。せっかくなので全部渡ってみよう。

柵は膝くらいまでしかないので下をのぞき込むのはけっこう怖い

時間もないので軽く走って渡ったがなかなかゴールが近づかない。橋の上ではずっとほぼ同じ景色が続くのであんまり前に進んでいる感じがしないのだ。あと木造なので走るとそれなりに軋む音も聞こえてけっこうスリルがある。

長い&怖いだけ聞くと地獄みたいな橋だ。

なんとか渡りきるとテントの商店が並んでいて一気に現実に引き戻される感じがある
でも振り返ると空模様含めて夢みたいな光景。今渡ってきたのは三途の川か?

たぶん焦る気持ちが地獄を連想させただけで、ゆとりのある気持ちで渡ればちゃんと天国なはずだ。橋の入り口にあった茶屋でお茶の飲み比べも出来たので、また時間のある時にゆっくり来てみたい。

離れ小島の塀にもきっちり取り付けられた飾りが可愛かったので置いておきます
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金谷駅:旧東海道の石畳

次の金谷駅には駅のそばに旧東海道の石段が残っているというのでそこを見に行きたい。

画像31.JPG
11:28金谷駅。お茶を飲んでいるつもりです

駅から歩いて10分ほどで石畳の入り口に到着。石畳&急な上り坂でかなり歩きづらそうな道だ。昔の人はこんな道を通って街の間を行き来していたと思うと本当に大変だ。

手前の舗装の歩きやすさに現代人でよかったと思わずにはいられない
写真の撮り方をミスって全然急に見えないがこの5倍くらい急だと思ってください
こんな顔になるくらい辛い。だれもいなかったのでさすがにマスクをずらした
途中にあるすべらず地蔵に受験生でなくてもお参りしたくなる。いや、本来はそれが正しい参り方なんだけども。

ちなみにこの石畳は600mほど続いているが、実際に当時の石畳が残っているのは30mほどで残りは地元町民の手で復元されたものらしい。すべりやすい道をあえて復元してそこに「すべりませんように」とお地蔵さんを祀るというのもおかしな話だが、そう考えると逆に石畳自体のエンターテインメント性があがる気がして楽しくなる。

なんか小難しいことを言ってしまったが、要は飛脚すげぇ!ってことでいいと思います。

石畳を抜けた先には日本最大のお茶栽培地域が広がっていて気持ちいい!

 菊川駅:そろそろお茶を飲みたい

島田駅での蓬莱橋往復、金谷駅での石畳往復でどっと疲れてしまったので次の菊川駅では満を持して美味しいお茶を飲みたい。

12:16菊川駅。ちょうどお昼時なのでお茶とランチがないものか。

実は事前に目星を付けていたお店がある。「sangrams」というお茶が味わえるカフェだ。Instagramみたいな名前だしおしゃれそう。

駅から徒歩5分ほどのところにあるが、あれ、まさか…?
閉まっとるやんけー!!またもや年末年始の制裁だ

目当てにしていたお店が休業していた。仕方がないので近くに他のお店がないか探してみよう。

駅前におしゃれな通りがあったが全然店がやっていない。というか人がいない。
お、これは登録有形文化財になっている製茶工場の赤レンガ!しかしお茶は飲めない…
駅前のいかにもお茶に関係ありそうなビルに入っているのはパフェ&サンドイッチのお店…まぁここもやっていないんだけど。

探し回ったが全然お茶の気配がない。菊川は「深蒸し茶の町」らしいのでちゃんと腰を据えて蒸さないと提供できないよ!ってことなのだろうか。駅とかで軽くテイクアウトできるとかでは深蒸し茶の町のプライドが許さないのだろうか。

仕方がないので駅に戻ってきた。そうそうその菊川茶はどこにあるのよ!!
どこにもないので諦めておーいお茶を買った。さすが緑茶飲料販売実績世界No.1

いつかお茶リベンジを果たしたい。待ってろ菊川!

 掛川駅:駅から見る掛川城

気を取り直して次は掛川駅だ。それなりに大きい駅かなと思いきや思ったよりはこじんまりとした味のある駅だった。

12:42掛川駅。木造で温かみのあるいい駅舎だった。
掛川もお茶推しだが【「静岡の茶草場農法」のあるまち】というニッチさよ

 掛川といえばやっぱり掛川城かな、ということで早速向かおうとして気が付いた。

駅から見えるじゃん!

本来であれば間近でみたいところだが、超絶タイムイズマネー状態なので致し方ない。むしろ駅から見えるなんてお得!と考えたい。

せっかくなのでもう少し寄りの写真もどうぞ

ちなみに掛川駅でももちろんお茶の姿を探したが、お茶味のお菓子くらいしかなかった。茶草場農法でつくったお茶はどこで飲めるの?

でも松本ひとしがいたからいいか。絶対に笑ってはいけない茶草場農法をみたい。

 というわけで今回はここまで。全5回のつもりだったが本当に次で最後になるのか!?次回は愛野駅からスタートです。

この記事で紹介した見どころはこちらの地図からどうぞ。

 

 東海道線 静岡県内の駅に全部降りて観光する 

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